千艸の小部屋

四季折々の自然、生活の思いを、時には詩や創作を織り交ぜながら綴りたい。

書けなかった日記

2014年01月19日 | 日記

 八海山へワラビ採り  2013・5・29(水)

 確か、この辺だった。
 雑木林に隠れたような登り口だ。
 夫が鎌で枝切りをしながら先導してくれなかったら、私の体力では登れそうもない。いや、登れなかった。腰椎すべり症のせいだ。
 木の枝に捉まりながら、一気に登った。登れた。何くそ、という根性はある。
 夫はすでに到着か。
 話し声が聞こえる。

 雑木林の急勾配を抜けたら、そこは営林署管轄の杉を伐採した広大な山地。
 目の前の切株に、汗びっしょりの女性が腰をかけていた。
「こんにちは。早いですね」
「五時にここに来たんですよ」
 女性は、真っ赤に上気した顔の汗を拭いている。
 そばに、ワラビが入っていると思われる重そうなザックや袋がいくつも置いてあった。
「凄いですね。これ全部ワラビですか」
「まあまあです。早く来ましたから」
 向こうから、もう一人の女性がやってくる。
 少し恥ずかしそうだ。
 夫は、その先を歩いていた。
「見られたかもしれない」
 私は、すぐに納得した。
「大丈夫ですよ。山に入れば、こんなことよくあることです」
「でも、慌てました」
 気持ちをほぐすように、少し話しをした。
「地元の方ですか」
「地元です」
「都会から来た方だと思いました」
「えっ、冗談でしょう。地元の人間です。山菜採りは下手ですけどね」
 彼女たちは、塩沢方面から来たようだ。
 ここでの山菜採りはうるさくないと聞いていた。だから、何度も来ていると言った。
 国有林地だ。山菜採りは、誰が入ろうと自由だと思う。山菜採り禁止の立て看板のある地域が、魚沼のそこかしこにある。山野草を乱獲され、絶滅危惧種となった経緯はあるが、山を荒らすこともない山菜の採取はいいのではないかと思う。根こそぎ採らなかったら、再生するのだから。


 小さな花、キジムシロ(バラ科)が咲いていた。



 杉を伐採した後に、植林した杉の子が直立できないままでいる。冬の豪雪のせいだ。あちこちに芽を出しているワラビ。それも少ない。腰を曲げると疲れるので、切株で休み休み、夫とは反対方面に進んだ。
 昨年はいっぱい採れたが、今年は少ないのかもしれない。



 眼の前に見える八海山。
 まだ残雪がある。
 左手も国有林の杉林。正面の杉林の下は、八海山スキー場へ向かう道路。右手は登ってきた山の、杉を伐採した原っぱ、原っぱの斜面の上にはこの杉林・・・



 歩くほどに、ワラビの芽がヒョンヒョン伸びている。腰の痛みはどこかに吹き飛んだ。



 このワラビは摘み始めた頃撮った。重くなったので、リュックサックに収納。 そのとき、携帯電話も入れた。手にも袋を持つ。
 私にしては大収穫だった。

 シオデ(ユリ科)



 さて、八海山が目の前に見える杉林にきた。左手は営林署の車の轍の跡、右手はスキー場への道路の真上で通せんぼ。その上の杉林を抜ければ、近道だと思い込んでしまった。
 杉林は、けっこう急な斜面だった。雑木の枝に掴まりながら降りたら行き止まり。しかも下は暗い崖に見えた。その場所で、夫に携帯電話で助けを求めた。夫は夫で、電話しても出ない私が崖から落ちたか、救助隊でも要請しなければならないと真剣に考えたそうである。リュックサックの電話音にも気づかず、頭が混乱してしまっていた最中のことである。方向を見誤ったのである。
 そこで待っているように、と言われたにもかかわらず、必死で這い上がった杉林を抜けたすぐそこに夫が立っていた。





 教訓 通った道を帰るべし。

 この日記はボツにしようと思っていたのだが、後日、夫も同じ体験をしてしまった。同じ山で。
 知人に話すと、知人が子供時代、ぜんまい採りが好きで山に出かけていた母親が、道に迷って、恐怖心からか、以後山菜採りをしなくなったそうだ。

 山を下りて、道路横の側溝をまたごうとしたら、なんのはずみか側溝に落ちてしまった。水は流れていなく、ふくらんで重いリュックごとはさまった状態。

 教訓 最後まで気をゆるめるなかれ。



 追記

 腰椎すべり症は、現在安定した状態。
 筋力も復活してきた。
診療所でのリハビリと、家でのストレッチが効果をあげた。

 昨年、右足の親指が外反母趾と皮膚科で診断された。新たな爪が四分の三まで伸びてきた。残りの爪が取れるのはもう少しだ。
 外反母趾の痛みがこんなにひどいとは・・・

 理学療法士は、トレッキングなどで足指に力を入れすぎ、大分無理をしてきたのではないかと言った。思い当たる節がある。

 雪のため、ウォーキングもストップ。
 太極拳は、昼間の教室が廃止になって、以来やめている。

 近々、ディスポート南魚沼トレーニングルームに出かけようと思う。




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