21世紀研究会の新年例会があり、フジサキも出席させていただきました。
思えば、20年以上前の話になってしまいます。
ある日、聞いたこともない名称の研究会から、電話をいただきました。「なのはな村に21世紀賞を上げようと思う。」「ハアー」と、フジサキは返事も出来ません。思わず眉にツバを塗ってしまいました。
そして、恐る恐る会場を覗いてみると、本当に全て本当のことでした。
21世紀研究会にちなんでいただいた21万円は涙が出るほどうれしかったですが、障害のある人と、それだけを思いながら畑を耕していた私たちを、見てくださっている方々がいらっしゃる・・・そのことを知って、身体全体で感じ取ったとき、思わず号泣してしまいました。
もっと感動したのは、次の日のことです。なのはな村でいっしょに働くなかまたちを、市役所での昼食会に招待してくださいました。赤いじゅうたんの部屋で、フジサキは箸を持つ手が震えてしまいますが、なかまたちはいつもと変わらず、堂々としたものです。いつものように堂々とこぼしながら食しています。
それを眺めながら、N会長さんが「良いことですよねえ。」言ってくださったことが記憶に残っています。今年の例会でもその思い出話が出て、フジサキは苦笑してしまいました。
例会には東南アジアからの留学生も参加されていましたが、励ましの言葉だけでもと思いながらまだ20歳というお2人の「何を勉強したいか。」というお話に聞きほれていました。全く年だけを重ねているフジサキです。
会場になったH先生の奥様の手料理に満足して、最後は火鉢の火をぼんやりと見ていました。
かすむ頭で思ってはいたのですよ。若いお2人にお伝えできるものが、地域にお返しできるものが、フジサキにはあるだろうか、・・・夢の中です。