霧島家日誌

もう何が何だかわからないよろず日誌だ。

BIOSHOCK レビュー

2011年09月17日 12時22分44秒 | アニメ、ゲーム、映画等
ごきげんよう諸君、いかがお過ごしかな。空気を読む技術はいかに大事かを痛感している霧島である。と言っても、別に私が何かやらかした訳ではない。AOC記事やAC記事への2ch住民による凸を見るまでもなく、新規読者層が大量流入しており、私の最近の記事の書き方からして色々誤解している人が多い。

この日誌は、万人向けの、判りやすくて楽しいブログなどではない。

総統閣下の言を借りれば、どんな人間も湧き上がる妄想の泉を持っておる。その泉から湧き出た私の妄想を物凄い勢いでドボドボ流し込んだのがこの日誌であり、言ってみれば私の脳汁を人間に解読できる様日本語で言語化したものである。SIRENなんかやると、倒す必要のない場所にいる屍人(ゾンビみたいなもん)も見つけ出して殴り殺し断末魔を聞いてニヤニヤしてる私の妄想であるから、それが良性のものな訳がない。

そういう意味で、私のサイトはアングラ的な方向を持っている部分がある訳であり、又、それ故に、私の敬愛する東方千年帝国協会の総統閣下とレイホウ大司狂睨下のサイトを元ネタとしているのである。まぁ、この二人は前から元ネタとして紹介しておるのだが、これは「何か都合の悪い事あったらウチのせいにすんだろクソが」と捉える事もできる訳であり、お陰でこの日誌が続くかぎり、昔の様にレイホウ大司狂睨下のサイトに書き込む事も、ツイッターで総統閣下をフォローする事も自粛する毎日が続く事になり辛いのだがそろそろ脱線が酷いので話を戻す。

要するに、本来このサイトはより黒く、より暗く、より反社会的でなければならぬのである。私の妄想がそういう性質である以上はな。普通、そういうのは隠したりしてやるものだが、そこを敢えてフルオープンにするところに可笑しみがあると考えているのであり、だからこそ割と痛い子なキャラを敢えて芸風として貫いているのである。

しかしながら、最近は新規読者層が多数流入しており(最近更新頻度が酷いから離れてってるけど)、又、一般向けの記事や攻略記事が多い為、空気を読めぬ連中が涌くという嘆かわしい状況になっておる。あ、2chの連中は又別な。部屋のダニとか、日本にとっての在日とかそういうのだから、アレは。問題はそもそも本文を全部読んでない連中とか、「デザイン糞」とか行ってくる空気の読めない連中だ。

たわけめが。

アングラサイトは見難くて当然である。

で、となれば、たまには黒い記事を書かねばなるまい、というところである。そこに丁度良く、最近やってたBIOSHOCKのレビュー記事構想案があったので、これに飛びついた次第だ。


ところで、この生物衝撃プレイ中、今の私はFPSをプレイできないと判明し、落胆した。髄膜炎の後遺症で脳が傷付いて脳障害者になったり、脳って基本細胞が再生しないから片端人生確定したり、そのせいで普通に就職して生きていくのは不可能と判明したりしても特に悲観せず、マイペースにやってきた(実際、むしろ障碍者手帳欲しいな~とか思ってる)のだが…

3D酔いという言葉を知っているだろうか。これは、3Dゲーをやってると乗物酔いに近い症状が起きるものである。乗物酔いは、三半規管が異常をきたしたのが原因だ。我々は、歩く時、走る時、皆「これぐらいの速度で動く」「次はちょっと速度を下げよう」「次は右に曲がろう」「ここで止まろう」という風に考えている。そして歩く時や走る時は、これが正確に可能である。というか出来ない場合、事によると障害者手帳モノだ。しかしながら、例えば友人が運転してる自動車はどうか。

「これからこれぐらい加速しよう」「こういう曲がり方をしよう」「どれぐらい減速しよう」。これらを考え実行するのは友人であって自分ではない。なので、予想とは全然違う事態が発生する訳である。真っ直ぐ進むと思ってたら曲がったり、加速すると思ってたら減速したりする訳だ。そうこうする内に、「次はこうなる筈だ」と構えてい三半規管が参ってしまう…まぁ、噛み砕いて言えばこんなところだ。詳しく知りたければぐぐると良い。

んで、3D酔いも似た様な理由で起こる。特にFPSは、キャラが前後左右に歩きながら視点も前後左右へフリーダムに動く上、視野が広いので非常に酔いやすい。私は比較的3D酔いに強い方で、FPSをやっていた時期も(短いが)あり、酔った事はなかった。正確に言えば、初プレイ時酔うのだが二度目以降は酔わないというタイプだった。

だが。

しかし。

BIOSHOCKで酔いまくったのである。どうやら、空間認識能力が著しく劣化してしまった様だ。考えてみれば、私の脳は事務処理能力とかに関係する様な部分、例えば反射神経なんかに関係するところが傷付いている訳で、空間把握能力も下がって当然である。やれるゲームの種類が減ってしまった訳だな。

ぶっちゃけ、一生私は片端のままと判明した時より今回の方が余程ショックだった。


まぁそんなどうでもいい事は置いといてBIOSHOCK(一応ホラーFPSらしい)である。

私は、一般的にFPS・TPSが好きではない。と言うか洋ゲーもあんまり好きではない。では何故このゲームに手を出したかと言えば、キチガイぶりが大変ヤバいからである。何せオープニングからしてヤバい。市長の演説と共に舞台となる街が映し出されるところまでは普通なのだが…街中で、いきなり主人公が幼女を襲うシーンが始まるのである。

空気供給管らしきパイプの中に逃げようとした幼女の足を掴んで引きずり出し、レンチを取り出す。そして慣れた様子でレンチを手で弄びながら「ウフフ」と言わんばかりに怯える幼女を舐める様に眺めるという大変犯罪的な雰囲気である。まぁその後、護衛のビッグダディ(さっきのリンクで出るパッケージに描いてある潜水服)と戦闘に入る訳だが、そこでも謎の青い液体を注射して超能力を使うという視覚に訴えかけるキチガイぶりである。

そんなゲームだから、世界観(と言うか舞台)もマトモではない。

世界は天才にとって狭すぎる、そう考える男がいた。芸術家の表現は世間の「良識」に潰され、科学者の発明も社会の「倫理」に束縛される。そして更には冷戦が開幕する。世界に絶望した天才ライアンは自らが認めた者達を引き連れ、大西洋の海底に、海底都市ラプチャーを建設。1946年の事である。

お前は一体何を言ってるんだという話だが、とにかく1946年に建設が開始されたと説明書には書いてある。まぁこの辺はSFという事で、そういう前提でやれ、というところであろう。んで、この海底都市ラプチャーで旧第三帝国の科学者によってADAMと呼ばれる物質が発見される。これを使えば遺伝子操作し放題、指パッチンで火を起こせるし観念動力だって使える、という物質だ。

これによってラプチャーの住民達の力は飛躍的に高まったが、問題が起きた。ADAMで遺伝子操作するとみんなしてキチガイになってしまう事が明らかになったのである。判った時には殆ど手遅れで、しかもフォンテインという男がラプチャー内で一大勢力を作り上げてライアンに反旗を翻し、ラプチャーは内戦状態に突入してしまう。そんな、キチガイとキチガイが血で血を洗う闘争を繰り広げる先鋭的世紀末近過去キチガイ都市ラプチャー。ここが本作の舞台である。

何せキチガイだらけであるから、ボスもキチガイ、雑魚もキチガイである。それに加えて舞台が海底都市というピンポイントで私を狙ったかの様な舞台設定。私はSF好きだが、中でも海中都市とか海底基地とかそういうのが一番好きだからな。沈没船とかも。キチガイワンダーランド+海底都市となれば買うしかない、という訳で購入に踏み切ったのだ。


本作の魅力は、やはり魅惑的なキチガイ達にあると言えよう。ローカライズ(洋物のゲームとかを、台詞を翻訳したりして日本国内向けに手直ししたりする事)を担当したのが、ローカライズの老舗スパイクであり、原作のキチガイぶりをこれでもかというぐらい的確に再現している。このゲームでは各所に配置されている雑魚(当然ADAM投与のしすぎでキチガイになっておる)がかなり頻繁に喋るのだが、それも全部日本語訳されており、しかも声優がかなり豪華なのだ。

なので、キチガイ達がいるエリアでは物凄い勢いでヤバげな声が聞こえてくるのである。このゲームのキチガイ達は一人で喋り捲る習慣があるので、「俺は十戒を全部守ってる!全部守ってるんだ!!(迫真)」とか言ってると思えば「深い海の底でも神はすべてお見通しだ…全てお見通しだ…」と絶望しており、と思うと「か~みは~お~れを~あ~いし~てる~♪」と歌い始め、挙句「この格好はアナタの為です!アナタの気に入る様に!」とか言い出すという大変念の入ったキチガイぶりである。

だが、正直に言うと、私はこのゲームをやって酷くガッカリした。と言うのも、ぶっちゃけて言うとSIRENの劣化だったからである。無論、これはFPSでSIRENはバイオ系アクションなのでゲーム性の話ではない。ルック&フィールやストーリーの話だ。

ルック&フィールは、一般的にはGUIについて語られる事が多いが、ゲームでこの単語を使う場合は少々異なる。ルックは「見た目」、フィールは「感じ」、つまり見た目&感じというこの単語は、読んで字のごとくゲーム画面から流れてくる雰囲気を表す単語である。画面に映ったキャラや背景、流れてくるBGM、キャラの声や台詞、効果音といったところだな。これらの要素によって、プレイヤーが感じる「ゲームの雰囲気」、即ち「ルック&フィール」が決まる訳である。

例えば初代orリメイクのバイオハザードなら、舞台はおどろおどろしく古い謎の洋館、敵としてぁーぁー言いながらうろつくゾンビが多数出てくる。BGMは恐怖を煽り立てるもので、銃を撃てば発射音と共に血飛沫が舞い、ゾンビに噛まれれば自キャラの悲鳴と共に血がモリモリ出る…バイオハザードではそういうのを総合して「恐怖」という「雰囲気」、つまりルック&フィールを演出しているのである。

んで、だ。

ぶっちゃけ、この程度のキチガイぶりならSIRENが五年前に通った道なのである。バイオショックと違ってSIRENの屍人はそこまで五月蝿くないが、その分視界ジャックしたりするとうっへっへっへ大変ヤバめな笑い声をあげてたりするし、何より日常生活をいびつな形で続けているというのがヤバい。

SIRENの屍人は、まぁ判りやすく言えばゾンビなのだが、正確に言えば神になりかかってる人間である。まぁこの辺は説明すると長くなるので省略するが、SIRENの舞台に存在する「赤い水」を一定量取り込むと屍人と呼ばれるゾンビの様な存在になる。んで、屍人になって間もない頃は人間的な感情や記憶をある程度残している。

なので、農作業や左官の仕事を続けようとしたりするんだが、あくまで「ある程度」残ってるだけなので、大変ヤバい。農作業ぐらいならまだいいが、前田母は謎の笑い声をあげながら包丁でまな板を叩きまくる(本人は料理してるつもり)し、元警官の屍人は攻撃してくる前に「諒解、射殺します」とか言ってたり(無論射殺を指示されたのは妄想である)、カツ丼か何か食べてるつもりでどんぶりに入った謎の赤いゼリーを食ってたりするのである。

唯一の生存者(と言うか帰還者)となる春海は特に屍人に気に入られており、小学校の校長先生は「春海ちゃんの匂いがするよぉ~」とか言いながら追ってくるし、生前友人だった前田娘は「は~るみちゃんが~ほ~しい♪」と歌いながら襲い掛かってくる。極めつけは、異変が起こってからずっと春海を守ってくれて、春海の為に自爆して死んだ(で、屍人化した)先生が屍人化後現れて「もう一人で何処にも行っちゃ駄目YO」とか言いながら襲ってくるのは大変ヤバい光景であった。

こういう、SIRENのキチガイ達に比べればバイオショックのキチガイ達はどうにもこうにもパンチ力が足りないのである。一億総キチガイ状態なのにも関わらず流通が死んでおらず、普通に買い物もできる(自動販売機からだが)し、戦闘になると「こいつの首をフォンテインに届けろ!受領書を忘れるな!」とか「神の前に屈服するのだ!お前の時の運は尽きた!」とか割と普通の事も言ってくる。無論キチガイじみた事も言うが、普通の事も結構言う。

これでは、キチガイ度においてSIRENに決定的な差をつけられているのは確定的に明らかであり、後発のゲームなのだからもっと先鋭的なキチガイを登場させるべきであったと言わざるを得ない。このゲームの出てくるキチガイのツートップと言えばやはり美容整形外科医のスタインマン先生と芸術家のコーエン先生だが、どちらも純粋に道を求め続けたが故に人の道を誤ったという程度であり、そこまで酷くはない。

無論、愉快ではあるがな。コーエン先生など、自分が爆殺した人間の写真を主人公に撮らせた上その写真の出来を大変気に入り、私と共に作品を作ってくれとか言い出すからな。自分を裏切った三人の弟子を倒し、その写真を撮り、コーエン自作の額縁に飾ってくれと言うのだ。これを遂行すると、私の最高傑作だと大喜びした上、トニック(主人公の能力を強化するスキルみたいなもん)をくれ、しかも主人公の敵のところへ連れて行ってくれるのである。

私個人はこういうキャラが大好きだが、ホラーで求められてるのはそういうキャラじゃねーから。

ギャグキャラやないかいこれ。

一方の美容整形外科医スタインマン先生は、普通に美しい顔を作っていたんだが美しさを求めすぎて色々おかしくなってしまった、という感じである。つまりどういう事かと言えば、最初普通の絵描いてたピカソが芸術を追い求めすぎたあまりお馴染みの意味不明な絵描く様になったという感じである。

又、ストーリーもSIRENと比べるまでもなくお粗末である。まぁ洋ゲー、しかもFPSにストーリーを求める事自体無理があるのであり、「フーン」でさらっと流すのが正解であろう。と言うか、このゲームのストーリーが魅力的とか言ってる連中は鳥山のシナリオで涙を流せる程度の脳味噌の筈なので是非ともFF13を最後までやるべきである。

矛盾も多いし、インタビュー見るとライターも三流と残念の極みと言わざるを得ない。ただまぁその分世界観はよく構築できており、60年代アメリカの雰囲気をよく再現しており(ラプチャー建設は1946年だが本編は60年代)、海底都市としての景観も大変綺麗でよろしい。ただ、まぁ何と言うか、海底都市という単語と60年代アメリカという単語が見事にマッチしないのはまだ「そういう前提でやれ」でいいとしても、ラプチャー各所が浸水しまくってるのは流石にマズイだろうと言わざるを得ない。

どっかのバルブから漏れてるんだろうなーというのならまだ話は判るが、ガラス張りの海底回廊でも、ガラスの割れ目?から浸水してるからな。水圧って言葉知ってるかという話である。「ネクサスは何故クソゲーか」でも言ったが、ゲームでも何でも、嘘を一度ついたなら最後までつき通す事が重要であり、こんなんでは世界観に疑問を持たれ、折角の海底都市が陳腐化してしまう。

まぁ、細かいところに気が回らないあたりがメリケンらしいと言えばメリケンらしいゲームとも言えるな。


尚、ゲーム部分は結構よくできておる。基本的にはFPSだが弾がそう多くなく、又敵が非常に堅い(ヘッドショットしても大抵一撃では死なない)事もあり、細けぇ事はいいから頭撃ちゃいいんだよでは辛い場合が多い。むしろ、ADAMを使った遺伝子改造で得られる超能力も組み合わせて戦うべきである。後、セキュリティシステムをハッキングして味方につけたりな。

なので、FPSがあまり好きでないプレイヤーにも割と勧められる一品ではある。FPSと言うよりは、FPSの移動&射撃システムを採用したアクションRPGといった趣のゲームだ。難易度が上がってくると、銃を撃つより敵の死体をテレキネシスで投げ飛ばす事のが多くなるこのゲームは、FPSである必要はあったのかと問わざるを得ない。まぁFPSじゃないとメリケンは買わないので、洋ゲーアクションである以上必然なのかもしれんが。

色々文句を言ったが、まぁ悪くないゲームではあると思うのでやってみて損はないとは思う。ストーリーとかの問題も、メリケンのゲームにゲーム性とグラフィック以外を求める奴もおるまいと考えればまぁ全然許容できる。ただ、このゲーム物凄く酔う(FPSの中でも非常に酔い易いとされておる)のでそこにだけは注意して欲しい。