ひとり語り 劇車銀河鐵道 いちかわあつき

 ひとり語りの口演や、絵本の読み語りなどの活動をしています。
 何処へでも出前口演致します。

映画「渚にて」を観る。

2012-07-24 22:11:07 | Weblog
 1960年、私が生まれた年に公開されたアメリカ映画です。
 スタンリー・クレイマー監督、ゲレゴリー・ペック主演、エバ・ガードナー、アンソニー・パーキンス、フレッド・アステアなどが共演しています。

 時は1964年、近未来の世界(公開当時の)。核戦争が勃発し、北半球は全滅。南半球オーストラリアあたりだけがいまだ放射能汚染されておらず、米海軍原子力潜水艦が避難先としてメルボルンに逃れてきます。その潜水艦の艦長が、グレゴリー・ペック演ずるタワーズ艦長です。しかし、残された時間もさほどにはありません。

 米ソ冷戦の真っ只中、キューバ危機などのあった時代です。まさにその中で描かれた核の恐怖なんですが、物語は死へ向けて淡々と静かに進んでいきます。
 核爆弾の炸裂も建物の破壊も、悲惨な場面は何ひとつありません。

 私は数年前からこの映画に強い関心を持っていて、一度見たいと思っていたのですが、近くのレンタル屋さんにはなくTUTAYAでようやく見つけました。

 今はあの頃のような、核戦争がいつ起こってもおかしくはないという状況ではありませんが、しかし核の脅威はひとつも解消されていません。それどころか、あらゆる危険と背中合わせに原子力は世界に拡散しています。
 誰がどう理由付けしようとも、原子力はハイリスクな物であり続け、そうでなくなる見通しは先送りのままです。平和という言葉が躍れば躍るほど、冷たい風が吹き抜けていく。
 前に、原爆投下はまさに秩序の破壊だったと唱えたアメリカの学者がいましたが、人類は原子力の前で、モラルや魂を失ってしまうもののようです。

 しかし私はここで一歩引いて、この映画を冷静に見つめ、この状況下で人はどうあるべきかを考えてみたいと思っています。
 ニヒリズムにもナショナリズムにも陥らない世界の眺め方というのかな? その視点で今考えてみたいことがあるのです。