クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

シューベルトのピアノ五重奏曲 イ長調 作品114「ます」 ルドルフ・ゼルキン(Pf)ほか

2007年07月19日 04時14分58秒 | 室内楽曲
きれいな青空が広がりました。久しぶりの夏空でした。
梅雨明け、まもなくでしょう。真夏の季節であります。
我が家の菜園では、キュウリ・なす・ゴーヤ・プチトマトが絶好調。野菜をばりばり喰って、夏を乗り切りましょう。

さて、今日もピアノ音楽、そしてゼルキンを聴いております。
室内楽です。

シューベルトのピアノ五重奏曲 イ長調 作品114「ます」。
ルドルフ・ゼルキン(Pf)、ハイメ・ラレード(Vn)、フィリップ・ネーゲル(Va)、レスリー・パルナス(Vc)、ジュリウス・レヴィンス(Cb)の演奏。
1967年の録音、CBS盤。

ピアノ五重奏曲「ます」は、1819年夏、シューベルト22歳の作品。若書きとはいえ、そこは天才シューベルト、全編にわたって幸福で晴朗な音楽が続く名作中の名作。
聴き終わったときの、暖かい感情が心にこみ上げてくる。それがこの作品のいいところと思う。

演奏は虚飾を排して誠実そのもの。
ゼルキンが全体の主導権を握り、また各奏者をよく支えている。
支えると云っても、ゼルキンがガッチリ固めるのではなく、各奏者にのびのびとやらせつつ、要所では眼を光らせている、という感じ。

録音のせいか、ピアノがややこもり気味で遠目に感じるのが少し残念だが、ゼルキンの芯の太いピアノの音は十分に鑑賞できる。
ヴァイオリンは艶やかだし、チェロやコントラバスの深々とした響きは心が洗われるよう。実にイイ音。

第1楽章は精力的。時に激しいアクセントを伴うところもあるのだが、全体的には端正にまとめあげている感じ。

第2楽章は優美な演奏。ピアノやヴァイオリンがソロの時に、ふわっと浮き上がるような響きを作るのが実にイイ。心落ち着く、豊かな音楽だと思う。

第3楽章では、ヴァイオリンやヴィオラがキュッキュッと軽やかに響くのだが、その音が全く心地よい。ウキウキと弾むリズムがその心地よさをさらに増幅させる。
テンポは速めで、快適そのもの。

第4楽章はゆっくりと歌う「ます」。素朴な味わいを残しつつ、旋律の美しさを噛みしめるように歌い上げてゆく演奏。しみじみとした感情、清冽な抒情もある。
これは名演と思う。

フィナーレは、快活な曲想を素直に表現した演奏。よく聴いていると、低音部の支えが実によい。スッキリとした終結を迎える。

録音は、ピアノがやや遠目でこもり気味なのだが、録音年代を考えれば、致し方なしかも。
ピアノを含む室内楽は録音が難しいという話も聞いたことありますしね。
これが標準と云うべきなんでしょう。





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