クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

ラヴェルのバレエ音楽「ダフニスとクロエ」全曲 ハイティンク/ボストン響

2007年04月25日 05時11分22秒 | 管弦楽曲
四国は冷たい雨でありました。4月末にしてはちと寒いです。

今日はラヴェルのバレエ音楽、「ダフニスとクロエ」全曲。
ベルナルト・ハイティンク指揮ボストン交響楽団の演奏。
1989年5月の録音。フィリップス盤。

ボストン響の音はシックで甘い。そして、ミュンシュ以来の伝統か、フランス音楽とは相性がよいように思われる。
演奏は、ハイティンクがいつものように、作曲者に忠実に、誠実に振ったもの。ただ、少し肩の力が抜けているように思えるのは、この時期にハイティンクが巨匠になりつつあったせいかな?
「ダフニスとクロエ」をシンフォニックに響かせた名演だと思うのだが、行間とでも云うか、演奏の隙間からフランス的な匂いが漂うところがイイ。

冒頭の弦楽セクションの秘やかな響きが、やがて部屋中に広がり、フランスの香りで満たされてゆく。ラヴェルは「オーケストラの魔術師」とか「スイスの時計職人」と称されたが、この作品を聴くと、なるほどなぁと首肯してしまう。

特に第1部の、「グロテスクな踊り」~「タランスの踊り」~「リュセイヨンの踊り」当たりは絶品と思う。ここでのトゥッティは壮絶な美しさ。スゴイ。
「戦いの踊り」の間奏曲では、ホルン・トランペット・フルートなどの管楽器が素敵な音を響かせる。。

ボストン響は華麗な名演。ただ、派手な音にならず、全体的に落ち着いた色調であるところが、また味わい深く、無限のニュアンスが漂ってくる。
これぞ、ボストンと云うべき音なんだろうな。
弦の音色の美しいこと!暖かく、渋く、そしてフランス風の軽やかさもある。

第2組曲での精妙な美しさも絶品。
フルートはドリオ・アントニー・ドワイヤー。素晴らしく巧い。ボストン響の音の広がりも申し分なし。

20年近く前の録音ですが、1980年代後半のフィリップス録音だけに、今も最高水準と言ってよろしい音だと思います。
ボストン響らしい、渋い響きが印象的。
キラキラしていないサウンド、黒光りするような音と云うべきでしょうか。
トシを取ると、こういう音が肌に合うような気がしますな。


相変わらず、妙なトラックバック攻撃を受けております。
いちいち削除するのもイヤになってきました。
こんな、四国の片隅の、田舎のオッサンの絵日記にナンボでもTBしてきて、いったいどうすんねん?・・・・・と聞いてみたくなりますな。
トシを取っても、これには腹が立つもんです。やれやれ。



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