このところ忙しく、音楽が聴けませんでした。
今日は久しぶりに時間がとれたので、大曲を聴きます。
この曲は1時間半。聴きながら、たっぷりとした、ゆったりとした時間を過ごしたいものです。
で、聴き終わると、やはり「名曲やなぁ」と思います。
■スメタナ:交響詩「わが祖国」全曲
■演奏:ラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団
■録音:1984年3月 ヘルクルス・ザールでのライヴ録音 Orfeo原盤
クーベリックの「わが祖国」の録音は沢山ある。
有名なところは、プラハでのライヴ、来日公演のライヴ盤、1970年代にDGに録音したボストン響盤あたりだろうか。それらは確かに名演奏と思うのだが、では数ある中でどれが好きかと云われると、ボクはこのオルフェオ盤が好みなのであります。
この演奏もライヴ・レコーディングなので、共感・熱気が十分に伝わってくる。そしてオーケストラがとてもイイ。巧いし、アンサンブルがイイし、熱い情熱のほとばしりもある。加えて、とても巧いのに、あまりそれを意識させず、スメタナ独特のひなびた味わい、素朴なオケの感触を残しているのが、聴けば聴くほど伝わってきて、泣かせる。後半へ行くほど涙がこぼれる。
そして、クーベリックもきっと感じていたように、ボクも故郷への思い、やるせない望郷の思いに胸がいっぱいになってくる。
思えば、この演奏を初めて聴いたのは、まだまだクラシック音楽を聴き始めた頃で(なんて云っていて、今も相変わらずの初心者というか素人でありますが)、レコード雑誌の褒めるままにオルフェオ盤のLPを、秋葉原の石丸電気のキズモノバーゲンで買ったのだった。それだけに、今も思い入れが強いのかもしれない。
当時、オルフェオはまだ出来たばかりであったか、日本への輸入が始まったばかりであったか。物珍しさとジャケットの品の良さで目立っていて、しかも録音がメジャーレーベルに引けを取らずに中々よろしいとの評判だった。
録音こそ少し古びた感じもするのだが、それを補ってあまりある指揮者とオーケストラとの一体感が、大変素晴らしいと思う。長い間共同作業をしてきた、気心の知れた仲である指揮者とオケの、呼吸の合い方、意思の伝わり方が、レコードを通して聴ける。これはとても幸福なことだと思う。エエ演奏を聴いたなぁとつくづく思える1枚と云うべきか。
「わが祖国」といえば、「高い城」・「モルダウ」は旋律が美しいので聴きやすいのだが、第3曲以降は何となく分かりにくく聴いていてピンとこない演奏が多かった。もっと云えば、退屈してしまったり、聴きながら眠ってしまったりすることが多かった。
しかし、このクーベリック/バイエルンRSO盤は、後半部に進むほど熱気を帯びてきて、オケにも勢いが出てくる。実に熱い演奏になってゆく。ここにいるクーベリックは情熱ほとばしる熱い指揮者だ。スタジオ録音盤ではスタイリッシュな仕上げと素朴なまでの作曲家への奉仕が見事なのだが、ライヴのクーベリックは燃えるような感情を隠さず、熱く共感を歌い上げてゆく。これは感動的と思う。
というわけで、クーベリックの「わが祖国」ではこれを推したいのであります。
今日は久しぶりに時間がとれたので、大曲を聴きます。
この曲は1時間半。聴きながら、たっぷりとした、ゆったりとした時間を過ごしたいものです。
で、聴き終わると、やはり「名曲やなぁ」と思います。
■スメタナ:交響詩「わが祖国」全曲
■演奏:ラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団
■録音:1984年3月 ヘルクルス・ザールでのライヴ録音 Orfeo原盤
クーベリックの「わが祖国」の録音は沢山ある。
有名なところは、プラハでのライヴ、来日公演のライヴ盤、1970年代にDGに録音したボストン響盤あたりだろうか。それらは確かに名演奏と思うのだが、では数ある中でどれが好きかと云われると、ボクはこのオルフェオ盤が好みなのであります。
この演奏もライヴ・レコーディングなので、共感・熱気が十分に伝わってくる。そしてオーケストラがとてもイイ。巧いし、アンサンブルがイイし、熱い情熱のほとばしりもある。加えて、とても巧いのに、あまりそれを意識させず、スメタナ独特のひなびた味わい、素朴なオケの感触を残しているのが、聴けば聴くほど伝わってきて、泣かせる。後半へ行くほど涙がこぼれる。
そして、クーベリックもきっと感じていたように、ボクも故郷への思い、やるせない望郷の思いに胸がいっぱいになってくる。
思えば、この演奏を初めて聴いたのは、まだまだクラシック音楽を聴き始めた頃で(なんて云っていて、今も相変わらずの初心者というか素人でありますが)、レコード雑誌の褒めるままにオルフェオ盤のLPを、秋葉原の石丸電気のキズモノバーゲンで買ったのだった。それだけに、今も思い入れが強いのかもしれない。
当時、オルフェオはまだ出来たばかりであったか、日本への輸入が始まったばかりであったか。物珍しさとジャケットの品の良さで目立っていて、しかも録音がメジャーレーベルに引けを取らずに中々よろしいとの評判だった。
録音こそ少し古びた感じもするのだが、それを補ってあまりある指揮者とオーケストラとの一体感が、大変素晴らしいと思う。長い間共同作業をしてきた、気心の知れた仲である指揮者とオケの、呼吸の合い方、意思の伝わり方が、レコードを通して聴ける。これはとても幸福なことだと思う。エエ演奏を聴いたなぁとつくづく思える1枚と云うべきか。
「わが祖国」といえば、「高い城」・「モルダウ」は旋律が美しいので聴きやすいのだが、第3曲以降は何となく分かりにくく聴いていてピンとこない演奏が多かった。もっと云えば、退屈してしまったり、聴きながら眠ってしまったりすることが多かった。
しかし、このクーベリック/バイエルンRSO盤は、後半部に進むほど熱気を帯びてきて、オケにも勢いが出てくる。実に熱い演奏になってゆく。ここにいるクーベリックは情熱ほとばしる熱い指揮者だ。スタジオ録音盤ではスタイリッシュな仕上げと素朴なまでの作曲家への奉仕が見事なのだが、ライヴのクーベリックは燃えるような感情を隠さず、熱く共感を歌い上げてゆく。これは感動的と思う。
というわけで、クーベリックの「わが祖国」ではこれを推したいのであります。
古い記事ですが、トラックバックいたします。
クーベリックの「わが祖国」は沢山あって、どれを買おうか迷ってしまいますが、このごろの激安、結局ボストン響盤とプラハでのライヴ盤も持ってしまいました。
懐かしさもあって、僕はこのオルフェオ盤が好みです。当時のオルフェオは音が良いのでも結構有名で、長岡鉄男が褒めたりしてました。
一番初めに買った「わが祖国」はDENONのスメターチェック盤なのですが、これは3,800円もしたときで、今も涙が出ます。今なら「わが祖国」が7、8枚買えそうです(^^ゞ。
TB有り難うございました。