クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

モーツァルトの歌劇序曲集 ハンス・フォンク/ドレスデン・シュターツカペレ

2007年04月29日 04時53分34秒 | 管弦楽曲
汗ばむような一日。初夏を思わせる日でありました。
連休の始まりで、こんな田舎でも、どこも人出が多い感じ。我が家の前の産業道路もショッピングモールがオープンしたせいか、混雑渋滞でありました。

さて、今日はモーツァルトの歌劇序曲集。
ハンス・フォンク指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏。
1985年、ドレスデンのルカ教会での録音。Laserlight原盤で、超のつく廉価盤。なんと税込み347円。

1曲目、「魔笛」序曲のあの有名な和音が響いた途端。リスニング・ルームがドレスデンのルカ教会に変わってしまった。素晴らしい音。今から20年も前の音とは思えない、新鮮でまろやか、何とクリーミーな音だろう。
ドレスデン・シュターツカペレの暖かく柔らかく優しい響き、楽器がよく融け合って、しっかりした厚みを持ったまろやかな響き・・・・・これを聴くのはもう何とも云えない心地よさ。
この音で、モーツァルトをやられた日には、何も僕には要りません。
全ての楽器が豊かに鳴っている。テンポも颯爽として、実に気持ちよい。

そう、SKDの音だけでなく、フォンクの指揮がまた良いんだなぁ。
ハンス・フォンクは3年前に亡くなった名指揮者、職人肌の人だったのだろうと思う。EMIにシューマンの交響曲全集などはあったものの、そんなに録音は多くなかった。
このCDは良い。SKDの最良のサウンドを引き出して、見事なモーツァルトを聴かせてくれる。

「フィガロの結婚」も快速快適な演奏で、アンサンブルが良いので、響きがもたれない。音楽は、コンサートホールで聴いている感じ。残響が素晴らしく、弦楽セクションの音などても柔らかい。この音、このフンワリ感、SKDの稀有の個性と思う。モーツァルトの魅惑的な旋律が次々に飛び出してきて、それがまた上品で端正、聴いていてワクワクしてくる。

「ドン・ジョヴァンニ」は、これがまたしっかりデモーニッシュな音。柔らかく、切実で、悲劇的な響きをきちんと出してくる。最上質の悲嘆とでも云うべきか、素晴らしいアンサンブルと、有機体のような音の塊、いや塊と云うよりは音の雲海のような、聴き手の体を優しく包み込むようなサウンドが、極上の悦びを与えてくれる。

いやもう、素晴らしいの一言でありました。

曲目はこんな感じであります。
○歌劇『魔笛』K.620~序曲
○歌劇『フィガロの結婚』K.492~序曲
○歌劇『アルバのアスカニオ』K.111~序曲
○歌劇『イドメネオ』K.366~序曲
○歌劇『劇場支配人』K.486~序曲
○歌劇『コシ・ファン・トゥッテ』K.588~序曲
○歌劇『後宮からの逃走』K.384 ~序曲
○歌劇『にせの女庭師(恋の花つくり)』K.196~序曲
○歌劇『ルッチーオ・シッラ』K.135 ~序曲
○歌劇『皇帝ティートの慈悲』K.621~序曲
○歌劇『ドン・ジョヴァンニ』K.527 ~序曲




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