クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

シューマンのピアノ五重奏曲 変ホ長調 作品44 レーゼル(Pf)・ゲヴァントハウスSQ

2007年07月23日 03時44分26秒 | 室内楽曲
ペーター・レーゼルをボツボツ聴いております。

僕はHMVの回し者ではありませんが、独シャルプラッテンの原盤をedelレーベルが激安ボックスで発売している輸入盤、これは安い。ホンマに安い。
すでに協奏曲編は持っていたんですが、独奏曲が13枚組、室内楽編が8枚組、いずれも2,000円以内で購入できてしまう激安設定。
そして、演奏・録音ともなかなかよろしい。すべてが名演とはいかないまでも、真摯な好演、端正な佳演が沢山。東独系のピアニストと演奏家・オーケストラを楽しむのにも良いです。ドレスデンのルカ教会、東ベルリンのキリスト教会などのロケーションも良く、素晴らしい音で聴けるのもエエです。

それにしても、この価格。何という時代に僕は生きているのか。隔世の感・・・・なんてノンビリと云っていてエエんだろうか。

というわけで、レーゼルのピアノで、今日は室内楽を。

シューマンのピアノ五重奏曲 変ホ長調 作品44。
ペーター・レーゼル(Pf)とゲヴァントハウス弦楽四重奏団の演奏。
1983年、ドレスデンのルカ教会での録音。

曲は、1842年の作。シューマン、「室内楽の年」の作品にして、このジャンルの名曲。
初演に先立って、クララやメンデルスゾーンも交えて試演されたという。いや、何とも豪華なメンバーだこと。

第1楽章はアレグロ・ブリランテ。
チェロに出てくる主題のなんと暖かく優しいこと。遙かなる夢への憧憬を表出しているかのよう。ロマンの薫り高い音楽であって、青年の志を感じさせる演奏になっている。
ピアノもクヮルテットの音も実にイイ。柔らかくて、深みがあって、コクのある音。派手ではない、やや渋めの音なのだが、ルカ教会の抜群の音響もあって、素晴らしい音に仕上がっている。レーゼルとクヮルテットの協調が美しい。ピアノがメインの音楽だが、主導権はヴァイオリンのカール・ズスケにあるような感じもする。

第2楽章は葬送行進曲。
やさしい眼差しでつくられた音楽。ベートーヴェンの葬送行進曲とはだいぶ違う。
レーゼルのピアノがとても美しい。それをガッチリ支えるゲヴァントハウスSQのアンサンブルも強固で美しい。
楽章半ばで出てくるヴァイオリンのソロが、品よく流麗に響くのが印象的。ズスケは巧い。

第3楽章はスケルツォ。モルト・ヴィヴァーチェ。
2つのトリオが綺麗。
快活で意気上がる感じ。ゲヴァントハウスSQが実に雄弁で、レーゼルもそれに触発されて硬質な響きで応じる。
アンサンブルの良さにはここでも感心する。実に楽しそう。奏者の笑顔が見えてくるような演奏、こういう音楽を聴くのは楽しい。

フィナーレはアレグロ・マ・ノン・トロッポ。
充実した終曲。シューマンの云いたいことがはち切れんばかりに詰まっている音楽。フーガも見事な出来だと思う。
そして、何よりシューマンらしいメランコリックなところが、実によく出ている演奏。レーゼルとゲヴァントハウスSQの協調の賜物だろう。


録音が素晴らしい。
室内楽の楽しさ、響きの余韻などが美しく伝わる録音であります。
我が家のステレオと相性が良いのか、室内楽の録音としては最高レベルと思います。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿