クラシック音楽のひとりごと

今まで聴いてきたレコードやCDについて綴っていきます。Doblog休止以来、3年ぶりに更新してみます。

R・シュトラウスの交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」 ハイティンク/ACO

2007年04月18日 05時03分40秒 | 管弦楽曲
寒冷前線の影響か、冷え込みました。
風邪も流行っているそうで、遅まきながらインフルエンザが周囲で出てます。
年度初めの業務の多忙さはやや緩和してきましたが、連休まで、あと2つほど大きな仕事を完了させなくちゃいけません。
トシをとると責任が増えてシンドイですなぁ・・・・・。

さて、今日はR・シュトラウスの豪華な曲をいきましょう。

交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30。
ベルナルト・ハイティンク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管の演奏。
ヴァイオリンの独奏はヘルマン・クレバース。
1973年4月、コンセルトヘボウでの録音。フィリップス盤。

アムステルダム・コンセルトヘボウ管の暖かく柔らかい音が印象的な佳演。
オーディオ的にも文句ない録音。冒頭だけ聴いてもスッキリする。

あの壮大華麗な冒頭は、ボクらが若い頃のオーディオ・ブームで盛んにデモされたものだった。1970年代から1980年代末は、ステレオの日進月歩の時代。R・シュトラウスやマーラーなどは、その時代にふさわしい作曲家だったろう。

このハイティンク盤もその中の一つ。
ただ、R・シュトラウスというと虚仮威し的な、音の饗宴に終わってしまって内容空疎な演奏が結構多かった中で、ハイティンクのR・シュトラウスは充実していて中身がはち切れんばかりなのが素晴らしい。外面よりも内面という感じ。

アムステルダム・コンセルトヘボウ管の音も、フルスケールの最強奏でも崩れないのはさすが。テンポやフレージングも心地よく、妙なアゴーギクもないので実に耳あたりがよろしい。

特に冒頭の大演奏が終わって、「現実に背を向ける人々」の部分の安らかな響きが素晴らしい。激しい音響が済んで、暖かく包み込まれるような気持ちよさ。柔らかく、ふっくらとした響きは真綿のようで、これに身を任せるのは至福の境地か。
ハイティンクのフレージングが良いので、オケが気持ちよく演奏しているのが伝わってくる。

随所に感じるのはアンサンブルの緊密さ。お互いの音をよく聴き合いながら、それぞれの楽器がコンセルトヘボウの見事な残響の中で、様々な色彩となって融け合う様子は、ホンマに素晴らしい。
ヴァイオリンのソロはコンマスのヘルマン・クレバース。当時ヨーロッパ最高と謳われたという名コンマスを聴けるのは嬉しい。全くエエ音。

常任指揮者に就任して10年余、ハイティンクとコンセルトヘボウ管がお互いを理解し合う、円満な関係になっているのが聞こえてくるような演奏。

何も激しくガンガン鳴らすのがR・シュトラウスじゃないですな。
こういう「ツァラトゥストラ」もエエなぁと思います。

音響は、70年代アナログ録音の粋、大変聴きやすい録音であります。
オーディオ的な快感であり、オーケストラに包まれる幸福を味わえます。





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