高浪の池から明星山を見た前日 (2007年8月16日)の午後4時、私はとある岩山の前に立ちつくしていた。
いきなり魁偉な岩山をお目に掛けてしまったが、この山の名前は・・・
昔、大糸線に乗り、糸魚川から松本方面に旅した時、根知(ねち)の駅辺りで、東の方に魁偉な岩山を見つけた。
鈍行列車が駅に停車の前後、ほんの数分間、見えただけだが、その岩山は先の明星山同様、強烈な印象を私に与えた。
(`◇´)いつかこの岩山を征服してやるぞーっ!などとは思わなかったが、
モウ少し間近でじっくり眺めてみたいと長年思っていた。
今回の信州ツアー(主に霧ヶ峰)の最後にわざわざ糸魚川を掠めたのは、明星山とこの岩山に肉薄せんがため。
根知の駅からホンの少し東に入ったところで車を停め、山を写していたら
左は阿弥陀山1511m、右の丸いのが駒ケ岳1498m
(((´π`;)/お~い!
駒ケ岳1498m
(((´π`;)/お~い!
と自転車に乗ったお爺ちゃん(明らかに農業)が近寄って来た。
「勝手に田んぼ(畦)に入り込んですいません。それにしても(^o^;)凄い岩山ですね。」
と感想を述べると、
(((´π`;)/ その通り、あれが駒ヶ岳、○□岳、△▽山、それから雨飾山・・・と山の名前を教えてくれた。
妙高山も見えるとか言ってたが、それは嘘だ。山の陰に隠れて見えるはずがない。
(´π`;)どこから来た?と聞かれたので、秋田です。と答えたところ、
「秋田なら(´π`;)俺も昔、行ったことがある。秋田の山はみんななだらかで眠たくなるような山ばかりだった。
どうだ。秋田にはこんな立派な山は無いだろ!」と自慢話が止まらない。
山奥に行けば少数ながらもけっこう立派な岩壁はあるのだが、ここでは敢えて異論は差し挟まなかった。
いずれにしろ平地の田園地帯からいきなり千数百mもの岩山が幾つも聳え立つ風景は実にみごと。
こんな風景は日本では極めて珍しい。
駒ヶ岳1498mと雨飾山1963m
日本百名山・三十一番札所、雨飾山1963m
それなのに、この地の山岳風景はさっぱり知られていない。
理由1.北アルプス(白馬連峰)や妙高戸隠など高くて立派で有名な山がすぐ近くにいっぱい有る。
理由2.日本百名山ブーム以降、雨飾山は有名になったが、
それ以外の前衛は恩恵に浴していない。車でのアクセスや登山道の整備が遅れている。
しかし、以前この付近は映画「楢山節考」の撮影地になったとも聞く。見る人は見ているんだなと気付く。
この地がいったい何処にあるものやら見当も付かない方のために、
参考マップはまずはこちら↓。
より詳細はこちら↓。
この山塊により肉薄すべく県道221号線(詳細地図で「上野」とある辺り)に入ると
時折、駒ヶ岳の岩壁が覆いかぶさるように見え隠れする。
県道から派生した林道を奥に進み、終点と思われる広場に着いたら、
目の前に冒頭の 大岩壁があった。
ところが、この岩山の名前は詳細地図にも手持ちの道路地図にも載っていない。
広場(海谷三峡パーク)の案内板を見たところ、
千丈ヶ岳と分かった。どうやら阿弥陀山1511mや烏帽子岳1451mの前衛にあたる山のようだ。
金山2245mや裏金山2122mを源とし千丈ヶ岳と駒ヶ岳の間を流れる川が海川(うみかわ)であり、
その川が削り取った壮絶な渓谷を海谷(うみたに、うみだに)と言う。
海谷山塊とは、この谷の両側にそそり立つ岩峰群のこと。
この展望台を下ったところにある海谷高地は「越後の上高地」とも呼ばれているらしい。
千丈ヶ岳と駒ヶ岳の間に見える奇怪な岩山は鉢山1575m。
鉢山1575mの右手前に聳えるのは駒ヶ岳の一角。
海谷三峡パークでは、品の良い初老の夫婦にお会いした。
ご挨拶したところ、地元糸魚川にお住まいの方で、
「秋田からよくぞこんなところまで・・・。それよりもよくここを知ってましたね。」と感心することしきり。
日がだいぶ西に傾いて来た。暗くなる前に糸魚川の宿へ着かなくちゃ。
県道をそのまま北上。
来海沢という集落の辺りで、少し立ち止まる。
わーっ!なんて素晴らしい風景だ。ハイジと座敷わらしが一緒に出て来そうな( ̄も ̄;)☆\バキ
なんて思いながら、Superficial traveler(宮沢賢治「オホーツク挽歌」より)は通り過ぎて行く。
更に下り、海川のほとりに立つ。
残念ながら山名の特定が出来ん。
どなたかご存知の方いらっしゃったらよろしく m(_ _)m
この川は生まれて僅か弐十数キロでその生を終える。日本海と一体化するのだ。
海谷山塊よ。さらば。
またいつか(紅葉か新緑の頃)来るよ (´π`;)/~~
今回の信州(+一部越後)旅行のメインはなだらかな花咲く高原だったが、
このように険しい岩山も数多く眺めることが出来た。
最後に今回のツアーの初め、
8月14日に見た信越国境付近の名山を幾つか。
妙高山
野尻湖畔から見えた黒姫山はメタボリックな感じ。
田園地帯から望む黒姫山
この日の11時頃、戸隠山に向かう。
戸隠牧場や戸隠神社の駐車場は既に満杯だったのでストレートに鏡池をめざす。
鏡池より
この鋭いピークをてっきり私は戸隠本山と思っていたのだが、正確には西岳のようだ。
戸隠本山はこの右に続く少し低い岩峰のようだ。
戸隠の山々も海谷山塊と同時代の古い昔(と言ってもいったいつ頃?)に火山活動で出来上がった。
今、我々が見ているのは、かつての巨大火山の名残り、遺骨なのだ。
以上。
迫力ある山塊、岩塊に囲まれたフォッサマグナの深みから吹き上がった火山の列の北縁。
凄さに驚きます。貴重な画を見せて頂きました
ありごとうございます。
海谷山塊は登ったわけではなく、クルマで山麓を通り過ぎて撮影しただけなんですが、
凄い山岳風景でした。
確かにギアナ高地を彷彿とさせるものがありますね。
秋田からは遠いのですが、機会があれば季節を変えてまた行って見たいところです。
私のハンドルネームに因む場所、今風に例えるならば『国石に認定されている翡翠峡谷の聖地』です。
例え別の観点から注目されるも嬉しいです。
直登ルートは開拓され得ないだろうが、初登の野心家はモウズさまを含めて過去に多くの方が居たでしょう。
明星山は、マピチュア山(インカアステカ文明) を彷彿させて呉れます。
が海谷山塊側では翡翠の話は聞いたことがありません。こちら側は壮絶な地形に単純に驚きました。