(本頁は「晩夏の森吉山はどうかな。」の続きです。)
ナベナって植物知ってますか。
呼びやすい名前の割に知名度はいまひとつのようです。
改訂新版・日本の野生植物(平凡社)によると、
ナベナ Dipsacus japonicus
日当たりのよい山地に生える越年草。高さ1mを超え、
直立してよく分枝し、全体に棘状の剛毛がある。葉は薄く、頭大羽状に全裂し、
裂片は鋭尖頭で鋸歯縁。花は8-9月に咲き、頭花は径2cm。(以下、中略)
本州~九州、朝鮮半島、中国に分布する。
とありました。
「中略」としたのは、
植物の形態に関する難しい専門用語がその後も延々と続き、
私自身も転記している途中に嫌気がさしたからなのです。
植物の全体像はこんな感じです。
バックの草藪がうるさくてわかりにくいと思います。
ネットで検索したところ、
こちらのサイトの解説は比較的わかりやすいなと思いました。
HiroKen花さんぽ ⇒ こちら
・・・と前置きが長くなりましたが、
この植物、ご覧の通り、けっして奇麗な花を咲かせるわけではありません。
葉や実が食べられるとか、薬になるとか、特別、何か役に立つわけでもありません。
草なのにやたらとでかい・・・要するに「ウドの大木」です。
そのくせどこにでもあるわけでもない。
秋田では山あいを走る道路端の草藪などにひょっこり生えている
のを偶に見かけますが、
以前有ったからと記憶を頼りに何年か後に行って探すと
ほぼ見つからない種類のひとつでも有ります。
2023年8月20日、森吉山に登ろうと思い、
北秋田市の山あいの県道を走っていたら、ひょっこりと出会いました。
個人的には20年ぶりくらいの出逢いだったので
つい懐かしくて、近くの路肩に駐車し、撮影してしまいました。
この植物、現在のAPG3分類体系ではスイカズラ科に統合されてしまいましたが、
元はマツムシソウ科でした。
その関係なのか、頭花や葉の出方などを見ると、どこかしらマツムシソウを想起させるものがあります。
今の季節、山あいの道路端に咲く花と言えば、
他にはキク科のハンゴンソウやオオハンゴンソウがよく目に付きます。
この日はナベナの近くでこの二種も見かけましたので併せて報告いたします。
ハンゴンソウ(反魂草)は
ウィキペディアによると、
ハンゴンソウ Senecio cannabifolius
多年生の草本。茎は直立して、高さは1-2mほどになり、若い茎や葉柄は赤みを帯びる。
葉は葉柄をもち、茎に互生する。葉身は広卵形で、羽状に深く裂け、3から7つの深い切れ込みが入る。
先は尖り、縁は鋸歯状で、裏がざらつく。
花期は7 - 9月。茎の頂部に直径2cmほどの黄色い頭花を散房状に多数つける。
頭花は同属のキオンに似るが、キオンの葉は切れ込まない。
葉の切れ込みは別属の帰化植物であるオオハンゴンソウに似る。
日本では北海道、本州の中部以北に、
アジアでは樺太、カムチャツカ、アリューシャン、シベリア東部、朝鮮、中国に分布する。
高原や深山の湿った草地、湿原、林縁に大小の集団を作って群生する。
ハンゴンソウ
オオハンゴンソウ
オオハンゴンソウ Rudbeckia laciniata
は北米原産の帰化植物で現在は環境省指定特定外来生物にもなっています。
拙ブログでは、「夏草のつわもの二種/オオハンゴンソウとハチミツソウ」
にて紹介済みなので、そちらも参照して下さい。
ナベナが少なくなったのは、
オオハンゴンソウやオオブタクサ(クワモドキ)などの屈強な外来植物によって
生育場所を奪われたせいかななどと思っています。
以上。
何時も素敵な山の花を楽しませていただいています。
ありがとうございます。
今日のナベナ、我が家のクナウティア アルベンシスの、花びらをなくしたような姿かたちだなあと思って拝見していました。
元はマツムシソウ科とのことで納得。
クナウティアも西洋マツムシソウそっくりです。
個人的にはマツムシソウの仲間が好きなんですが、秋田では野生のマツムシソウは絶滅したとか。
わざわざ信州や朝日連峰まで見に行っておりましたが、遠いし、しんどいですね。
以前、北海道の風のガーデンに行ったら、サクシサ・プラテンシスという新しい種類に出会いました。
https://blog.goo.ne.jp/mouura2/e/4a69ee05b8354c09cd6c08eb68abbcb4
雰囲気的にはマツムシソウとナベナの中間と言うような感じで、
一度、取り寄せてみましたが、秋田ではうまく育ちませんでした。
夏が暑いところは苦手なんでしょうかね。今年は秋田も日本中暑くなりました。
早く涼しくなって欲しいものです。
ナベナ 聞くのも見るのも初めてです。
可愛い花ね。ピエロ
図体は2m超とでかいのに花は地味でめんこいです。
一応、マツムシソウに近縁とのこと。青森にも有ると思います。