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みかんの部屋

自分の趣味(映画・漫画など)に関しての雑記ブログです。

『BOY & THE WORLD』観ました。

2016-10-24 16:00:00 | 劇場用アニメ
2015年:ブラジル。 監督:アイリ・アブリル。 米BD盤にて視聴。
ブラジルのアニメ作品です。ちょっと興味をひかれて観てみることにしました。

 
不思議な穴から音楽が聴こえてくる。        何もかもが自由だった子ども時代。

この作品の特徴的なこととして”セリフ”がありません。(効果音はありますが)
ほとんどパントマイム状態?で物語が進められていきます。
内容的にはブラジルの近代史を描いていますが、作風は独特といえば独特かな。
映像美術的に見てもなかなか面白いものがあります。
視点や雰囲気は違いますが、以前観た『ペルセポリス』(2007仏)を思いだしてしまいました。

 
働けども働けども苦しい日々の生活。        父さんは外国で仕事を探す決心をする。

父さん母さんと爺ちゃん、そして僕の四人家族。働いても働いても生活は苦しい。
とても小作農としては食べていけない。
ある時父さんは決心する。遠い外国に行き、そこで良い仕事を見つけようと。
別れのとき僕は悲しくなって、つい父さんの足にしがみついてしまったっけ。

 
大勢の人が綿花の手摘み作業。           摘んだ綿花をトラックの荷台に運ぶ。

爺ちゃんは綿花工場で働いている。僕もリヤカーに乗せてもらってついていく。
単純だが重い労働で一日が過ぎるとクタクタに疲れるんだ。

 
民主国家ブラジルの独裁者。            民衆を抑圧する警官隊。

法的には民主国家のはずのブラジルに独裁者が君臨していた時代もある。
独裁者の命令を受けて警官隊が民衆をしばしば押さえつけてきた。

 
華やかに見える都会だが。             僕も青年となり母さんに別れを告げて故郷を離れる。

一見はなやかに見える都会の毎日。しかしテレビは空虚な画像を
日がな垂れ流し、国民の大半は希望のない生活に倦んでいる。
そして僕も大きくなった。父さんと同じように家族と自分のために都会をめざす。

いま現在のブラジルでは民主的に再選されたルセフ大統領に政権が委ねられています。
このアニメは現在のブラジルに至る道筋の大略を描いたということでしょう。
今年の夏オリンピックを開催し、大きく成功させたブラジル。
ですが経済的には依然として苦しい状況だとも伝えられています。
現実はなかなか巧くハッピーエンドというワケにはいきませんね。