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日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

アラブの春のその後の民主化は順調でない

2023年02月08日 10時02分49秒 | 日々雑感
 2011年にアラブ諸国に広がった民主化と自由を求める運動で、リビアを始めとする多くの国で独裁的政権が倒されたが、今なお混乱が続いている。

 リビアの元最高指導者カダフィ大佐は42年間にわたってリビアを支配した。カダフィ政権は、2003年末に核兵器開発計画を含むすべての大量破壊兵器を廃棄すると宣言し、米国から科せられていた経済制裁が緩和され、外国資本が入り経済的に潤い始めたが、反体制派を徹底弾圧することは止めなかった。

 2011年チュニジアで始まった民主化運動がリビアに拡がり、カダフィ大佐は殺害され独裁政権は崩壊し、その後暫定政権が発足したものの、国内各地に生まれた軍閥をまったく統制できず、分裂状態に陥った。このような2011年の一連のアラブ諸国における動きはアラブの春と名づけられ、民主化による春の到来を期待されたが、順調には進まなかった。むしろ独裁政権が退いたことによって、それによって押さえられていた部族対立や宗教対立が息を吹き返してしまい、イスラーム過激派の進出を許してしまう結果となってしまった。

 現在比較的安定しているのはアラブの春が始まったチュニジアのようだ。2011年1月、それまで23年続いていたベン・アリ大統領の長期政権が市民によるデモの力で崩壊し、国家の基本となる憲法を作り直すことからチュニジアの民主化は始まった。現在アルジェリア及びリビアとの国境地帯を含む南部砂漠地帯の一部は、テロリストが頻繁に往来する地域とされているが、他は治安状態が良いとのことだ。

 エジプトのように軍事政権が復活してしまうところも出ている。またシリアやイエメンのように内乱がさらに深刻になっているケースもある。アラブの春を経験したアラブ諸国の国々でこのような差が生じた理由は様々な要因があるだろうが、大勢の人々が参加する民主化が如何に大変かを物語っている。

 一方、北朝鮮の将来はどうなるであろうか。北朝鮮の国内事情はよく分からないが、国民の民主化を求めるデモの話は聞いた事が無い。

 北朝鮮メディアは今月1日、金正恩朝鮮労働党総書記が昨年12月26~31日開催の党中央委員会拡大総会で、韓国攻撃用の戦術核兵器の量産に向け、核弾頭の保有量を大幅に増やす方針を中心にした2023年の核戦略を表明したと伝えたそうだ。

 金正恩はリビアを反面教師とし、核・ミサイル開発に突き進んでいる。北朝鮮は日本を始めとし、米国や西側諸国から厳し経済制裁を受けている筈であり、国民は貧困に喘いでいるとの話も聞くが、核開発する資金をどこから得るのか不思議だ。ロシアのウクライナ侵攻を助けるロシアの民間軍事組織ワグネルに武器を売って資金を得ているとの噂もあるが、その裏にはロシアや中国の支援もあるだろう。

 アラブ諸国の民主化への道は遠いが、北朝鮮の道は一層遠い。
2023.02.08(犬賀 大好ー887)

SNS利用の特殊詐欺は今後も増えるであろう

2023年02月04日 09時45分15秒 | 日々雑感
 警察庁の統計によると、2021年のオレオレ詐欺に代表される特殊詐欺事件として全国の認知件数は1.4万件、被害額は280億円となっており、依然として高止まり傾向にあり、被害者は高齢者が多く全体の8~9割を占めているそうだ。ただし、詐欺被害者が被害を認識していないケースや、家族に知られたら叱られるなどの理由で警察に被害を届け出ていないケースが多々あるそうで、それも被害が減らない一因となっているのかも知れない。

 これに加え個人宅を狙った強盗事件も今年に入って多く起きている。関東圏だけで10件以上あり、東京都狛江市では90歳の高齢女性が殺害される事態にまでなっている。その後、強盗グループによる犯行は1都5県に及び30件以上となっていることが判明し、これらの事件は相互に関連があるのではないかと調べられている。

 特殊詐欺や強盗犯の実行犯の特徴はSNSを利用した闇バイトで募集された素人が主だそうだ。闇バイトを主催する主犯は、SNSを熟知しておりツイッター等を介し、実行犯を高額報酬で募集し、現金を受け取る受け子や、現金を引き出す出し子を募っている。実行犯はグループで実行するが、お互いは初顔合わせが多く、まさに素人の集まりのようだ。主犯は高額報酬で実行犯を集め、自身は捕まらないように遠隔地から携帯電話を利用しリアルタイムで指令を出すのだそうだ。しかも指令は海外から等様々な工夫が凝らされている。実行犯は金に困った素人が多く、捕まっても指令の通り動いただけと罪の意識は余りないようだ。

 このような犯罪が頻発する理由の一つは、日本社会の構造にある。SNSが発展し、いつでもどこでも携帯電話が利用できる環境が整った。また、日銀が発表した「資金循環統計」によると、2022年3月末時点での家計の金融資産の合計は、前年に比べ2.4%増えて約2005兆円となり、年度末としては初めて2000兆円を超えて過去最高となったそうだ。

 更に、家計の金融資産のうち、いわゆるタンス預金といわれる現金は105兆円と見積もられ、こちらも年度末としては過去最高だったそうだ。また、資産の保有者は高齢者が多く、税制調査関連の資料によると個人の金融資産1700兆円の内、60歳以上の高齢者が約6割を保有しているそうだ。

 強盗に押し込まれた家から、数百万円以上の現金が盗まれた等のニュースを聞くと、1万円以下の現金しかない普通の家庭からすると、非常に不思議だ。犯罪者が、高齢者でしかもタンス預金をしている人をどうやって知るのか不明であるが、名簿まで高額で取引されているらしい。

 個人情報の流出はネット上厳しく規制されているが、闇バイト等の存在を聞けば、抜け道はいくらでもありそうだ。筆者はスマホをほとんど利用していないが、その利用法はいくらでもあるとのことだ。現在話題の特殊詐欺グループが捕まっても、新たな特殊詐欺はいくらでも出て来そうな気がする。2023.02.04(犬賀 大好ー886)

ロシア国内の社会状況変化を期待したいが

2023年02月01日 09時56分26秒 | 日々雑感
 アメリカとドイツ両政府は1月25日、ウクライナに高性能戦車を供与すると発表した。アメリカは「M1エイブラムス」31台を、ドイツは「レオパルト2」14台をそれぞれ送るそうだ。ドイツ製の戦車はその高性能ゆえに近隣の国にも配備されているが、現在、ポーランドとフィンランドも供与を申請しているそうだ。最終的には他の国の分も合わせると、総計で約100両程度が供与される見込みのようだ。このように、英国の「チャレンジャー2」と合わせ“NATO現役3強” が揃ってウクライナへ供与されることになったわけで、ロシアに対するとウクライナの戦いに新たな進展があるのではないかと期待される。

 しかし、主力戦車を支援すると発表した翌日の26日、ロシアがウクライナ全域にミサイル攻撃とドローン空襲をした。ロシアの総司令官はこの日、ロシア側が発射したミサイルの中には極超音速ミサイルのkh-47キンジャルも含まれていたと明らかにし、戦車の供与位で驚かないと虚勢を張った。

 ウクライナとロシアの攻防は止まない。ロシアはウクライナがその内音を上げるだろうと攻撃を続けるだろうが、ウクライナは西側諸国の支援がある限り抵抗を続けるだろう。西側諸国はウクライナが屈服しない程度に軍需支援をしているが、ロシア本土を攻撃できるほどの支援は行っていない。ロシアのもし本土が攻撃されるような状況になれば、核攻撃を辞さないとの脅しが効いているからだ。

 ロシアの核攻撃があるとすれば、どこをどのような形で攻撃するだろうか。比較的威力の小さな戦術核爆弾でウクライナのどこかを攻撃したとしても、NATO諸国は核兵器を使用したこと自体を問題視し黙っている訳はない。米国、NATO対ロシアの全面戦争に発展する恐れが充分ある。

 プーチン大統領の核兵器使用は、ロシアがウクライナを屈服させる見込みが無くなり、自身のロシア国内での存続が危ぶまれた時の最後の手段であろう。後は野となれ山となれと自暴自棄にならないことを祈るばかりである。

 ロシア社会のエリート層は安定を重視し、国内の混乱をすなわちプーチンが不在になることを極度に恐れているとのことだ。プーチンが独断で始めたウクライナ侵攻を決して快く思っていないが、彼らはプーチンに抵抗できない。プーチンが22年にわたって築いた体制は強固で、エリートの間ではプーチン氏以外の選択肢はないとの総意があるようで、政権内部からの崩壊は期待できそうにない。

 しかし、ロシア国内事情は少しづつながら変化しているようだ。1月19日産経新聞によると、ロシア軍のミサイルがウクライナ東部ドニプロの高層住宅に着弾して多数の死傷者が出た問題で、ロシア国内で犠牲者を追悼する動きが広がっているそうで、国民の反戦機運の強まりを示している可能性があるようだ。しかし政府は参加者を拘束するなどして、ウクライナへの同情の高りを抑え込んでいる。現在一般市民の間での反戦気分の高まりがどの程度か分からないが、不満がある程度高まれば当局がいくら抑えこんだところで一気に爆発するだろう。2023.02.01(犬賀 大好ー885)