日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

SNS利用の特殊詐欺は今後も増えるであろう

2023年02月04日 09時45分15秒 | 日々雑感
 警察庁の統計によると、2021年のオレオレ詐欺に代表される特殊詐欺事件として全国の認知件数は1.4万件、被害額は280億円となっており、依然として高止まり傾向にあり、被害者は高齢者が多く全体の8~9割を占めているそうだ。ただし、詐欺被害者が被害を認識していないケースや、家族に知られたら叱られるなどの理由で警察に被害を届け出ていないケースが多々あるそうで、それも被害が減らない一因となっているのかも知れない。

 これに加え個人宅を狙った強盗事件も今年に入って多く起きている。関東圏だけで10件以上あり、東京都狛江市では90歳の高齢女性が殺害される事態にまでなっている。その後、強盗グループによる犯行は1都5県に及び30件以上となっていることが判明し、これらの事件は相互に関連があるのではないかと調べられている。

 特殊詐欺や強盗犯の実行犯の特徴はSNSを利用した闇バイトで募集された素人が主だそうだ。闇バイトを主催する主犯は、SNSを熟知しておりツイッター等を介し、実行犯を高額報酬で募集し、現金を受け取る受け子や、現金を引き出す出し子を募っている。実行犯はグループで実行するが、お互いは初顔合わせが多く、まさに素人の集まりのようだ。主犯は高額報酬で実行犯を集め、自身は捕まらないように遠隔地から携帯電話を利用しリアルタイムで指令を出すのだそうだ。しかも指令は海外から等様々な工夫が凝らされている。実行犯は金に困った素人が多く、捕まっても指令の通り動いただけと罪の意識は余りないようだ。

 このような犯罪が頻発する理由の一つは、日本社会の構造にある。SNSが発展し、いつでもどこでも携帯電話が利用できる環境が整った。また、日銀が発表した「資金循環統計」によると、2022年3月末時点での家計の金融資産の合計は、前年に比べ2.4%増えて約2005兆円となり、年度末としては初めて2000兆円を超えて過去最高となったそうだ。

 更に、家計の金融資産のうち、いわゆるタンス預金といわれる現金は105兆円と見積もられ、こちらも年度末としては過去最高だったそうだ。また、資産の保有者は高齢者が多く、税制調査関連の資料によると個人の金融資産1700兆円の内、60歳以上の高齢者が約6割を保有しているそうだ。

 強盗に押し込まれた家から、数百万円以上の現金が盗まれた等のニュースを聞くと、1万円以下の現金しかない普通の家庭からすると、非常に不思議だ。犯罪者が、高齢者でしかもタンス預金をしている人をどうやって知るのか不明であるが、名簿まで高額で取引されているらしい。

 個人情報の流出はネット上厳しく規制されているが、闇バイト等の存在を聞けば、抜け道はいくらでもありそうだ。筆者はスマホをほとんど利用していないが、その利用法はいくらでもあるとのことだ。現在話題の特殊詐欺グループが捕まっても、新たな特殊詐欺はいくらでも出て来そうな気がする。2023.02.04(犬賀 大好ー886)