日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

岸田第2次改造内閣に期待すること

2022年08月13日 09時42分38秒 | 日々雑感
 岸田文雄首相は8月10日に、第2次岸田改造内閣を発足させた。当初内閣改造は9月と見られていたが、旧統一教会と自民党の関係が思いのほか強いことが次第に明らかになり、沈静化の為急遽早めたと勘繰られる。

 発足後の記者会見で新内閣のネーミングを問われると、有事に対応する ”政策断行内閣”と命名し、山積する政策課題に対応するとともに、自らの政策思想”新しい資本主義”の実現を目指すと語った。ここでは旧統一教会より、政策優先の方針を示したのは当然であろう。異次元金融緩和の出口問題、ロシアのウクライナ侵攻に関わる諸問題、気候の温暖化に関わる問題等山積みであり、どれ一つ解決に容易でない。

 旧統一教会の思想はこれらの問題に直接関係しないであろうが、思いのほか自民党内に深く浸透した教会は、ジェンダーフリーに関わる問題等に本人の意識以上に影響を与えるだろう。

 さてこれまで”新しい資本主義”の内容がはっきり示されていないが、これまで安倍元首相の異次元金融緩和と相反するところがあるとのことで、岸田首相も遠慮していたようであり、元首相の死去によりいよいよ具体的な内容が示されると期待している。

 第2次岸田改造内閣の評判は経済界からはご祝儀も含めて歓迎のようである。「政策通の人材が多数登用され、極めて強力」「本格的な経済再生に向かうための手堅い布陣」と評価する声が聞かれる。政界に疎い人間からは判断できないが、本当にそうあって欲しいと願うばかりだ。

 異次元金融緩和は日本に膨大な借金を負わせ、財政健全化もどこ吹く風で将来に大きな負の遺産を残している。日銀総裁も来年4月に黒田総裁が退職し次に誰になるかが注目されるが、最近日銀政策委員会メンバーの任期満了に伴い、異次元金融緩和に消極的なメンバーが加わった。また推進派の若田部副総裁も来年3月に任期満了になるが、異次元金融緩和の方針変更の公算は小さいと予測されるのだそうだ。何しろ、異次元金融緩和の影響が大き過ぎるため、その中止に伴う弊害も懸念されるとのことだ。

 今回の改造内閣で岸田首相は19閣僚のうち14人を交代した。旧統一教会との関係を徹底的に絶つと思われたが、10日の内閣改造当日、留任が決まった山際経済再生相、再入閣の加藤厚労相、新入閣の寺田総務相と西村環境相について、関連会合への会費支払いや会合への参加などが明らかになり、完全払拭までに至らなかった。

 これまで何らかの関係があった議員は口々に見直す等の発言を繰り返しているが、本当に関係を断つかどうかは分からない。旧統一教会の宣伝材料に使用され、そのために寄付や霊感商法で被害を受けた人々が受けた被害に対する損害を自ら補填する等の発言は誰一人からも聞かされていないからだ。

 デジタル大臣と消費者担当相を兼ねる河野太郎氏は、旧統一教会を巡る霊感商法の被害対応に関し「消費者庁の中で検討会を速やかに立ち上げたい」との考えを示した。将来の首相候補でもある河野氏に大いに期待する。2022.08.13(犬賀 大好ー838)

少子化時代の外国人労働者の役目

2022年08月10日 09時42分06秒 | 日々雑感
 日本の出生率は年々減少し、働き手がどんどん少なる見込みで、それをカバーするため、我が国は外国人労働者の増加を目論んでいる。現在、新型コロナウイルス感染の第7波の真っただ中であるが、国は外出規制を見送り、経済を回すことを第一優先としている。これまでの自粛生活が長かったため、街に人が溢れ、特にサービス業において人手不足が顕著なようだ。

 これまで人手不足を補うため、外国人技能実習制度が活用されていた。この制度は1993年に創設された制度であり、本来の目的は、我が国で培われた技能、技術等を開発途上地域等へ移転する人材育成によって、当該地域の経済発展に寄与することを目的とした高尚な制度の筈であるが、実体は日本の労働力不足を補う意味が強かった。

 多くの日本企業が抱える人手不足問題があいまって、多くの技能実習生が日本企業で働いている。特に東京近郊の農業において若い人が農業を敬遠して都会に出て、現地の労働力不足が顕著であり、ここに技能実習制度が活用された。

 しかし、外国人労働者の雇用をめぐり、彼らに対する賃金の不払いや違法な時間外労働等の問題や外国人労働者が関わる事件、事故が多発する結果を招いた。技能実習の名前の下外国人を不当に安い賃金で雇用し、約7割以上で労働基準関係法令上の違反が認められることとなった。

 名目と実体の乖離が激しく、これを反省し2017年、新たな技能実習制度がスタートした。深刻な人手不足であると認められた産業分野において、外国人を労働力として受け入れざるを得なくなったのだ。この特定技能制度は、農業、介護、外食業、建設業、宿泊業、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、造船・舶用業、自動車整備業、航空業、漁業、飲食料品製造業の14種であり、特定技能と称してもほとんどが単純労働である。

 この制度は労働力として受け入れることが前提の制度であるため、 技能実習制度では不可であった単純労働が可能になったり、本人の希望によっては転職も可能になるなどの違いがある。これらの生産労働人口の増加はGDPの増加に資するであろうが、日本の生産性の低さの改善には貢献しないだろう。

 日本のGDPは世界第3位と高いが、1人当たりのGDPとなると2020年度日本は19位と低い。これは生産効率が低いためと説明され、長年の懸案課題になっている。兎も角、日本の生産労働人口の減少は外国人労働者の導入により幾分か緩和されるであろうが、生産効率の向上とは関係がほとんど無い。

 この為には単純労働者だけではなく、高度な知識、技能を有する労働者の積極的な受け入れが必要である。2022.08.10(犬賀 大好ー837)

出生率と経済成長率は一見関係が無いが

2022年08月06日 15時04分22秒 | 日々雑感
 厚労省は2022年6月、2021年の出生数は81万1,604人で、過去最少となった前年の84万835人から更に2万9,231人減少したと報告した。15歳以上65歳未満の生産活動の中心にいる年齢層のことを生産年齢人口と称するが、大雑把に言えば生産に携わる15歳になる人間が15年後には前年より約3万人減少することになる。

 生産年齢人口の減少は経済成長の鈍化を招き、強いては税収が減少する等がある他、社会保障制度の支え手である現役世代に対する受給世代の比率が高まることにより、社会保障制度をめぐる状況は厳しさを増すと言われる。

 出生率と経済成長は一見関係ないようだが、歴代の政権が景気浮上の為の様々な施策を施してきたがいづれも旨く行っていない。出生率の減少は生産年齢人口の減少となり、経済成長の鈍化に結び付くとの関係は本質をついているのかも知れない。子どもは将来に対する希望であり、人々に生きる活力を与える。この活力が経済成長を促すのだ。労働力不足を外国人労働者の導入により補う動きもあるが,一時しのぎに過ぎないのかも知れない。

 国の経済活動の活発さは国内総生産(GDP)で表され、その国の経済的な豊かさの指標とも言える。現在の日本のGDPは米国、中国に次いで世界第3位で今なお経済大国の位置を占めるが、1人当たりのGDPとなると2020年度日本は19位と低い。これは高齢者人口の増加に加え、デジタル化の遅れに起因する労働生産性の悪さが主因だそうだ。

 昨年9月、菅前政権の目玉政策としてデジタル庁が発足した。日本の省庁や自治体は縦割り行政で、それぞれ個別の情報システムが構築され、そのため、省庁や自治体をまたいだデータのやり取りがスムーズに行えないと言う労働生産性の悪さの典型例があった。この改革には省庁の縦割り行政を打破しなくてはならず、官僚システムを大改築する必要があるが、その結果として労働生産性は上がるかも知れないが、GDPの増加があるだろうか。

 国内総生産(GDP)は、国全体の人口にも密接に関係し、現在猛烈な勢いで人口が増加しているインドは、世界のGDPランキングでは、2030年には日本を抜き世界第3位になり、世界で第2位の経済大国になると予想されている。

 しかし、生産年齢人口が増加する過程において経済成長が期待できるが、出生率が下がり始めると現在の日本と同様に少子高齢化の時代となり、インドも同様な問題を抱えることになるだろう。経済成長により生活が豊かになると出生率が下がる傾向にあることから確実にそのような時代がやってくるだろう。2022.08.06(犬賀 大好ー837)


電通と東京オリンピックと国葬

2022年08月03日 09時37分04秒 | 日々雑感
 2014年、株式会社電通は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(当時の会長は森 喜朗氏)から、同組織委員会のマーケティング専任代理店として指名された。オリンピックの商業主義は行きつくとこまで行った感であり、専任代理店に指名されればあらゆる利権にありつけると思われ、電通が何故指名されたのかは定かでないが、さすが電通と思われた。

 これより1年前の2013年、国際オリンピック委員会(IOC)は2020年夏季五輪の開催地に東京を選んでいたが、当時から電通は関係者に深く食い込んでいたのだろう。

 株式会社電通は、その規模は広告代理店としては国内最大で、世界では第5位であるそうだ。日本最大のお祭りを日本第1の電通が取り仕切るとなれば当然のことのように思われるが、これも電通の根回しの賜物であろう。

 東京が五輪開催地に決定する前、東京は財政的には合格であるが、国民の盛り上がりに欠けているのが弱点とのIOCの評価であった。世論調査でも開催賛成は50%に届いていなかったが、開催地決定の直前には賛成が半数以上になっていたが、これも電通を始めとするマスコミのお陰であろう。

 また東京五輪は、新型コロナ感染拡大で開催強行か中止か議論があった。もし中止となれば、電通は倒産すると噂されるほど、オリンピックにのめり込んでいたようだ。東京五輪は、新型コロナウイルスのため、1年遅れでしかも無観客の下実施された。儲けは予定より少なかったかもしれないが、それでも大きな利益を得ていたに違いない。

 さて、オリンピックが終わって1年後、大会組織委員会の高橋元理事が大会スポンサーだった紳士服大手AOKI側から計4500万円超を受領したとされる事件で、高橋氏がこれとは別にAOKI側から計2.5億円を受け取っていたことが関係者の話でわかった。

 東京地検特捜部は、高橋氏がAOKI側の依頼で五輪関連事業に関して組織委員会に働きかけの疑いがあったとみているようだ。高橋氏は否定しているが、このような働きかけあるいは依頼や要望は文書に残るような形ではなく、長年の付き合いがあれば言葉の端はしで伝えることは容易であろうから、特捜部の手腕に期待するしかない。

 東京五輪・パラリンピックの開催費用は、大会組織委員会は6月21日、最終的な大会経費の総額が1.4兆円になったと報告した。組織委員会に入り込み、この極一部を自分に利するように細工することは容易であろう。

 さて高橋氏を巡る騒動の中で、9月27日に予定される安倍元首相の国葬を電通が執り行うということが知れわったた。電通の強みはスポーツ関係だけではなかった。国葬となればオリンピックと同様に世界から各国の要人がやってくる。世界に人脈が多いのが電通の売り込み文句かも知れないが、商業主義のオリンピックと同じ扱いでは困る筈だが。

 兎も角電通の名前は政治家の間に浸透しているのだろう。統一教会と異なり、電通は一般国民に犯罪行為をしていないため、寄付を受けたり講演依頼されることが問題とはならないであろうが、何故国葬を担当するようになったのかは丁寧ではなく正直な説明が必要である。
2022.08.03(犬賀 大好ー836)