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日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

菅首相の東京五輪開催は楽観的過ぎないか

2021年06月19日 15時34分53秒 | 日々雑感
 今月13日に閉幕した主要7か国首脳会議(G7)の記者会見で、菅首相は東京五輪について”感染対策の徹底と安全安心の大会について、全首脳から大変力強い支持をいただき、東京大会を何としても成功させなければならない”と決意を述べた。

 この決意表明で開催は決定的となったが残る問題は観客数だ。東京五輪組織委員会の橋本会長は東京都などに出されている緊急事態宣言が6月20日まで延長されることを踏まえ、会場の観客数上限の決定時期が6月下旬以降となる見通しを示していた。

 そこで、16日、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が解除された後の大規模イベントの観客数上限を会場の定員の50%以内であれば1万人とする政府の方針に準じる方向で調整に入ったそうだ。

 一方、コロナ分科会の尾身会長が昨日18日記者会見を行い、オリンピックの開催によって人出や接触の機会が増え、首都圏から全国に感染が拡大し、医療体制を圧迫するリスクがあると指摘し、無観客が望ましいとしつつ、観客を入れる場合には現行の大規模イベントよりも厳しい基準に基づいて行うべきだと提言した。

 開会式が行われる国立競技場の場合、政府は観客を1万人としたいが、尾身会長は誰も入れないか、現行の5000人上限をもっと減らすべきと主張しているわけだ。マスコミはこの隔たりに大騒ぎしているが、感染症の専門家と政府の考え方が違うのは当然であろう。

 専門家は人の健康の面から検討すればよいが、政府は健康面からばかりでなく、国際的な面も含めて検討しなくてはならないからだ。

 政府は目下安心安全の開催と一点張りであるが、国際公約している東京五輪を実行し、その際スポーツの力を最大限発揮させるために観客数は多い方が、コロナ患者が1万人規模で増え多少死亡者が出たとしても、日本の国益にかなうと、本音を語るべきだ。

 菅首相は、コロナワクチンの接種が急拡大すればコロナの犠牲者が激減すると期待しているようだ。確かに、米国のカリフォルニアやニーヨークでは接種率が50%を超え、感染者が激減し各種規制が撤廃され、活気が戻ってきているとの話だ。しかし、英国では18歳以上の約8割がワクチンの1回目の接種を終え、約6割が2回目の接種を完了しているが、インド型の変異ウイルスが急激に広がり、ロックダウンが解除できない状況のようだ。

 米国と英国の違いがどこにあるか、また日本はどちらになるか分からないが、菅首相は米国の方に賭けているようだ。コロナウイルスはファクターXと呼ばれる理解できない要素があり、また得体のよく分からないインド株等の変異株が出現しており、今後どうなるか分からない。

 この9月には、総選挙が行われる。この時、日本国民が東京五輪・パラリンピックの余韻に浸って浮かれ気分か、コロナ感染で混乱しているか、選挙の結果が左右される。リスク管理は最悪の場合を予想して対処しておくことが原則であるが、菅首相は楽観的過ぎるのではないだろうか。2021.06.19(犬賀 大好-712)

”政治と金の問題はきれいになった”とは?

2021年06月16日 09時47分19秒 | 日々雑感
 自民党の二階俊博幹事長は6月1日の記者会見で、”ずいぶん政治とカネの問題はきれいになってきている”と発言した。最近の国会議員の金にまつわる不祥事が相次ぐ中、発言の真意の理解に苦しむ。

 金にまつわる不祥事とは、菅原前経産相が選挙区内で香典などを配ったりした公選法違反、カジノを含む統合型リゾート事業を巡り中国系企業が秋元衆院議員や他の国会議員5人に現金を渡したとされる汚職事件、河井夫婦の公選法違反等、枚挙にいとまがない。

 しかし、いづれも1976年に発覚したロッキード事件に比べれば金額的に大した犯罪ではない。この事件は、自由民主党の長期独裁体制の結果生じた政界・官界・財界の癒着構造に起因する典型的な構造汚職であり、田中角栄に象徴される自民党政治の腐敗・金権体質を露呈したものであった。

 二階幹事長の頭にこの事件があり、河井夫婦の1.5億円程度の買収資金はロッキード事件で扱われた金に比べたら、大した金額でないと言いたいのであろう。そう思うと、二階氏の発言のように昔に比べれば、確かに政治とカネの問題はきれいになってきており、民主主義の成熟までの過程の現象と思いたい。

  しかし、菅原氏にしても河井夫婦にしても、公選法違反を罪の意識なく平気でやっていたことを見ると、他の国会議員も多かれ少なかれやっていると思わざるを得ない。特に夫の河井氏は法務大臣を務めた男であるゆえ、この程度の公選法違反は国会議員の間では日常茶飯事の出来事かも知れない。兎も角、選挙の結果が金で左右されることは間違いなく、これも残念ながら民主主義の一つの表れであると思うと、民主主義が成熟しつつあるとは到底思えない。

 そもそも、先の二階氏の発言は、河井夫婦の選挙における買収工作に使われた1.5億円を夫婦に渡した責任者は誰かと、党広島県連会長の岸田前政調会長が真相解明を二階幹事長に迫ったことが切っ掛けのようである。これに対し、二階氏は安倍前首相と二階氏自身であると明らかにした。

 岸田氏は二階氏を問いただし、責任を追求したかったのであろうが、同時に安倍前首相の名前も引っ張り出され、振り上げた拳の行き場に困ってしまったのか、その後の動きはさっぱりだ。

 岸田氏は安倍政権から禅譲を期待して位に安倍氏に近いようだ。岸田氏は二階氏の責任を明らかにし、幹事長から引きずり降ろし、その存在を誇示したかったと思われる。岸田氏は菅首相の後釜を狙っており、そのために攻勢に出たと想像していたが、やっぱり二階氏の方が一枚上手だ。

 さて、任期が9月に終了する菅政権が存続するかしないかは、東京五輪の成り行き次第と思うが、自民党の総裁を巡って自民党内は議員連盟が乱立し、議員の囲い込みが盛んである。この議員連盟も意見を同じにする仲間の集まりであればまだしも、金銭的な繋がりやポストを巡る集まりであろうから、がっかりである。2021.06.16(犬賀 大好ー711)

東京五輪の開催目的のスポーツの力とは

2021年06月12日 14時26分18秒 | 日々雑感
 東京五輪・パラリンピック担当の丸川大臣は新型コロナ対策分科会の尾身会長から東京大会を何のために開催するのか明らかになっていないとの指摘に対し、”我々はスポーツの力を信じて今までやってきた。別の地平から見てきた言葉をそのまま言ってもなかなか通じづらい”と語ったそうだが、これでは会長にも、国民にも通じない。

 恐らく、スポーツの力とはアスリートが全力を出し切って、観衆を感動させる力を言っているのであろうが、それが分かっても質問に対する答えになってなっていない。

 ”アスリートが全力を出して競技している姿を見て感動し、子どもたちが将来に対する明るい希望を持てれば、コロナ感染で多少の犠牲が出たところで、将来の日本にとって遥かに大きな財産となる”、とでも説明すれば、誰にでも分かる説明となり、政治家としても満点であろう。

 政治家の答弁では「ご飯論法」や「やぎさん答弁」がはやり、質問にまともに答えないことが、まかり通っているが、これでも世間で通用すると思うと、学校教育上極めてよろしくない。

 さて、確かにスポーツの人に感動を与える力は極めて大きい。先の東京オリンピックにおける、女子バレーボールで優勝したの東洋の魔女の活躍は今でも記憶に残っており、自分も頑張ろうと言う気になる。最近でも、米国野球における大谷翔平選手の活躍や全米女子オープンを制した笹生優花さんの活躍は、人々を魅了し、多くの子ども達に夢を与える。

 しかし、スポーツの力に便乗したIOCの商業主義が鼻につく。オリンピックの競技種目のほとんどは、毎年のように種目毎に世界大会が開かれており、実力世界1を誇示できるのはオリンピックだけではない。多数の種目が短期間に行われる為、世間の注目度が高く、選手も一段と頑張ることは間違いないだろうが、クーベルタン男爵の理念を思い出してもらいたい。

 クーベルタン男爵がオリンピックの理念として提唱したアマチュアリズムの思想がある。オリンピック出場者はスポーツによる金銭報酬を受けるべきでない、としてオリンピック憲章にアマチュア規定が厳格に明記されていたが、1974年にその憲章からアマチュアという言葉そのものが取り除かれ、プロ選手の参加が認められるようになってしまった。以来、IOCの商業主義は酷くなった。

 それでも、オリンピックの開催意義にはスポーツを介しての世界の平和実現の理念は残っている筈だが、IOCは自分たちの特権を享受するため、選手は有名になるため、日本の開催関係者はスポーツの力のためと、開催に向けて一目散である。

 スポーツの力を信ずれば世界平和が訪れるのか、国を挙げてスポーツを振興し国家発揚に利用する国もあることを思い出して欲しいものだ。2021.06.12(犬賀 大好ー710)

東京五輪開催から見えるIOCの特権意識

2021年06月09日 09時29分55秒 | 日々雑感
 国際オリンピック委員会(IOC)は無観客でも東京五輪を強硬開催するつもりだ。開催さえすれば、IOCの総収入の70%を占める米テレビ局NBCから五輪中継権料が入るからだ。IOCはオリンピックの開催権を有し、日本がいくらコロナ感染リスクが高いと叫んだどころで、聞く耳を持たない。東京都とIOCが結んでいる”開催都市契約2020”には中止する権利はIOCが有すると確かに書いてあるそうだ。

 6月中に最終版を発行予定の参加者の為のルールを定めたプレイブックには、細かに各種の決まりが書かれているようで、これらのルールをしっかり守れば感染対策は万全と強調しているが、海外からの客は日本人ほど順法意識が高くない。

 3月のフェンシング(ハンガリー)、4月のレスリング(カザフスタン)、5月の柔道(ロシア)等の国際大会で、マスクをしないでわめき散らす国が結構あったそうで、日本選手からもコロナ感染者が発生したとのことだ。日本人は決められたことはしっかり守り自粛警察も存在するが、ルールを軽んずる国もあるようで、ルールブックに記したからと言って万全ではない。

 違反すれば大会に参加する資格を剥奪する可能性もあると記されているようだが、どこまで厳密に運用されるか分からない。また、もし、感染者が出た場合の対処法、責任の所在が明確になっているのだろうか。

 この点IOCは責任逃れの手をちゃんと打っている。五輪参加選手から”大会期間中に新型コロナに感染しても本人の責任”という内容の誓約書を受けることにしているそうだ。これについて、IOCのバッハ会長も、かつて、自身も選手としてオリンピックに参加したがそのときも署名しなければならなかった、と述べ、その正当性を主張した。しかし、今回は前回までなかった重態や死亡への言及が含まれており、IOCの責任逃れの意図がありありと汲み取れる。

 更に問題なのは五輪ファミリーの特権意識だ。5月26日、新型コロナウイルス対策の一環として進めている来日関係者削減計画の詳細が発表されたが、約1.4万人の選手を除き、全体で約14.1万人から約5.9万人まで圧縮したが、”五輪ファミリー”と呼ばれるIOCの関係者3千人、各国・地域の国内オリンピック委員会(NOC)関係者1.5万人はそのまま維持されたとの内容だ。

 武藤組織委員会の事務総長は、運営に欠かせない人材と説明したが、中には家族も含まれているようであり、到底納得できる説明ではない。これらの特権意識の強い人々には、選手等に科せられるルールは適用外となろう。

 選手やその関係者には頻繁な検査と外部と接触させないバブル方式を採用し、安心安全の東京五輪を開催するとしているが、このバブル方式は当然日常生活に不自由を強いており、五輪ファミリーが納得するとは思われず、先述の事務総長も押し切られるであろう。

 兎も角かくも危ない橋を渡る覚悟でオリンピックを開催する意義は何だろうかと考えてしまう。オリンピックは世界平和の為の祭典の筈だが、IOCの事業ファーストや五輪ファミリーファーストが目に付く。2021.06.09(犬賀 大好ー709)

次期自民党総裁の菅氏への流れを岸田氏は阻止できるか

2021年06月05日 10時02分04秒 | 日々雑感
 現在、世の中はコロナウイルス感染やワクチン接種、また東京五輪の開催是非を巡ってマスコミは大騒ぎであるが、片や任期が9月に終了する自民党の総裁を巡って自民党内は大騒ぎのようである。

 菅義偉首相自身は続投を希望しているようだが世論調査では不人気だ。時事通信が5月7~10日に実施した世論調査で、菅内閣の支持率は32.2%となり政権発足後最低で、不支持率は最も高かったそうだ。コロナ対策の遅れ、東京五輪開催に対する優柔不断等が不人気の原因と思われるが、ワクチン接種の普及や五輪開催でどの位取り戻せるであろうか。

 さて、菅首相は今月2日、首相官邸で公明党の山口代表と会談し、16日に会期末を迎える通常国会の会期を延長しない方針を確認し、10月に議員の任期満了を迎える衆院の解散・総選挙は、東京五輪・パラリンピック後の秋に行う計画を伝えたようだ。

 このところ自民党内は河井夫婦の辞任問題等の不祥事が相次ぎ、総選挙では大敗するだろうが、どこまで減らしたら責任問題となるか不明だ。小幅な減少であれば自民党の勝利として菅首相の続投の可能性は大きくなるだろう。

 ところで、昨年8月当時の安倍首相が首相辞任を表明してからポスト安倍が誰になるかマスコミは大騒ぎであった。それまでマスコミはポスト安倍の有力候補として石破氏、岸田氏の他、菅官房長官が担ぐ河野防衛相や小泉環境相、安倍首相が引き立てようとしている茂木外相や加藤厚労相等の名前を挙げており、菅氏の名前は表向きなかった。

 総裁候補として菅氏の名前を最初に挙げたのは二階幹事長であり、追うようにして麻生財務相等が支持を表明した。この結果、菅首相が誕生し菅内閣の主要ポストに二階氏や麻生氏が座を占めることになったのだ。

 現在、菅氏の国民的人気は低く、自民党内にも菅首相のやり方に不満を持つ人たちは沢山いる。しかし菅氏をおろして岸田、河野、小泉、あるいは石破の各氏に替えようという動きはほぼ皆無だそうだ。 そこで、菅氏の続投を前提に主要ポストの争いが激化しているようだ。

 その一つの動きとして、安倍前首相と麻生副総理兼財務相、甘利税調会長が議員連盟を新たに発足させたことがある。この議連は日本の半導体産業の再興が名目であるが、設立総会には各派の会長クラスが一堂に会したが二階派幹部の姿はなかったそうだ。この動きは党総裁選や閣僚・党役員人事に向けて結束をアピールし、菅首相の後ろ盾として存在感を増す二階幹事長をけん制するのが本当の狙いだそうだ。

 これに対し二階幹事長が先月24日、これまで否定してきた広島買収1.5億円資金問題について当時の安倍首相と自らの責任を認めたのだ。これで、前述の議員連盟の安倍擁立の動きが封じ込められたそうだ。

 菅首相の不人気、安倍前首相の再出馬無し等で、岸田文雄前政調会長の名前が出てきてよさそうであるが、マスコミには一向に上がってこない。岸田氏は以前安倍前首相から禅譲を期待していたような甘さはあるが、今回1.5億円の詳細を二階幹事長に説明を求め、自ら攻勢に出たたようであるが、菅氏の流れを阻止できるであろうか。2021.06.05(犬賀 大好ー708)