日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

ギャンブル事業は絶対つぶれない美味しい仕事!

2018年06月06日 10時31分23秒 | 日々雑感
ギャンブル依存症対策基本法案が、今月25日の衆議院本会議で可決された。日本は、依存症と疑われる人が、成人の36%に当たる約320万人いるとされるギャンブル大国だそうだ。目下最大のギャンブルであるパチンコを筆頭に、競馬、競輪、競艇、宝くじ等があり、そこに更にカジノまで加わる訳で、揺ぎ無き大国となろう。

 ギャンブルは金に余裕のある人が、楽しみの範囲でやる分には何ら問題ないだろう。それが本来の在り方であろうが、一か八かの勝負により労せずして金が入る魔力がある。別の美しい表現をすれば、挑戦し成功すれば無上の達成感が味わえるとの事になろうが、この意味ではギャンブルとチャレンジは似たところがある。

 チャレンジは世の中にまだない新しいもの、便利なものを生み出す、社会に貢献する挑戦性があり、過程においては本人の努力が必要であるが、ギャンブルの対象はあくまでも金であり、結果は他人任せである。結果を他人任せにする点では、信仰と似たところがあり、占いにも通ずる。

 ギャンブルの根本原因は人間の本性に関わり、依存症は人間の能に関わる病気であり、恐らく性欲と同様に、何らかのホルモンが関係しているのだろう。

 ギャンブルは太古の昔からあったとのことだ。古代エジプトの墳墓からは神々がダイスを振っている様子が描かれた陶器が見つかっている。また、中国では司馬遷の「司馬記」にギャンブル狂いの諸侯の話が、日本では「日本書紀」に天武天皇の賭博に関する話が書かれているとのことだ。ギャンブルは文明の発生と共にあり、ギャンブル依存症も同時に発生していると想像され、人間の本質に関わる行為であろる。

 人間を除き、チンパンジーやオランウータン等の知性が高い哺乳類でもギャンブルをしている話を聞いたことがないので、ギャンブルとはかなり高度な知的作業であろう。野生の猿が道具を使う、例えば棒を木の穴に突っ込んで蟻を捕まえる、ことがあるが、それより高度な知的作業なのだ。

 すなわちギャンブルは先を読んで対策を講ずる作業であり、この点で企業の新規分野へのチャレンジも似たところもある。一応、理詰めで利害を考えて進出するかどうか決断するのであろうが、最後はギャンブル的な要素が入り込んでくるだろう。すべてが理詰めで解決できれば、そこにはチャレンジの要素は無くなるからだ。

 ギャンブル依存症には特効薬は無く、入院による教育的集団精神療法が主であるようだ。病院ではギャンブル依存症グループに入って、規律ある生活を送ることにより、徐々に依存症から抜け出す治療法が施されるようだ。抜本的な治療が無いことは性犯罪や麻薬と同じで、再犯率が極めて大きいことにも通ずる。

 現在、国会で議論されてるカジノでは様々な規制がかけられるようであるが、裏を返せば利権の巣窟になる要素が十分だ。実際運営し、儲けが少ないとなれば、規制を緩和することも既に考えられているとの話だ。

 ギャンブル事業は絶対に根絶やしに出来ない、未来永劫存続が保証される事業であり、闇賭博ですら撲滅が出来ない現状である。このギャンブル事業が公認となれば、絶対につぶれることが無く、大して苦労も無く金が稼げ、官僚も天下り先の確保となり、国会にも議員連盟が出来る所以なのだ。まことに情けない話だ。2018.06.06(犬賀 大好-448)

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