日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

現代の”ノア”の箱船?

2015年01月16日 09時32分58秒 | 日々雑感
 “ノア”は、神のお告げにより箱舟を完成させると、家族とその妻子、すべての動物のつがいを箱舟に乗せた。洪水は40日40夜続き、地上に生きていたものをすべて滅ぼしつくした。これは、旧約聖書の創世記にある「”ノア”の箱舟」という有名な話である。アダムとイブ以降増え続けてきた悪行をなす人々に神様も嫌気がさし、現代風に言うならばクリアボタンを押し初期状態に戻したとの話であろう。
 21世紀の世界は増え続けた人類がエネルギーを消費し過ぎた為、地球規模の温暖化が進み、ある地域では大旱魃、別の地域では大洪水が頻発し、次第に住みにくくなってきた。地球温暖化は人間の営みの結果であるので、もし神様がおり、人類に嫌気がさしたとすれば、クリアボタンを押したくなるであろう。その際初期状態をどの時点に設定するであろうか。40億年も前であれば、生命誕生前であろうので初期状態にふさわしいが、”ノア”の大洪水と比較にならない位大きな天変地異が必要となろう。恐竜が絶滅する原因となったと思われる巨大隕石衝突でも小さ過ぎる。
 兎も角、人間は地球と言う宇宙船以外住む所が無いにも拘わらず、目先の経済に追われ宇宙船の環境改善には消極的である。”ノア”は、40日の大洪水を凌げば新たな大地を望めたが、現在の経済規模を維持しながら温暖化以前の地球を取り戻すことは不可能であろう。
 21世紀後半になり、地球上での生存が怪しくなったとき人類は別の世界を求めて、地球の外へ飛び出す必要が生ずるかもしれない。しかし、人間だけが無事移住できたとしても、人間単独での生存は難しい。現在地球上では人類はあらゆる生態系の上に君臨しているが、他の動植物無しでは生きていけない。地球上のあらゆる生き物にはその存在理由があり、人間はどこかで繋がっている筈である。嫌われ者のごきぶりもその昔森林で落ち葉を食し、糞として大地に戻す重要な役目を果たしていた。病気の元凶であるウイルスもどこかで人間の役に立っているはずである。まだ人間が気が付いていないだけである。
 人類が生存するためには地球の生態系をそっくり宇宙のどこかに移す必要がある。従って、”ノア”の頃と違い、その量は膨大なものとなる。しかも、宇宙にあまた在る星のどれが生命を維持できる環境にあるか不明であり、旅は何万年を要するであろう。そこで、現代版の”ノア”の箱舟は、あらゆる生命体を遺伝子レベルに圧縮し、冷凍し、可能性を秘める多数の星に送らざるを得ないであろう。しかし、遺伝子レベルで生存可能などこかの星に届いたところで、その後が保障されているわけではない。こんなことにならないように、我が宇宙船の環境を少しでも改善すべきだ。(犬賀 大好-93)

コメントを投稿