日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

将棋などの勝負の世界における人口知能の発展

2017年12月09日 09時24分46秒 | 日々雑感
 中学生であり、最年少プロである藤井翔太四段は、将棋界最多の29連勝を達成し一躍有名になった。彼がトップ棋士を破るまでに急成長した背景には、将棋ソフトの活用があると言われている。将棋ソフトと対戦したり、自分の対局をソフトに検討させたりして役立てるのだそうだ。彼の利用した将棋ソフトは、最先端の人工知能(AI)を利用したものではないだろうが、それでも十分役に立っている。これからの若者は、他人との対戦ではなく、コンピュータとの対戦により、強くなっていくのだろう。

 囲碁や将棋の世界ではコンピュータ抜きでは考えられなくなった。コンピューター将棋ソフトと人間との勝負も既に行われており、ポナンザと称する将棋ソフトが山崎八段や佐藤名人に勝ったのだそうだ。更に、「世界コンピュータ将棋選手権」というコンピュータ同士の将棋の大会で、ポナンザが決勝戦で初登場のエルモに負けるという、番狂わせが起こったそうだ。将棋プログラムの世界は日進月歩なのだ。

 囲碁の世界でも、最先端のAI技術を用いたソフト;アルファ碁(AlphaGo)が圧倒的な力を発揮しているそうだ。2016年3月には、韓国人、イ・セドル氏との五番勝負で勝利し、韓国棋院に名誉九段を授与された。また、2017年5月には、中国人、柯潔との三番勝負で3局全勝を挙げ、中国囲棋協会にプロの名誉九段を授与されたそうだ。

 十数年前、チェスの勝負において、コンピュータが人間を打ち負かした際でも、将棋や囲碁においては余りにも選択肢が多いため、ソフトが勝つのは無理だろうと言われた。しかし、時代は一変した。

 AlphaGoのソフトウェアには、囲碁のルールは組み込まれていないそうだ。若い時、多少ソフトウェアをかじった筆者には、すべての手順が書き込まれているのがソフトウェアと思い込んでいたが、そうではないようだ。

 AIで用いられるニューラルネットとは、人間の脳内にある神経回路網を人工ニューロンという数式的なモデルで表現したものだそうだ。近年、深層学習(ディープラーニング)と言う言葉をよく耳にするが、ニューラルネットはその土台となる仕組みだそうだ。と説明されても、さっぱり要領を得ないが、従来のソフトとは記述法からして全く異なるようだ。

 コンピュータがある結論を出した場合、従来のプログラミング手法ではフローチャートに従ってコードを追っていけばその理由が分かるが、ニューラルネットにおいては接続の強さを表すパラメーターだけで、どうしてそうなるかはブラックボックスになっているのだそうだ。

 ディープラーニング(Deep Learning)とは、十分なデータ量の下、機械が自動的にデータから特徴を抽出してくれる学習法のことだ。学習する能力が高く、勝負においてたまたま人間がAIに勝ったとしても、AIはすぐに学習するので、同じ手法は2度と使えない。これまで定石と言われてきた手はすべて覚え込んでいるので、対コンピュータの攻略法としては、これまでに無い手を打って混乱させることだそうだ。これまで通り定石を覚える必要があるが、覚えた定石を使うのではなく、定石に無い手を打つために覚える必要があると言う訳だ。

 既に人類最強と言われた棋士・柯潔を破ったAlphaGoは、名実ともに永世最強の称号を手に入れたと思われたが、そのAlphaGoに対し100戦全勝の新星AlphaGoZeroが2017年10月に登場したとの発表があった。新旧AlphaGoの最大の違いは、AIによる独自学習だそうだが、やっぱり何のことか理解できない。

 兎も角、囲碁の世界でのAIの進歩は急で、とっくに人間の能力を超えたと思われるが、この応用が色々な面に及ぶと考えると空恐ろしくなる。映画ターミネータの世界も現実味を帯びてくる。

 しかし、専門家の間でも新たな概念を生み出す能力は人間には到底及ばないとの見方が強いが、人間の脳の働きに関する研究もどんどん進んでいる。いつ何時、創造力のあるコンピュターが登場するか分からない。怖いもの見たさの好奇心が半分、人類衰退の懸念半分。2017.12.09(犬賀 大好-397)

コメントを投稿