日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

異次元金融緩和の副作用に分かり易い説明を願う

2018年03月03日 09時42分59秒 | 日々雑感
 現在政府・日銀が進める異次元金融緩和の副作用の論議がようやく活発化し始めた。ところで、日銀の国債買い取りによる副作用はその道の専門家により色々指摘はされているが、経済素人には今一はっきりしないし、一般国民にはどのような影響が及ぶのか理解できない。

 曰く、日銀が銀行などから買った国債などの資産が巨額になり、将来の金利上昇局面で日銀の財務が悪化する。

 また曰く、今の国債買い入れペースを続けると、本年半ばにも日銀が国債を買えなくなる限界を迎える。市場に出回る国債が極端に減り、金利が乱高下するなど、金融市場の大混乱を引き起こす恐れさえある。

 更に曰く、民間銀行の国債保有は緩和前から半減し、日銀が買える国債は減った。金融機関が資産運用に必要な国債まで日銀が買っている。

 以上のような諸々の副作用が指摘されているが、何のことか理解できず、特に一般国民との関わりが分からず、従って、副作用の懸念は他人事となる。

 経済素人が考える副作用は、政府が乱発する国債の行方に関してだ。銀行や保険会社は政府から国債を割り当てられていやいや買っても、日銀が買い戻してくれれば、何ら問題がないだろう。

 日銀は単にお金を印刷して買い取っているだけだ。国の資産が増えないのに、お金の量が増えると言うことは、これまでの資産の価値を下げることに他ならない。そう考え、異次元金融緩和の副作用は、インフレによる物価の上昇と思い込んでいた。

 異次元緩和の開始時には物価上昇率2%の目標は簡単に達成され、その後物価上昇の歯止めが効かず、物価上昇は果てしなく続くと懸念された。しかし、現実的には物価の上昇は起こっていない。

 それどころか、日本経済はデフレ基調と言いながら絶好調のようであり、株価は上がり、一部では土地バブルが起こっているとのことだ。

 海外から見れば、日本の国は資産が増えないのにお金の絶対量だけは増えているので、日本円の価値は相対的に下がっている、とのことになろう。そこで円安となり、輸出企業は大儲かり、海外旅行者は増加する結果となろう。

 異次元緩和でお金が国民に均等にばら撒かれたならば、物価上昇率の達成があったかも知れない。しかし、実質賃金は上がらず、経済格差を助長しただけだ。円安誘導により株価が上がれば、株所有者は利益を得るが、株を持っていない人は蚊帳の外だ。こうして格差は助長される。

 日本経済の好調さが一般国民に実感されないとの世論であるが、これが格差の拡大を如実に物語っている。しかし、経済格差は異次元緩和の直接の副作用ではなく、運用上の問題から来る二次的な副作用と考えるべきであろう。

 そもそも日銀が国債を貯め込むとどのような副作用があるのか。果てしなく貯め込めば、その場合に始めて筆者の考えるインフレの副作用が生ずるのであろうか。異次元緩和に対する副作用に対する専門家の意見は、経済素人の疑問には難解過ぎる。

 異次元緩和の一環として行われている日銀の上場投資信託(ETF)購入による株式市場のゆがみは、その副作用の一つであり、経済素人の目からも分かり易い。すなわち日銀が株を購入する限り、その会社の信用は高まり、客は安心して株を購入出来るからである。その逆も真であり、副作用は明確である。

 国債買い取りによる副作用に関し、金利上昇面での財務悪化とは、日銀が国債を買えなくなる限界とは、市場に出回る国債が減ると金利がなぜ乱高下するのか、資産運用に必要な国債とは何か、等に関する解説、またそれが一般国民にどのような影響を及ぼすのか分かり易い説明をお願いしたいものだ。2018.03.03(犬賀 大好-421)

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