日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

出生率の回復の為には婚姻率の回復を目指すべきだ

2023年07月09日 10時19分42秒 | 日々雑感
 岸田首相の異次元少子化対策は予算の裏付けが確定しておらず、今後何とか確保したとしても中身は子育て支援が主であり、出生率の回復の為には婚姻率の回復を目指した方が確実と思われる。

 国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」によると、近年の夫妻の平均初婚年齢は夫が30.7歳、妻が29.1歳となっている。2020年の世界主要国の女性の平均結婚年齢の1位はスペインの34.90歳、2位はスウェーデンの34.80歳であり、人口爆発が懸念されるアフリカ諸国、例えばタンザニアは21.0歳、ジンバブエ20.6歳と若くして結婚している。人間は年齢が上がれば上がるほど、男女共に不妊の確率は上がるそうで、晩婚は出生率の低下に直結すると言えるそうだ。
 
 経済が豊かな国における婚姻率の低下の原因は、男性の場合は「結婚すると趣味や遊びをあきらめないといけない」等、結婚に対してマイナスイメージを抱いてしまう人が多く、女性でも「家族のために趣味やおしゃれなどは捨てないといけない」等、結婚を躊躇してしまい、そのため、結婚に対して、もうちょと後にしようという気持ちが生まれてしまい、優雅で楽しい独身貴族が増え晩婚化が進む結果となる。

 また、大人の男女が出会うきっかけの中で、もっとも多いのが職場恋愛だそうだが最近は、この職場結婚も減少傾向にあるのだそうだ。昨今は職場でのセクハラ問題が取りざたされることが多くなり、たとえ悪意や下心が無い関係であったとしても、男性社員が女性社員に話しかけたり、デートに誘ったりすることが難しくなってしまったのが理由だと言われている。

 現代の日本において、自宅と職場の往復だけという単調な日常生活を送っている人が結婚できる確率は、全体の6%程度だそうで、マッチングアプリや結婚相談所などを利用して婚活に励んでいる人が比較的多い30代であっても、何もせずに結婚できる確率はわずか4%程度にとどまっているのが現実なのだそうだ。つまり、結婚相手を探すための行動を積極的に行わない限り、現代の日本では結婚ができないとも言えるのだそうだ。この観点が異次元少子化対策で一番抜けているのだ。

 また、フランスやスウェーデンのように婚姻率がそれほど高くないが、出生率が高い国がある。それは日本以上に事実婚が浸透している国なのだ。事実婚でも、結婚カップル同様の権利を得ることができ、その為、結婚をしないカップルも多く、男女共に婚姻年齢を高くする要因にもなっているのだそうだ。

 今年6月16日、LGBT理解増進法がようやく国会で可決した。野党だけでなく、自民党内からも根強い反対意見が出て、議論が紛糾していた法案だ。日本ではまだ家族制度の名残が強く、事実婚などのように、実際に戸籍上では婚姻関係を持たずに、それでも夫婦として家族を形成する男女の関係は当分認められそうにない。この点でも出生率の回復は望めない。
2023.07.09(犬賀 大好ー928)


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