新型コロナウイルスの発生源は、武漢の海産物市場で違法に取引されていた野生動物からではないかと言われている。この市場で扱われる、生きたコウモリやウサギ、マーモット等にコロナウイルスが寄生していることが理由であるが、人間への感染に対する具体的な発生源はまだ特定されていない。
武漢市のコロナウイルスを始めて世間に知らしめたのは、武漢の眼科医、李文亮氏と言われている。彼がSNSに海鮮市場で7件の重症急性呼吸器症候群(SARS)に似た肺炎が確認されたと書き込んだのは2019年12月30日のことだったが、武漢市公安当局は事実でない書き込みをして世間を惑わしたと李氏を処罰したそうだ。しかし後に政府はその処罰は誤りであったと公式に認めたようである。
これらの情報より、新型コロナウイルス感染症の発生源は武漢の海鮮卸売市場で売買された野生動物からと信じられてきたが、もし中国政府がこれを正式に認めれば、世界に拡散する新型コロナウイルスに対し何らかの責任を負う必要があるだろう。
米国はこれまで中国の初動の遅れを批判したほか、トランプ大統領やポンペオ国務長官は武漢コロナウイルスや中国ウイルスなどと呼んで武漢が発生源だと断定している。
兎も角、中国政府は情報管理の徹底により都合の悪いことはひたすら隠す傾向にあるため、現在のようにWHOからパンデミック宣言される程拡散する原因になったと非難されている分けである。
さて武漢市での拡散が隠せなくなると、中国政府は市からの人の出入りを一切禁止する等の強硬手段、また突貫工事による専門病院の建設等、政府の徹底した統制管理によりこの疫病を克服できたと今では逆に習近平主席の強い指導力を積極的に宣伝している。
しかし、最近その発生源に関し様々な情報が出てきており、武漢野生動物起源説を有耶無耶にするための攪乱戦法ではないかと勘繰る程である。その一つ、中国の若手の大学教授が、同市内の政府研究機関からウイルスが流出した可能性を指摘するレポートを発表したが、レポートは即座に闇に葬られ、教授は失踪してしまったそうで、よくある話だ。
この件に限らず、新型コロナウイルスは中国の生物兵器が流出したものだという陰謀論がまことしやかに囁かれているそうだ。武漢にウイルス研究所があることが、噂に真実味を持たせ、更に中国の秘密主義がこの噂に拍車をかけているのだ。
そしてついには米国の陰謀説まで飛び出した。中国外務省の報道局長が3月12日夜、新型コロナウイルスは米軍が中国に持ち込んだ可能性があるとツイッターに投稿したのだ。前述のウイルス流出説の出処がはっきりしないのに比べ、米国陰謀説の出処は明確である。局長個人の意見と思えず、裏には中国政府が糸を引いているとしか思えない。
また、中国の外交担当トップの政治局員が3月16日、ポンペオ米国務長官と電話会談した。そこで新型コロナウイルスへの対応をめぐって米国は中国側による防疫の努力を中傷し、中国に汚名を着せようとしていると批判したそうだ。中国は何かにつけて米国にいちゃもんを付けると思われるが、これも武漢起源説を曖昧にし責任逃れをするための戦略でないかと勘繰る。2020.03.21(犬賀 大好)
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