日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

中国の電気自動車が日本へ進出の意味

2023年05月17日 11時34分59秒 | 日々雑感
 自動車大手3社の2022年度4-12月期決算は、揃って前年同期比で大幅な増収となったものの、営業利益は販売台数の伸び悩みや原材料高の影響を強く受け低迷する結果となった。利益が低迷していると言っても、損をしている訳ではなくほっとした状況であろう。

 さて、国内は異常円安状態が続いているが、世界における自動車企業の経営環境は大きく変わろうとしている。今年2月の日本国内の軽自動車を含む乗用車全体の販売台数の実績では、ガソリン車がほぼ50%で、ハイブリッド車(HEV)が43.5%、電気自動車が3.5%だったそうだ。各自動車企業はHEV車を販売しているが、HEVと言えば元祖トヨタであろう。トヨタは国内市場では相変わらずHEVの販売に力を入れていくと思われるが、海外向けには電気自動車にシフトしていくと思われる。

 トヨタは4月7日の新体制方針説明会で、EV(電気自動車)の事業計画に関して、中国の市場に対し、現地開発のEVを2024年に2モデル追加投入する、と発表した。上海モーターショー2023で初公開される新型EV 2車種が、これを指していると思われる。

 中国政府は新エネルギー車の普及に力を入れている。新エネルギー車とは中国独自の定義で、電気自動車[EV]、燃料電池車[FCV]、プラグインハイブリッド車[PHV]の3種類を指し、通常のハイブリッド車[HEV]は含まれないそうだ。

 中国の日系メーカーはEVシフトへの対応が保守的で、中国市場の急速な変化に後れをとっているそうだ。中国の地元メーカーはEVシフトに邁進し、市場シェア拡大に成功したのだ。

 中国汽車工業協会のデータによれば、中国メーカーの2022年の販売台数は前年比22.8%増の1176万6000台に達し、乗用車市場の5割を獲得したのだそうだ。EVはガソリン車に比べて、複雑なエンジンが不要なため構造が極めて簡単であることも背景にあるのだろう。多くの中国企業が政府の後押しを受けて、EVの開発に乗り出し、販売も急激に伸ばしているが、日系企業は予測を間違えたのだ。

 中国のEV大手、比亜迪(BYD)は国内販売のみならず、今年1月31日には、日本市場に参入すると発表した。最初に投入するEVは440万円と高価であるが、年内に計3車種を投入し、2025年に販売店を100店舗以上展開する目標を掲げている。

 2020年までガソリン車の生産がEVを上回っていた同社は、2021年以降本気のEVシフトに取り組み、2022年3月にはガソリン車の生産を終了した。1月30日に発表した2022年12月通期の業績予想では、純利益が約3000億~3200億円となり、前年の5倍超になったそうだ。中国メディアは「BYDにとって日本で何台売れるかはそれほど重要ではない」と達観しつつ、日本進出にはグローバル展開を見据えた別の目的があると分析している。中国産の自動車が、アフターサービス等の点で日本で急激に伸びるとは俄かには信じられないが、EVを取り巻く世界の環境は急激に変化しているようだ。
2023.05.17(犬賀 大好ー915)


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