日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

新型コロナウイルスは弱毒化しているのか

2020年08月19日 08時53分47秒 | 日々雑感
 当初、新型コロナウイルスはインフルエンザウイルスより毒性が強く、死亡率が高いとのことで、恐れられていたが最近では新型コロナウイルスの弱毒化が進み、恐るるに足らずの逆の説が現れてきた。

 筆者も”新型コロナウイルスの特異な性質”と題するプログで、新型コロナウイルスは寄生した細胞に害を与えることなく増殖する能力があるらしい(2020.08.05)、と書いたが、これも弱毒化の現象の一種だ。これは、病気の発症前から感染力があるとの最近の情報に注目したからの感想であった。新型コロナウイルスの場合、感染者の約8割が無症状か、軽症でありながら人に感染させる能力だけはあるようだが、人に感染させるほどのウイルスが存在するのに、宿主に害を与えない理由に関しては不明のままだ。

 国際医療福祉大学の高橋教授は以下の仮説を提唱した。新型コロナは毒性が弱いために、人間の細胞が抗体を作り出すほどの外敵だと認識せず、獲得免疫が動き出す前に自然免疫が働き新型コロナウイルスを死滅させてしまい、治癒している場合が多いとの仮説だ。自然免疫とは人間が元々有する免疫機能であり、若い時ほど効果が発揮される機能であろう。

 すなわち、新型コロナウイルスは繁殖力が強いが、幾ら増えても宿主に悪影響を与えるほどの毒性が無い為、自然免疫で治癒すると言うことであろう。そうだとすると若者に無症状や軽症者が多いとの事実も納得できる。

 これまで、インフルエンザと同じように、発症後1週間以内に獲得免疫が立ち上がり、抗体ができる感染モデルで考えていたが、これからは新型コロナ独自の感染モデルを考えなくてはいけないことになる。

 すなわち、このコロナウイルスのほとんどの感染者は放っておけばよく、重症化する恐れのある基礎疾患者や高齢者だけに注意を払えばよいことになる。

 この意味でも、出来る限り多くのPCR検査を実施し、早期に見分けることが重要となる。8月14日、新型コロナウイルスに感染した人が、その後、重症化するかどうかについて、尿を調べることで予測できる可能性があることを日本の国立国際医療研究センター病院の研究グループが明らかにした。

 例えこのような技術が無くても、多くの医者はこれまでの経験から重症化の可能性を見分けることが出来る筈であり、PCR検査の拡充が感染拡大を防ぐ唯一の方法だ。

 また、8月5日、国立感染症研究所病原体ゲノム解析研究センターが新型コロナウイルスのゲノム分子疫学調査の報告書を出した。そもそも新型コロナウイルスの遺伝子は、約3万塩基ある遺伝子の内、平均すると毎月2塩基が変異する驚きの早さだそうだ。

 1塩基の変異がどの程度ウイルスの特性を変化させるか分からないが、弱毒化する場合もあれば、強毒化する場合もあるだろう。強毒化する場合は、宿主の細胞を早く死に追いやるので自身も長生きできず、傾向的には弱毒化の方向に進むことは考えられる。

 本当であるなら近い将来インフルエンザと同様に流行性感冒の一つになって、忘れ去られて行くような気持になるが、このためにも当面PCR検査の拡充が重要である。2020.08.19(犬賀 大好-627)


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