日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

ロシアのウクライナ侵攻は本気とは思えないが

2022年02月19日 09時21分53秒 | 日々雑感
 冬季北京オリンピックが開催中でお祭り騒ぎであるが、ロシアのウクライナへの侵攻があるのではと世間を騒がしている。この影響は国際社会に及ぼす影響は計りしえず、日本も対岸の火事では済まされない。

 米ホワイトハウスの報道官は14日の記者会見で、ロシアによるウクライナ侵攻が”今週中に始まるかもしれない”と述べた。ロシアの侵攻の可能性は、ウクライナ国境付近に10万人以上の軍部隊を集結させ、毎日のようにその規模の増強を続けているからだそうだ。

 米国経済に影響される日本の株価は乱高下し、また政府は今月初めロシアがウクライナに侵攻して天然ガスの欧州向け供給が途絶える事態に備え、日本が輸入する液化天然ガス(LNG)の一部を欧州に融通する検討に入ったそうだ。

 ウクライナは多民族国家である。主な民族はウクライナ人で、全人口の約8割を占め、ロシア人は約2割を占めるそうだ。第2次世界大戦後ソ連に併合されたが、ソ連崩壊後に独立した。

 ウクライナは北をベラルーシに、東はロシアに、南は黒海に突出たクリミヤ半島に、そして西はポーランドに囲まれている。ベラルーシは親ロシアであり、クリミヤ半島は元々ウクライナ領であったが、2014年にロシアがクリミア半島を併合したため、3方をロシア勢に囲まれていることになる。

 一方、ロシア側からすれば、ソ連崩壊後親ロシアであったチェコ、ハンガリー、ポーランドが北大西洋条約機構(NATO)の加盟国となり、西側勢力が次第にロシア本国に迫って来ている危機感がある。更にウクライナもNATOに加盟する可能性があるため、プーチン大統領は、ウクライナ侵攻をちらつかせて、西側諸国にNATO勢力を拡大をしないように迫っている訳だ。

 ウクライナ侵攻のもう一つの理由はウクライナ領のロシア人支援だ。ロシア人はクリミヤ半島や東部に多く、クリミヤ半島を併合したのもその為であり、東部の地域における独立運動も応援している。

 ウクライナがなぜNATOに加入したがるかは、ロシアの影響から逃れる為である。一つの国として纏まるためには、優れた指導者が自分の意見で突っ走ることが出来れば効率的であるが、そう出来るのは、国の存亡が問われる時くらいであろう。平時には様々な利害が衝突し、様々な意見を調整するためには時間をかけて議論する必要がある。

 ロシアや中国のように様々な意見を強権で封じ込めるのは、民主主義とは真逆の行為であり、自分の意思が反映されないことは、兼好法師が「徒然草」の中で言っているように”もの言わぬは腹ふくるるわざなり”であり、人間の本能に反する行為である。

 ウクライナ情勢は、ロシア軍の更なる兵力増強や逆に一部撤退等の情報が入り乱れており、どのように推移するか不明であるが、恐怖からくる偶発や過激派の挑発等が前面衝突に発展するのが戦争の常だ。
2022.02.19(犬賀 大好ー791)