私たちは様々な雑菌に取り囲まれて生活するが、これらの菌は口や鼻から入り込むばかりでなく皮膚からも入り込むのだそうだ。それでも病気にならないのは、人類が誕生して以来培ってきた生体防御機能が巧みに働くからだそうだ。
この生体防御機能は人間が生まれながらに持っているものばかりでなく、生後体に備わるものがあり、それらの機能は外から体内に入る様々な菌が育てているのだそうだ。
生体防御機能は人間のあらゆるところに備わったおり、その代表が免疫機能だ。腸の免疫機能を正常に機能させるのは腸内細菌だそうだ。腸は単に食物から養分を吸収するのが役目だけではなく、うつ病、がん、アレルギー、肥満など、一見腸とは関係ない病気を予防する役割もあるそうで驚きだ。
「腸の役割は多々ありますが、大切なのは2点。1つは、酵素、ビタミン、ホルモンを作ること。特に、腰痛を予防するビタミンB1や美肌に効果的なビタミンB2、血液凝固作用があるビタミンKは、腸内でしか作れません。また、酵素とホルモンも、大部分が腸で作られます。特に、精神を安定させて幸せな気分にするホルモンのセロトニンは9割が腸で作られています」と、東京医科歯科大学名誉教授で感染免疫学者の藤田紘一郎さんは語っているそうだ。
人の腸内には消化を助けるものとして有名な乳酸菌をはじめ種々雑多な腸内細菌がいるが、一時的に入ってきて腸を通過する菌と腸内に定着している常在菌がいるそうだ。
生後間もない赤ちゃんはいろいろな所を舐めることで、多種多様な菌を腸内に入れているが、これが一生変わらない常在菌のもとになるのだそうで、この常在菌の種類は、おおよそ3才までに決まるとのことだ。
腸内の常在菌は一般に100種以上とされ、多いほどよいとされる。しかし最近は除菌や抗菌グッズが流行し、赤ちゃんを汚い場所から遠ざける傾向があるため、多種多様な菌が摂り入れられず、そのため、アレルギーの子供が増えたのだという。
また、人間の皮膚には重要な生体防御機能があるのだそうだ。人間の皮膚は表面の薄い粘膜に覆われており、そこに病原菌などの外敵の侵入を防ぐ役割を担う有用菌を棲息させており、これが皮膚常在菌と呼ばれている。
最近、人が集まる所には消毒液が準備されているが、インフルエンザや食中毒Oー157対策との名目である。しかし、このような消毒が常在菌も殺すことになるから逆に有害にもなり得るのだ。殺すまで行かなくても、この皮膚常在菌は自然状態である弱酸性に保っていかないと活発に働いてくれない。消毒液で見せかけの清潔さを得るために、こんな優秀なガードマンを働けなくするとは、過ぎたれば及ばずるが如しとはこのことだ。
このように腸内や皮膚に存在する常在菌は生後に体に備わる防御機能なのだ。海外には、日本にはいないような怖い病原菌が無数に存在するのに、現地の人たちは、皮膚を多く露出させて歩きまわったり、碌に消毒をしていない水を飲んだり、不衛生と思われるところで食事をしても特に病気にかかっている様子も無い。しかし、日本からの旅行客はすぐに下痢など起こす。この現象こそが常在菌による防衛機能が備わっているか、いないかの差だ。
赤ちゃんが手にするもの、目に付くもの、何でも舐めまわすのは単に好奇心からだと思っていたが、そこには常在菌を増やすための本能が隠されていたとは驚きだ。清潔好きなお母さんは、赤ちゃんが病気にならないようにと舐めそうな物を消毒したり、取り上げたりするが、それが赤ちゃんの一生を決めるほどの影響があるとはびっくりする。
2019.01.16(犬賀 大好-512)
この生体防御機能は人間が生まれながらに持っているものばかりでなく、生後体に備わるものがあり、それらの機能は外から体内に入る様々な菌が育てているのだそうだ。
生体防御機能は人間のあらゆるところに備わったおり、その代表が免疫機能だ。腸の免疫機能を正常に機能させるのは腸内細菌だそうだ。腸は単に食物から養分を吸収するのが役目だけではなく、うつ病、がん、アレルギー、肥満など、一見腸とは関係ない病気を予防する役割もあるそうで驚きだ。
「腸の役割は多々ありますが、大切なのは2点。1つは、酵素、ビタミン、ホルモンを作ること。特に、腰痛を予防するビタミンB1や美肌に効果的なビタミンB2、血液凝固作用があるビタミンKは、腸内でしか作れません。また、酵素とホルモンも、大部分が腸で作られます。特に、精神を安定させて幸せな気分にするホルモンのセロトニンは9割が腸で作られています」と、東京医科歯科大学名誉教授で感染免疫学者の藤田紘一郎さんは語っているそうだ。
人の腸内には消化を助けるものとして有名な乳酸菌をはじめ種々雑多な腸内細菌がいるが、一時的に入ってきて腸を通過する菌と腸内に定着している常在菌がいるそうだ。
生後間もない赤ちゃんはいろいろな所を舐めることで、多種多様な菌を腸内に入れているが、これが一生変わらない常在菌のもとになるのだそうで、この常在菌の種類は、おおよそ3才までに決まるとのことだ。
腸内の常在菌は一般に100種以上とされ、多いほどよいとされる。しかし最近は除菌や抗菌グッズが流行し、赤ちゃんを汚い場所から遠ざける傾向があるため、多種多様な菌が摂り入れられず、そのため、アレルギーの子供が増えたのだという。
また、人間の皮膚には重要な生体防御機能があるのだそうだ。人間の皮膚は表面の薄い粘膜に覆われており、そこに病原菌などの外敵の侵入を防ぐ役割を担う有用菌を棲息させており、これが皮膚常在菌と呼ばれている。
最近、人が集まる所には消毒液が準備されているが、インフルエンザや食中毒Oー157対策との名目である。しかし、このような消毒が常在菌も殺すことになるから逆に有害にもなり得るのだ。殺すまで行かなくても、この皮膚常在菌は自然状態である弱酸性に保っていかないと活発に働いてくれない。消毒液で見せかけの清潔さを得るために、こんな優秀なガードマンを働けなくするとは、過ぎたれば及ばずるが如しとはこのことだ。
このように腸内や皮膚に存在する常在菌は生後に体に備わる防御機能なのだ。海外には、日本にはいないような怖い病原菌が無数に存在するのに、現地の人たちは、皮膚を多く露出させて歩きまわったり、碌に消毒をしていない水を飲んだり、不衛生と思われるところで食事をしても特に病気にかかっている様子も無い。しかし、日本からの旅行客はすぐに下痢など起こす。この現象こそが常在菌による防衛機能が備わっているか、いないかの差だ。
赤ちゃんが手にするもの、目に付くもの、何でも舐めまわすのは単に好奇心からだと思っていたが、そこには常在菌を増やすための本能が隠されていたとは驚きだ。清潔好きなお母さんは、赤ちゃんが病気にならないようにと舐めそうな物を消毒したり、取り上げたりするが、それが赤ちゃんの一生を決めるほどの影響があるとはびっくりする。
2019.01.16(犬賀 大好-512)