日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

舛添氏の言い訳から見えてくること

2017年06月07日 09時39分44秒 | 日々雑感
 舛添要一氏は、2014年2月東京都知事に断トツの知名度で当選した。前任の猪瀬氏が金銭問題で知事辞任に追い込まれた結果の都知事選での当選である。舛添氏は新国立競技場の建設資金を巡り、国とやり合いその後の活躍が期待された。

 しかし、国会議員時代の2013年と14年の正月での千葉県内のホテルの私的宿泊代を政治資金で賄ったとの話が公になった。政治資金の不透明な使い方は国会議員にはよくある話で、しかも都知事に就任する前の件であり、大きな問題にならない筈であった。しかし当人が第3者による厳格な調査を行うと言いながらいい加減な調査で済ましたりして墓穴を掘り、辞任に追い込まれてしまった。

 あれから1年経ち、先月30日付け朝日新聞にインタビュー記事が掲載された。筆者は、昨年6月に ”政治不信に拍車をかける政治家”と題するブログを記し、そこで、舛添氏を酷評したが、その内容に関する言い訳は無かった。

 しかし、いくつかの気になることがあった。この中で辞任に追い込まれる直前におけるマスコミのたたき方は尋常では無かったと感想を述べているが、マスコミの寵児として都知事になった本人がマスコミの犠牲になったとの愚痴は、真に勝手な言い訳である。自業自得と言わざるを得ない。

 一方、豊洲市場への移転や五輪競技会場新設の予算や条例を、議会と知事が正式なルールに従って決めたのに、後になって石原元都知事や浜渦元副都知事の証人喚問をすることは異常だと指摘している。地方自治は首長と議会の二元代表制である。議会は知事に人気がある時は知事の言いなりであるが、知事が弱みを見せると議会は一転して批判勢力となり、責任を知事だけに負わせ、議会は事実上免罪となっているとの言い分である。一理あると思うが、最大の権力者は知事であり、始めに責任を取るのが知事であろう。潔さが欠ける。

 議員は免罪となるとの指摘であるが、果たして無事放免となるであろうか。都議会の選挙まで1か月を切った。都議は全員豊洲新市場への移転のごたごた問題等の責任を負わなくてはならないが、公明党は上手に都民ファーストの会に擦り寄った。自民党は小池都知事を何も決められない政治家と批判を強めているが、都知事に責任を負わせて惰眠をむさぼってきた反省の声が聞かれない。民進党は存在感が無くなってしまった。無罪放免される議員はどれくらいいるであろうか。

 また舛添氏は、騒ぎの発端は東京の韓国人学校の増設問題だと想像しているとのことである。この増設に対しては右翼の反発が強かったらしいが、これを期に舛添氏の政治資金の不透明さが明らかになり、マスコミが大騒ぎを始めたのは、偶然であろうか。

 また、加計学園問題で前川前文部次官が政府に不都合な証言を始めた際、前川氏は出会い系バーに通っていたと大々的に報道した大新聞があった。

 どうも、政府のマスメディア戦略、マスコミ操作がかなり浸透しているような気がする。思い起こせば、先のNHK籾井会長はあからさまであった。政府の意向に反する報道は出来ないとの趣旨の発言をしていた。特にマスメディア上層部人事には政府の意向がかなり反映されていると勘繰られる。

 今度の都知事選では自民党はかなりの苦戦の様子だ。先の例に従えば、自民党を離党した小池都知事のネガティブキャンペーンが激しくなりそうであるが、小池氏は安倍首相と仲が良いとの噂であり、予想通りになるであろうか。 

 現在共謀罪に関する法案が参議院で議論されている。先のマスコミ操作に対する感繰りが、単なる妄想であればよいが、共謀罪はこのような動きを更に強めるのではないかと心配する。

 先の前川氏の件であるが、菅官房長官は出会い系バーへの出入りを良識欠如の人間として、個人攻撃した。安倍首相が野党を攻撃する際に用いる印象操作そのものであるが、恐らく首相も了解済みな話であろう。

しかし、前川氏の教育に対する信念は確固たるものがあるようだ。前川氏を知る人間の間では、上からの意向に左右されずに信念を貫く人と言われている。先に個人攻撃した大新聞は、公平な立場で事の真相をはっきりさせるべきであろう。
2017.06.07(犬賀 大好-344)