今回の日本で仕入れてきた「山怪」、読み始めて止まりません。この本は、永年、マタギを追ってきたノンフィクション作家の田中康弘氏が昨年出版したもので、山奥で集めてきた奇怪な実話がいっぱい。狐やタヌキに化かされた話、山伏?の足音、大蛇の怨念などなど、いかにも山国、日本!的な話や現象が、その話を語ってくれた山の住人の実名とともに記されています。
なにせ田中氏はスピリチュアル系のライターではなく、マタギや山関係の硬派なライターさんですから、逆に話にはすごい説得力があリ…。怖い話集めから足を洗った?はずの私も、久々にこういった本を買ってしまいました。昨年来、もう8万部売れたというヒット作ですからね。「マタギの臨死体験」などなど、気になる見出しにやられました。
まだ読み終わっていないのですが、たとえばこんな話に興味をひかれました…。本の中に、猟師は山に入る時、天ぷらや揚げ物を持っていかない、「持って行くとヒドイ目にあう。大けがをした人もいた」との話が出てきました。ムジナが出るそうです。秋田県のマタギの話なのですが…。その代わり、ニンニクをポケットに入れて行く人が多いとか。
…オアフ島のヌウアヌは、昔カメハメハ大王がオアフ軍を追い上げた決戦の場。ヌウアヌの峠を越える時に豚肉を持っていると、車が故障する、と言われています。昔のハワイで、豚肉は特別な時だけ食されるご馳走でした。豚肉を求めて飢えた戦士の霊が車を止めようとするというのが、車が故障するという理由です。これ、ハワイの人なら誰でも知っている有名な怪談でございます。
一方、日本の山(の一部)では、揚げ物がダメなんですね。勉強になりました…。
ほかにも、何やらハワイと似た感じの話もいくつかあって、妙に関心してしまいました、私。自然の深い土地には、まだまだ不思議世界が残っているんですね。きっと…。
ぜひ皆さんも、読んでみてください!