森出じゅんのハワイ生活

ハワイ在住のライターが、日々のあれこれをつづります。

アウトリガーカヌー造りと神

2016年04月19日 | 歴史


今日は朝から快晴でした! テラスから白波のたつ青い海を見つめていて、想いはフと、アウトリガーカヌーに飛んでいきました…。

アウトリガーカヌーというのは、写真のようにカヌー本体の横に浮き材がつくタイプのカヌーのこと。ハワイやポリネシアをはじめ、広くオセアニアの海洋民族に使われていました。

昔のハワイでカヌーは当然、命の綱といいますか。そのため古代のカヌー作りは、まさに神事そのものでした。木の選定から切り倒す作業、切った木を森から作業場に移す作業、そしてカヌーを彫っていく作業と、一つ一つが厳密な儀式を伴うものだったようです。

たとえば。主にコアの木がカヌーに使われましたが、立派な木を見つけたとの連絡を受けた神官は、まずその夜、祭壇前で眠ったそうです。そしてその晩、見た夢の吉凶で、そのコアがカヌーに適した木か否かを占ったということです。

具体的にいうと、裸の男女が恥ずかしそうにモジモジしている夢は悪い兆。その木は中が腐った木、と判断されました。逆に立派な装いのハンサムな(美しい)男女の夢は、GOサイン! その後も延々と、儀式とともに作業が進んでいったとのことです。

家を造るよりカヌー造りのほうがぐっと神聖だったという点、興味深いですね。

さすが我らが海の民、ハワイアンです!







コメント
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