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菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

バベルの父ちゃん。 『スティルウォーター』

2022年02月01日 00時00分42秒 | 映画(公開映画)

で、ロードショーでは、どうでしょう? 第2000回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」

 

 

 

 

『スティルウォーター』

 

 

建築業の米国人父がフランスで収監された娘の殺人罪は冤罪だと奔走するサスペンスドラマ。

 

主演は、マット・デイモン。
共演は、アビゲイル・ブレスリン、カミーユ・コッタン。

 

監督は、『スポットライト 世紀のスクープ』、『扉をたたく人』のトム・マッカーシー。

 

 

物語。

ビル・ベイカーは、アメリカ北部の田舎町オクラホマ州スティルウォーター出身で、建築業で生業を立てている。
彼の娘アリソンは留学先のフランスのマルセイユで殺人罪で入獄している。
娘の無実を信じるビルは病気の義母の援助で、娘との面会のために年に一度ほどフランスへ面会に行く。
だが、彼はフランス語を喋れない上、文化にもなじめず、旅の度に戸惑うことばかり。彼は、なぜ娘がマルセイユへ留学をしたのか理解できない。

脚本:トム・マッカーシー、マーカス・ヒンチー、トマ・ビデガン、ノエ・ドゥブレ

 

 

出演。

マット・デイモン (ビル・ベイカー)
アビゲイル・ブレスリン (アリソン・ベイカー)

カミーユ・コッタン (ヴィルジニー)
リル・シュヴァウド (マヤ)

アン・ルニィ (ルパルク弁護士)
ディアナ・ダナガン (シャロン)
イディル・アズーリ (アキーム)
ウィリアム・ナディラム (パトリック)
 ムーサ・マースクリ (ディロサ/元警官)


 

スタッフ。

製作: スティーヴ・ゴリン、トム・マッカーシー、ジョナサン・キング、ライザ・チェイシン
製作総指揮:ジェフ・スコール、デヴィッド・リンド、ロバート・ケッセル、マリ・ジョー・ウィンクラー=イオフレダ

撮影:マサノブ・タカヤナギ
プロダクションデザイン:フィリップ・メッシーナ
衣装デザイン:カラン・ミューレル・セロー
編集:トム・マカードル
音楽:マイケル・ダナ

 

 

『スティルウォーター』を鑑賞。
現代フランス、建築業の米国人父が留学先で収監された娘を救うために奔走するサスペンスドラマ。
ある意味、蔑視される白人系肉体労働者の人物を掘り下げ、それと対する3人の人物とぶつける。構造が非常に凝っている。
ミクスチャーというよりは、親子の人生のドラマに殺人事件が絡んでいるという感じで、宣伝の部分は半分もない。ジャンルものではあるのだけど、そこのある部分を増やしている。これこそ、この映画の味で、トム・マッカーシーお得意の日常の隣に潜む痛みや暴力が際立つつくりとなっている。
マット・デイモンの流石の存在感は肉体から説得力。アビゲイル・ブレスリンの圧倒的いそう感が物語を牽引する。リル・シュヴァウドの子供らしさがいるだけでもリアルな街角に変える。カミーユ・コッタンが対比の存在として深みを倍にする。脇にいたる全役者陣が物語の繊維となり布を織りなす。
タイトルの「スティルウォーター」は地名とたまり水の二つの意味を持つ。
言葉の映画になっている。
妻に死なれ、娘との関係にも傷ついた男が言葉(=コミュニケーション)について、そして演劇が絡む物語って、あれ、『ドライブ・マイ・カー』と重なる内容なのよね。旅先で仕事ともう一つの出来事で長尺ってのも似ていたりするのだけど、主人公像が真逆だし、異常な説得力で成立しているけど、すごく劇的な設定なのよね。これぞ物語の醍醐味。
撮影もいいのよ。マサノブ・タカヤナギは日本の誇りよね。
巧みにリアリティある虚構に落し込んで現代の現実を映している。こういう多様性にある映画が好きなのよ。いパン的にはそこまで評価はそこまで評価は高くならないかも。挑戦しているからね。でも、こういう宝物探しをしに映画館に通うのよ。
実は、どんでん返し映画でもあったり。あの1カットを見逃すな!
無言で抱きしめ合う姿の雄弁さ。
あなたの眼鏡の色も問う鷹作。

 

 

 

 

おまけ。

原題は、『STILLWATER』。
『スティルウォーター』、『溜水』。

スティルウォーターは、オクラホマ州の街の名前。
だが、溜水(たまりみず、ためみず)の意味にもなる。

たまり水の意味は、一か所にたまっていて流れない水。水たまり。
ため水の意味は、溜池など水をためたところ。また、消火用などのために溜めておく水。

たまり水は、水洗器具では、パイプのS字になっているとこに溜まる水で、匂いの逆流を防ぐ仕組みの水のことを指す。

スティルウォーター (Stillwater) は、アメリカ合衆国オクラホマ州の都市のひとつ。同州ペイン郡の郡庁所在地。未割当地の初期入植地。
オクラホマシティ大都市圏のすぐ北東に位置することから同圏へ通勤等するための住宅衛星都市といった色合いが濃い。
2000年の国勢調査によると人口は約4万人。
同市にキャンパスを構えるオクラホマ州立大学は25,000人以上の学生が在籍し、学生・学校関係者が人口の相当数を占めている。(wikiより)

2021年の作品。

 

製作国:アメリカ
上映時間:139分
映倫:G

 

配給:パルコ ユニバーサル映画 

製作会社は、ドリームワークス。

 

 

映画情報ではないですが、【で、ロードショーでは、どうでしょう?】もついに第2000回でございます。
紹介したい、書きたい作品だけを書いてきました。
今後もその精神で続けていきます。

 

 

『フランティック』を思い出したね。

 

実際の事件を基にしているらしいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ややネタバレ。

コリエ(collier)は、ネックレス・首飾りのフランス語

 

 

 

 

 

ネタバレ。

四組の親子(疑似親子含む)が出てくる。
ビルとアリソン、ビルとシャロン、ヴィルジニーとマヤ、ビルとマヤ。
シャロンはビルの妻の母で義母にあたるし、ビルとマヤは戸籍関係がない。

フランスは事実婚が多く、事実婚を結婚を認める制度がある。

 

ビル・ベイカー(トランプ支持者とも思われるレッドネック=白人の肉体労働者層)は、5人の女性と対峙することになる。
同性愛者で学力のある娘アリソン、リベラルで芸術家でフランス人ヴィルジニー、社会的に高い地位を持ち論理的なルパルク弁護士、移民系でイスラム教徒のアラブ系の大学生、偏見のない小学生マヤ。
これに、自殺した愛する妻、病気で同系統の義母シャロン、殺されたビッチのレナまで入れると8人の女性と向き合わされる。

男性は、ルパルクの助手、元警官、アキームとその仲間、と、みなどこか立場が低い。
スティルウォーター市長は男性だったりするけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

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