で、ロードショーでは、どうでしょう? 第642回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『フューリー』
第二次世界大戦末期、FURYと名付けられたシャーマン戦車を駆る5人の兵士のある一日。
第彼らの勇気と絆の物語を、リアルかつ迫力の戦車戦とともに描く戦争アクション。
監督と脚本は、元軍人で原子力潜水艦の乗組委員であったという異色の経歴のデヴィッド・エアー。
今ちょうど、『サボタージュ』と同時公開というまさに飛ぶ鳥を落とす勢い。
物語。
1945年4月、終戦まであとわずかの頃、ドイツ軍が文字通りの総力戦で最後の徹底抗戦を繰り広げていたヨーロッパ戦線。
戦況を優位に進める連合軍も、ドイツ軍の捨身の反転攻勢に苦しんでいた。
歴戦の戦車乗りでウォーダディの通り名を持つドン・コリアー軍曹は、長年、命を共にしてきた部下とドイツを愛車のシャーマン戦車“フューリー号”で進軍中に、副操縦手を失った。
代わりに来たのは、戦闘経験ゼロの新兵ノーマンが配属されてくる。
ろくに訓練も受けていない若造ノーマンは、戦場の極限状況にただただ圧倒されるばかり。
ウォーダディーはひよっこノーマンを手荒く、使えるように仕込もうとするが・・。
出演。
ウォーダディーことドン・コリアーに、ブラッド・ピット。
一筋縄ではいかない、戦争にまみれた軍曹を熱演。
タイピストの新兵ノーマン・エリソンに、ローガン・ラーマン。
バイブルこと元牧師のボイド・スワンに、シャイア・ラブーフ。
そのキャリアの中でも最高の演技を見せている。
ゴルドことトリニ・ガルシアに、マイケル・ペーニャ。
彼に当て書きされた役だけに、あまり描かれない連合軍のメキシコ人兵士を体現している。
クーンアスことグレイディ・トラビスに、ジョン・バーンサル。
独特に戦争ズレした男に命を吹き込んでいる。
ワゴナー大尉に、ジェイソン・アイザックス。
マイルス軍曹に、スコット・イーストウッド。
ほかに、ジム・パラック、ブラッド・ウィリアム・ヘンケ、ケヴィン・ヴァンス、ゼイヴィア・サミュエル 、アナマリア・マリンカ、アリシア・フォン・リットベルクなど。
撮影は、ローマン・ヴァシャノフ。
エアー監督の懐型で、得意のドキュメンタリータッチにはせず、どっしりとした画面を作っている。
義理着rの明かりながら暗すぎない画面作り、狭い戦車内の撮影が素晴らしい。
プロダクションデザインは、アンドリュー・メンジース。
衣装デザインは、オーウェン・ソーントン。
徹底的なリアリズム。
さすがに、できないところや映画的誇張や省略はあれど、始めているような描写や小道具乗リアリティには
脱帽。
まさに歴史的な価値さえ醸し出している。
ティーガー戦車は実働する最後の一台だそう。
シャーマン戦車ももちろん実働する本物。
編集は、ドディ・ドーンとジェイ・キャシディ。
音楽は、スティーヴン・プライス。
トラディショナル曲を多数用いて、当時の雰囲気を醸成している。
いわば戦車版『プライベート・ライアン』。
宣伝している5人VS300人の戦いは案外に地味だが、中盤のティーガー戦車との対決は見もの。
これ見たら、素直に戦争行きたくねぇーって気になります。
愛と人道は欠片程度の戦争の残酷さをリアリティたっぷりに血肉まみれで描く秀作。
おまけ。
とにかく、リアリズムにこだわるエアー節が炸裂しており、弾の使い分けや曳光弾の描写、肉片、戦争時の行動などの徹底は見事。
キャッチコピーは「1945年4月―― たった5人で、300人のドイツ軍に挑んだ男たち。」
上映時間は、135分。
実は、ハリウッド映画ではなく、イギリス製。
ブラッド・ピットは製作者としても、腕を発揮しており、昨年は製作した『それでも夜は明ける』で米アカデミー賞を受賞している。
今作でも共同で製作総指揮に名を連ねている。
映画解釈の高さは、仲間のジョージ・クルーニーやマット・デイモン、スティブンソダーバグとの切磋琢磨で身に付いたのか、実に高い。
だが、娯楽映画的な部分は『ワールド・ウォーZ』の撮影済のシーンをカットするなど、意外と切り捨てる傾向がある。
今作でも、その傾向はある。
劇中のセリフ「理想は平和だが、歴史は残酷だ」はブラッド・ピットのアドリブだそう。
ネタバレ。
町で捕虜にしたドイツ将校を撃つのは、正式な軍服を身につけていない軍人はスパイや偽装などの可能性があるので、緊急の対応をしてもよい(つまり、撃ってもしょうがない)という規定がある。
ゆえに、コートについての会話がある。
ちゃんと、弾ごとに爆発描写が違う。
遅延の炸裂弾を地面に向けて撃ち、空中で破裂させるなどの技も初めて見た。
曳光弾は5発に一発なので、あのような感じになる、湾岸戦争などでも見られたが、色は少なかったし、昼間にあんなに見えるのかな?
火薬の質が悪いので、あんなにカラフルなのか?
軍によって、色分けしてるのかしら?
リアルを言い出すと、これでもまだ怪しいところはあるようです。
例えば、ドイツの重戦車は補給及び整備隊と一緒でないと行動が厳しいはずだが、単独ではぐれたように現れて、しかも、攻撃してくる。
戦争中なのでないとは言えないが。
ドイツ側も特攻気味だったのかもしれない。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『フューリー』
第二次世界大戦末期、FURYと名付けられたシャーマン戦車を駆る5人の兵士のある一日。
第彼らの勇気と絆の物語を、リアルかつ迫力の戦車戦とともに描く戦争アクション。
監督と脚本は、元軍人で原子力潜水艦の乗組委員であったという異色の経歴のデヴィッド・エアー。
今ちょうど、『サボタージュ』と同時公開というまさに飛ぶ鳥を落とす勢い。
物語。
1945年4月、終戦まであとわずかの頃、ドイツ軍が文字通りの総力戦で最後の徹底抗戦を繰り広げていたヨーロッパ戦線。
戦況を優位に進める連合軍も、ドイツ軍の捨身の反転攻勢に苦しんでいた。
歴戦の戦車乗りでウォーダディの通り名を持つドン・コリアー軍曹は、長年、命を共にしてきた部下とドイツを愛車のシャーマン戦車“フューリー号”で進軍中に、副操縦手を失った。
代わりに来たのは、戦闘経験ゼロの新兵ノーマンが配属されてくる。
ろくに訓練も受けていない若造ノーマンは、戦場の極限状況にただただ圧倒されるばかり。
ウォーダディーはひよっこノーマンを手荒く、使えるように仕込もうとするが・・。
出演。
ウォーダディーことドン・コリアーに、ブラッド・ピット。
一筋縄ではいかない、戦争にまみれた軍曹を熱演。
タイピストの新兵ノーマン・エリソンに、ローガン・ラーマン。
バイブルこと元牧師のボイド・スワンに、シャイア・ラブーフ。
そのキャリアの中でも最高の演技を見せている。
ゴルドことトリニ・ガルシアに、マイケル・ペーニャ。
彼に当て書きされた役だけに、あまり描かれない連合軍のメキシコ人兵士を体現している。
クーンアスことグレイディ・トラビスに、ジョン・バーンサル。
独特に戦争ズレした男に命を吹き込んでいる。
ワゴナー大尉に、ジェイソン・アイザックス。
マイルス軍曹に、スコット・イーストウッド。
ほかに、ジム・パラック、ブラッド・ウィリアム・ヘンケ、ケヴィン・ヴァンス、ゼイヴィア・サミュエル 、アナマリア・マリンカ、アリシア・フォン・リットベルクなど。
撮影は、ローマン・ヴァシャノフ。
エアー監督の懐型で、得意のドキュメンタリータッチにはせず、どっしりとした画面を作っている。
義理着rの明かりながら暗すぎない画面作り、狭い戦車内の撮影が素晴らしい。
プロダクションデザインは、アンドリュー・メンジース。
衣装デザインは、オーウェン・ソーントン。
徹底的なリアリズム。
さすがに、できないところや映画的誇張や省略はあれど、始めているような描写や小道具乗リアリティには
脱帽。
まさに歴史的な価値さえ醸し出している。
ティーガー戦車は実働する最後の一台だそう。
シャーマン戦車ももちろん実働する本物。
編集は、ドディ・ドーンとジェイ・キャシディ。
音楽は、スティーヴン・プライス。
トラディショナル曲を多数用いて、当時の雰囲気を醸成している。
いわば戦車版『プライベート・ライアン』。
宣伝している5人VS300人の戦いは案外に地味だが、中盤のティーガー戦車との対決は見もの。
これ見たら、素直に戦争行きたくねぇーって気になります。
愛と人道は欠片程度の戦争の残酷さをリアリティたっぷりに血肉まみれで描く秀作。
おまけ。
とにかく、リアリズムにこだわるエアー節が炸裂しており、弾の使い分けや曳光弾の描写、肉片、戦争時の行動などの徹底は見事。
キャッチコピーは「1945年4月―― たった5人で、300人のドイツ軍に挑んだ男たち。」
上映時間は、135分。
実は、ハリウッド映画ではなく、イギリス製。
ブラッド・ピットは製作者としても、腕を発揮しており、昨年は製作した『それでも夜は明ける』で米アカデミー賞を受賞している。
今作でも共同で製作総指揮に名を連ねている。
映画解釈の高さは、仲間のジョージ・クルーニーやマット・デイモン、スティブンソダーバグとの切磋琢磨で身に付いたのか、実に高い。
だが、娯楽映画的な部分は『ワールド・ウォーZ』の撮影済のシーンをカットするなど、意外と切り捨てる傾向がある。
今作でも、その傾向はある。
劇中のセリフ「理想は平和だが、歴史は残酷だ」はブラッド・ピットのアドリブだそう。
ネタバレ。
町で捕虜にしたドイツ将校を撃つのは、正式な軍服を身につけていない軍人はスパイや偽装などの可能性があるので、緊急の対応をしてもよい(つまり、撃ってもしょうがない)という規定がある。
ゆえに、コートについての会話がある。
ちゃんと、弾ごとに爆発描写が違う。
遅延の炸裂弾を地面に向けて撃ち、空中で破裂させるなどの技も初めて見た。
曳光弾は5発に一発なので、あのような感じになる、湾岸戦争などでも見られたが、色は少なかったし、昼間にあんなに見えるのかな?
火薬の質が悪いので、あんなにカラフルなのか?
軍によって、色分けしてるのかしら?
リアルを言い出すと、これでもまだ怪しいところはあるようです。
例えば、ドイツの重戦車は補給及び整備隊と一緒でないと行動が厳しいはずだが、単独ではぐれたように現れて、しかも、攻撃してくる。
戦争中なのでないとは言えないが。
ドイツ側も特攻気味だったのかもしれない。