Monkey-ATAX

北米に生息する伝説の獣人 ビッグフット を追い求め、いろいろ活動しています。

ルシファー・エフェクト 普通の人が悪魔に変わるとき

2015-09-21 09:55:21 | 

 

ルシファー・エフェクト 普通の人が悪魔に変わるとき

フィリップ・ジンバルドー著

 

「私たちは自分自身をどこまで本当に知っているのか?

過去に経験のない状況におかれたとき、自分がすることやしないことをどこまで自信を持って予測できるのか?

ありふれた普通の人が、悪を容認し、はては積極的にかかわるようになる。

人間性は簡単に喪失され、

他者を人間以下の存在とみなすようになり、

苦痛や拷問や死滅に値するとまで考えるようになる。」

 

普通の人は言われるままに他人にどこまで大きな電気ショックをかけられるのか?

(被験者(サクラ)の悲鳴を聞きながらも65%の普通の人たちは実験の指導者に従い最大の450Vまで上げていった。)

なイエール大のミルグラム実験は有名ですが、これとともに、いかに人間性が簡単に喪失されるかを別の方法で示したスタンフォード大学監獄実験も有名です。

この本の著者はその実験の指導者ジンバルドー教授。

 

「面識のない大学生たち(アルバイト)を無作為に囚人と看守にわけ、見せかけの監獄のなかでしばらく過ごしてもらうとどのように人格が変わるかを研究した。

大雑把に言えば、善良な人間を邪悪な環境において、善と悪のどちらが勝つかを試した。」

普通の同じような人間を対象的な看守と囚人に分けることにより、与えられた役割により人格に影響があるのか?

(ちなみに全員応募時は囚人希望)

な一見よくありそうな実験。

最初は看守も囚人も半笑いで役をこなしてましたが...

・初日の夜から看守役の学生が高圧的になり

・二日目には囚人役が虐待に抗議した暴動が起こり

・三日目で制御不能、囚人役の一人が倒れる

・その後も無理やり続けるも六日目で死人まででそうになり実験中断。(予定は二週間)

 

その一部始終が詳細に書かれています。

指導教授も含めて関係者全員がどんどん壊れていくさまが実に怖いです。

「状況によっては、そこに生じる何らかの力が、個人の抵抗を封じ込めかねない。」

 

最近タイムリーに、この実験の再現ドキュメント映画が公開されましたのでトレーラー添付します。

The Stanford Prison Experiment Official Trailer #1 (2015) Ezra Miller Thriller Movie HD

 

最悪な結果となった実験でしたが

その30年後

恐ろしいほどよく似た場況が再現されます。

 

本書の後半は イラクのアブクレイブ刑務所 についてです。

全裸人間ピラミッドの横で笑顔な兵士の写真が有名ですが

本書に詳細に書かれている内容は、もう虐待を通り越したリアル・サイレントヒル...

しかも アブクレイブはたまたま画像が流出したので明るみにでただけで、氷山の一角

しかも現在も進行中

 

頭に袋をかぶらされた囚人。裸体。性的屈辱を味わされるゲーム...

著者はアブクレイブの画像を最初に見たとき自身のスタンフォード実験の最悪の場面をまざまざと思い出しました。

 

著者は監獄虐待のスペシャリストとしてアブクレイブの看守達の裁判にかかわることになります。

で 最も厳しい判決受けた看守のチップ・フレデリックと長期間にわたり交流。

彼はどんな人物であるのかを科学的に調査。

結果

ごく普通の家庭人...

 

昔ポーランドで何百万人もの人が殺されたときも (若い男性達は最前線で戦闘中なため) その主役となったのはごく普通の家族もちの(予備役)おじさんたち。

最近いろいろ きなくさい国内・世界情勢

いつか自分が笑顔で毒ガス注入のスイッチを押す日がくるかもしれない...

ホラー小説を読むよりずっと背筋が凍ります。