物部の森

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日記風に書いてます。

経済に対する「嗅覚」を高めよう

2008年09月23日 | Weblog
 今回のアメリカの金融危機は、“プライムでない”層に無理な融資を行い、サブプライムローン返済の延滞率が上昇し、住宅バブルがはじけ、これを組み入れた金融商品の劣化をきっかけに発生した。
 結局、「値ごろ感」や「実態」を超えてモノや金融商品が動いているときというのは、ろくなことがない。適切な需給バランスやその価値を超えて、どこかで無理が生じている。大切なのは、そのような状況に対して「ちょっと変やな?」と感じ取れる嗅覚だと思う。(内田樹先生は自身のブログで、「金融危機の兆候は、ふつう『どうしてこんな奴が威張っていられるのかわからない奴が威張っている』というかたちで検出できる」と述べておられた。鋭い!)
 昔から「住宅ローンの借入額限度は年収の4倍くらいが目安」という。「うん、なんかそれくらいの感じ」と思える。実際に金利3.5%で30年の返済期間だと返済額は収入の25%くらいに収まるそうだ。まずまず生活を圧迫せずにやっていけるレベルである。計算上も理にかなっているわけだ。逆にそれ以上のローン設定をしなければならないのなら、その物件は、分不相応か、「値ごろ感」を超えているのである。
 原油価格も1バレル120$なんていうのは「値ごろ感」を逸脱している。ある専門家が「現在の需給状況からすると50$くらいが妥当」ということを言ってたが、感覚的にはそれくらいじゃないか。
 数年前、ライブドア社の株価が、ホリエモンの派手なメディア露出にあおられて高騰したが、そもそも同社の事業内容やポテンシャルを正確に理解していた人は少なかった。ごく普通にサイト運営やネットワーク構築事業を行っている、たかだか資本金数億円のITベンチャー企業が、プロ野球チームの経営に乗り出そうとしたり、大手メディアにM&Aを仕掛ける、などというパフォーマンスに対して、「何かおかしいんとちゃう!?」と疑うべきだったのだ(私は疑う余地もなく単純に「すげ~!」と思っていた・・・(^_^;)。
 ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏が総裁を務めるバングラデシュのグラミン銀行が今年、サブプライム住宅ローン問題に揺れる米国に進出、移民らを対象としたマイクロクレジット(無担保小口融資)に乗り出した。同銀行の規模はメガバンクの1000分の1程度。しかし成長意欲のある貧困層に対し、仲間同士の信用をベースに無理のない計画性のある融資を行い、その結果貸し倒れ率を2%程度に抑えている。数年前、このビジネスモデルを初めてきいた時には、「あ~、確かにこういうカタチやったらやっていけるんやろうなあ。」と感じた記憶がある(もちろん自分がそんなことを思い付いて実際に、実施していけるかというとそれは全く別の話だが)。
 もっと経済に対する「嗅覚」を高めること。Don't Think.Feel.である。
 
コメント
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