福田首相辞任表明（続き）

　福田首相の辞任については、「このままでは次期衆議院選挙で戦えないので、国民ウケする麻生幹事長に一旦政権を譲り・・・」というような解説をしているメディアもあるが、そこまで計算してのことだろうか。
　・経済対策、社会保障政策等々解決しなければならない問題が山積。
　・ねじれ国会の状況下で、物事を決めるのに行きつ戻りつする
　・行政改革に対する抵抗感を持つ官僚をコントロールしながら政策を打ち出さないといけない。
　・何より身内である与党も一枚岩ではない（公明党との調整等）
　・内閣改造効果？で一時上がった国民の支持率も再低下。
　内憂外患。そして９月中旬から臨時国会が始まる。中国製毒ギョーザ事件をめぐる政府の隠蔽疑惑や、首相が新たに任命した太田誠一農水相の事務所費問題と、本筋とやや逸れたところで野党が追及に手ぐすねを引いている。
　そんな中、自身はプッツンきて政局を投げ出してしまい、国民には暗澹たる気持ちが残る。辞任会見を見ながらとっさに浮かんだ言葉が「自爆テロ」である。
　調整型リーダーシップは物事を決定・実行していくのに時間を要する。現在のような局面だと、少し豪腕であっても、改革型リーダーシップが適用されるべきである。野党第一党に、永い政治キャリアの中で、いまだかつて一度も自身が前面に出たことのない豪腕型リーダーと思しき方がいらっしゃるが（一度やってもらってもいいのでは・・・）。
　巨匠フルトベングラーはかつてこう言った。
「良いオーケストラと悪いオーケストラがあるのではない。良い指揮者と悪い指揮者がいるだけだ。」