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【冥王星系探査】冥王星の衛星ハイドラは、じゃがいも型

2015年08月05日 | 冥王星の探査
今回は衛星ハイドラのおはなし。

画像はNASAが公開した
探査機“ニューホライズンズ”が撮影した冥王星の衛星ハイドラ。
姿を現した衛星ハイドラ

ハイドラは、2005年5月にハッブル宇宙望遠鏡によって、
衛星ニクスと共に発見されました。

ハイドラもニクスも小さい星で、
これまで、その正確な姿かたちは明らかになっていませんでした。

この画像は、ハイドラから約64万キロ離れたところから撮影されたもので、
不鮮明ながらも、ジャガイモのような形をしていることや、
明るい領域と暗い領域があることが確認できます。

画像の1ピクセルは約3キロに相当し、
この写真から横の長さは約43キロ、縦は約33キロほど、
また、暗い領域は直径10キロほどと推定されています。

同じ冥王星の衛星カロンと同じように、
ハイドラもまた水氷によって構成されていると考えられています。

とりあえず“ニューホライズンズ”は、
ハイドラの基本的な物理的特性を明らかにできたと言えます。

これから届くであろう多くの画像によって、
ハイドラのさらに鮮明な姿をみることができることを期待しましょう。


こちらの記事もどうぞ ⇒ 【冥王星探査】カロンは若く変化に富んだ地形を持つ衛星

日食を利用して分かった、太陽光がオゾンに与える影響

2015年08月05日 | 宇宙 space
太陽の明るさの変化は、
地球大気中のオゾンに、どのような影響を与えるのでしょうか?

今回の研究では、“SMILES”で観測した日食時のデータを分析して、
太陽の明るさの変化が、地球大気中のオゾン量に、どのような影響を与えるのかを
調べています。

オゾン生成や破壊を知るうえで重要な成果になったようです。


日食の利用は太陽光の影響だけを知るため

国際宇宙ステーションには、
超電導サブミリ波リム放射サウンダ“SMILES”という装置が、
搭載されています。

研究チームは、この“SMILES”による高精度な観測データを利用して、
2010年1月15日に起こった日食時のオゾン量の変化を調査しています。
“SMILES”の観測のようす。
矢印は観測が進む方向で、点は“SMILES”の観測点。
色は高度64キロ(中間圏)でのオゾン混合比を示している。

すると、月の影で暗くなっている地域では、
明るい地域に比べて、中間圏のオゾン量が多くなっていること、
またその変化の様子は、
地表からの高度によって異なっていることが分かります。

大気中のオゾン量は様々な要因で決まります。

なので、日食を利用することで、
太陽の明るさの変化という要因だけの影響を示すことができた、この観測研究は、
重要な成果と言えるんですねー

オゾン量を決める他の要因についても、調査は進められています。

大気中のオゾン生成と破壊のメカニズムの解明が進めば、
減少した大気中のオゾン量の回復時期についても分かってくるはずです。

今後“SMILES”のデータ解析を進めることで、
正確な予想ができるようになると期待されるんですねー
地球の大気構造と典型的なオゾン量(オゾン混合比)の高度分布。