宇宙のはなしと、ときどきツーリング

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ユナイテッド・ローンチ・アライアンスが2機目の“シグナス”補給船の打ち上げを受注

2015年08月21日 | 宇宙へ!(民間企業の挑戦)
ユナイテッド・ローンチ・アライアンス社が、
オービタルATK社から、2機目となる“シグナス”補給船の打ち上げを、
受注したそうです。

ユナイテッド・ローンチ・アライアンス社が運用する“アトラスV”ロケットを使って、
2016年の打ち上げが予定されています。
アトラスVロケット


“アンタレス”から“アトラスV”へ

オービタルATK社は、
自社が開発した“アンタレス”ロケットと“シグナス”補給船を使い、
国際宇宙ステーションに物資を補給するミッションを担っていました。

でも、2014年10月28日に“アンタレス”が打ち上げに失敗し、
“シグナス”補給船運用3号機が失われるという事故が発生…

原因調査とロケットの改良を行うため、
“アンタレス”の打ち上げが出来ない期間が生じることになります。

そこで、オービタルATK社は、
次の“シグナス”補給船運用4号機の打ち上げを、
ユナイテッド・ローンチ・アライアンス社の“アトラスV”に委託することを決定。

2014年12月に契約を交わし、打ち上げは今年の12月前半に予定されています。


“アンタレス”も“シグナス”も改良型へ

“アトラスV”は“アンタレス”よりも打ち上げ能力が大きいので、
より多くの補給物資を運べるようになります。

また“シグナス”補給船も、
この運用4号機から機体を大きくした改良型“エンハンスド・シグナス”となり、
より多くの物資を積み込むことができるようになります。

2000キロの搭載能力が、改良型では3500キロまで搭載できるそうです。
従来型のシグナス補給船

なお、オービタルATK社では、
事故の原因と見られているロケット・エンジンを別のものに換装した、
改良型“アンタレス”の開発を続けています。

2016年に打ち上げ予定になっている改良型“アンタレス”は、
従来型よりも打ち上げ能力が向上するので、
“アトラスV”とほぼ同等の物資を運べるそうです。

オービタルATK社では2016年中に、
改良型“アンタレス”による改良型“シグナス”の打ち上げを2~3機、
“アトラスV”による改良型“シグナス”の打ち上げを1機、
計画してるそうです。


こちらの記事もどうぞ ⇒ 改良型アンタレス・ロケットは、2016年3月1日の打ち上げへ

楕円銀河では星形成がコントロールされている?

2015年08月21日 | 宇宙 space
巨大楕円銀河の中心プラックホールから噴出するジェットに沿った、
高温で青い星の集団がとらえられました。

これにより、ブラックホールとジェット、そして星々とが織りなす、
星形成のユニークなプロセスが明らかになってきたんですねー
ハッブル宇宙望遠鏡が遠紫外線で観測した
楕円銀河“MAC J1931”と“MAC J1532”の中心ガスの密度(上段)。
コンピュータシミュレーションの結果(下段)。


星形成はコントロールされている

一般的に楕円銀河では、
星の材料になるガスが大量にあったとしても、
新しい星の形成は、あまり活発ではありません。

今回の研究では、
ハッブル宇宙望遠鏡をはじめとする天文衛星や、
地上の望遠鏡を用いた観測とシミュレーションを用いています。

その結果、
楕円銀河の中心ブラックホールと、そこから噴出するジェットが、
星形成をコントロールしている様子が見えてきたんですねー

ミシガン大学の研究チームは、遠方の楕円銀河を観測。
一部の銀河で星形成が起こっている様子をとらえました。

また、エール大学の研究チームは、
中心で星が誕生している近傍の楕円銀河を観測。

いずれの場合も、
星形成はフィラメント状や塊状の分布が見られています。

新しく生まれた星は、
楕円銀河の中心ブラックホールから噴出するジェットに沿って分布しているので、
これらの間には関連があると見られています。

さらに、ブラックホールとジェット、新しく誕生した星は、
全体で1つの“自己制御”サイクルを作り上げているようなんですねー

ジェットの活動によって、ガスが銀河の外の方へと運ばれると、
一部のガスが冷えて星が生まれ、残りのガスは暖められます。

このとき、冷えすぎるとジェットがより協力になるため、
温度が上がって星形成が弱くなり、ジェットが強くなりすぎると、
プラックホールに落ちてエネルギーを生み出すガスが減るので温度が下がることになります。

こうしたサイクルのバランスによって、
楕円銀河では、爆発的な星形成が起こらないようです。


こちらの記事もどうぞ ⇒ ティーカップの中のブラックホール嵐