すばる望遠鏡アーカイブデータの解析から、
かみのけ座銀河団の中に、854個もの“超暗黒銀河”が発見されました。
これにより銀河団内での超暗黒銀河の分布や、
銀河の中にある星の種族が明らかになってきたんですねー
星を作るのをやめた銀河
国立天文台ハワイ観測所では、
1999年の観測開始から、すばる望遠鏡で得られた全ての観測データを保管し、
観測後1年半以上経ったデータは全て公開しています。
今回の研究では、そのアーカイブデータの中から、
かみのけ座銀河団中に854個もの“超暗黒銀河”を発見しています。
“超暗黒銀河”は、
星の光だけ見ると天の川銀河の1000分の1しかありません。
にもかかわらず、
大きさは天の川銀河と同程度にまで広がっている、
ひじょうに淡い銀河なんですねー
光で見える物質の質量は、
宇宙の平均と比較しても極端に低い、わずか1%以下…
その理由は、銀河形成後に何らかの形で星の材料になるガスが失われ、
星を作るのをやめてしまった結果だと考えられています。
“超暗黒銀河”が銀河団に特に多く存在するのは、
ガスが失われた原因が、銀河団が持つ特有の環境にあるのかもしれません。
銀河形成の研究に重要な天体
銀河内部の星の分布や色を測定した結果、
“超暗黒銀河”は古い天体だと分かります。
さらに、銀河団内での“超暗黒銀河”の分布は、
他の銀河と同じように中心に集中していました。
なので“超暗黒銀河”は、
銀河団内に古くから存在していたのかもしれません。
“超暗黒銀河”の大量発見は、銀河形成の研究に重要な天体になると期待され、
「お宝発掘」として世界中の研究者の注目を集めています。
今後は、分光観測によって星形成の歴史を研究し、
“超暗黒銀河”の形成過程を探っていくそうです。
また、“超暗黒銀河”中で99%以上を占める暗黒物質の分布は、
銀河内の星の運動を測定して探ることができます。
でも、“超暗黒銀河”は淡く広がっているので、
すばる望遠鏡をもってしても、星の運動の観測はひじょうに難しくなります。
日本など5か国の協力で建設が始まっている
世界最大級の直径30メートル巨大光学望遠鏡。
この次世代超大型望遠鏡TMTに大きな期待がかかりますね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 世界最大級の巨大望遠鏡をハワイに建設!
かみのけ座銀河団の中に、854個もの“超暗黒銀河”が発見されました。
これにより銀河団内での超暗黒銀河の分布や、
銀河の中にある星の種族が明らかになってきたんですねー
星を作るのをやめた銀河
国立天文台ハワイ観測所では、
1999年の観測開始から、すばる望遠鏡で得られた全ての観測データを保管し、
観測後1年半以上経ったデータは全て公開しています。
今回の研究では、そのアーカイブデータの中から、
かみのけ座銀河団中に854個もの“超暗黒銀河”を発見しています。
かみのけ座銀河団の中心付近。 すばる望遠鏡によるB、R、iバンド画像を合成した擬似カラー画像。 黄色の丸は、昨年末に見つかった47個の“超暗黒銀河”のうちの2つ、 緑色の丸は、すばる望遠鏡アーカイブデータから発見された“超暗黒銀河”。 |
“超暗黒銀河”は、
星の光だけ見ると天の川銀河の1000分の1しかありません。
にもかかわらず、
大きさは天の川銀河と同程度にまで広がっている、
ひじょうに淡い銀河なんですねー
光で見える物質の質量は、
宇宙の平均と比較しても極端に低い、わずか1%以下…
その理由は、銀河形成後に何らかの形で星の材料になるガスが失われ、
星を作るのをやめてしまった結果だと考えられています。
“超暗黒銀河”が銀河団に特に多く存在するのは、
ガスが失われた原因が、銀河団が持つ特有の環境にあるのかもしれません。
銀河形成の研究に重要な天体
銀河内部の星の分布や色を測定した結果、
“超暗黒銀河”は古い天体だと分かります。
さらに、銀河団内での“超暗黒銀河”の分布は、
他の銀河と同じように中心に集中していました。
なので“超暗黒銀河”は、
銀河団内に古くから存在していたのかもしれません。
(左)すばる望遠鏡の観測領域。水色の領域が1枚目画像の範囲。 (右)青と黒の丸は、今回の研究で見つかった“超暗黒銀河”。 (青は特別に大きいサイズのもの) 赤い×印は、昨年初めて発見された47個の“超暗黒銀河”。 |
“超暗黒銀河”の大量発見は、銀河形成の研究に重要な天体になると期待され、
「お宝発掘」として世界中の研究者の注目を集めています。
今後は、分光観測によって星形成の歴史を研究し、
“超暗黒銀河”の形成過程を探っていくそうです。
また、“超暗黒銀河”中で99%以上を占める暗黒物質の分布は、
銀河内の星の運動を測定して探ることができます。
でも、“超暗黒銀河”は淡く広がっているので、
すばる望遠鏡をもってしても、星の運動の観測はひじょうに難しくなります。
日本など5か国の協力で建設が始まっている
世界最大級の直径30メートル巨大光学望遠鏡。
この次世代超大型望遠鏡TMTに大きな期待がかかりますね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 世界最大級の巨大望遠鏡をハワイに建設!