今回公開された冥王星のクローズアップ画像は、
“ハート模様”の西に位置するスプートニク平原。
ここに見られる様々な地形が詳細にとらえられていて、
なかでも興味深いのは、広範囲を覆う窒素の氷河(氷床)の流れた跡です。
地球の氷河と同様に、今も流れているのかもしれないんですねー
氷河は今も流れている
スプートニク平原は、
窒素だけでなく一酸化炭素やメタンの氷も豊富なようです。
“ハート模様”の一番南には、古いクレーターの多いクトゥルフ領域があり、
暗いこの領域に新しい氷が押し寄せているように見えています。
中央やや下には、氷で埋められたらしいクレーターもあります。
色を強調した画像からは、表面のようすや組成の違いも分かってきています。
赤道上に最も暗い地形があり、
中緯度地方は中間色、北極領域は氷が広がっていて明るく見えているんですねー
おそらく、季節の移り変わりと共に、
氷が赤道から極域へと運ばれるためだと考えられます。
冥王星の右下に沿うように、北東から南西へと伸びる青白っぽい地形には、
スプートニク領域から氷が運ばれているのかもしれません。
メタンが分解されて霧になる
“ニューホライズンズ”は光が当たる面だけでなく、
暗闇側からの観測でも印象的な画像を届けてくれています。
冥王星最接近から7時間後に“ニューホライズンズ”は、
冥王星を振り返り、周囲の大気を通り抜けた太陽光が作り出したリングを、
とらえました。
そして画像の初期分析から、大気中の高度約80キロと約50キロに、
2層の“霧(もや)”が存在していることが分かります。
霧は、冥王星を赤っぽく見せている炭化水素化合物を作る上で、
カギになる要素です。
モデル計算からは、
太陽の紫外線がメタンを分解すると、霧が形成されることが示唆されています。
メタンの分解から、
冥王星の大気中に見つかっている、エチレンやアセチレンなどの形成が引き起こされ、
大気中でより低温の層へと落ちていくと霧ができるようです。
紫外線は、さらに霧を赤茶色のソリンに変化させることになり、
これが冥王星の色として見えているんですねー
一方、これまでの計算では、
冥王星の上空30キロ以上は温度が高く、霧は発生しないと考えられてきました。
冥王星で何が起こっているを理解するには、
別の新しい考え方が必要なのかもしれませんね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 【冥王星探査】衛星ニクスとハイドラはサイズは同じでも多くの違いがある
“ハート模様”の西に位置するスプートニク平原。
ここに見られる様々な地形が詳細にとらえられていて、
なかでも興味深いのは、広範囲を覆う窒素の氷河(氷床)の流れた跡です。
地球の氷河と同様に、今も流れているのかもしれないんですねー
スプートニク平原周辺に見られる地形。 多角形の地形、窒素の氷河、クレーターの多い領域が見える。 |
氷河は今も流れている
スプートニク平原は、
窒素だけでなく一酸化炭素やメタンの氷も豊富なようです。
“ハート模様”の一番南には、古いクレーターの多いクトゥルフ領域があり、
暗いこの領域に新しい氷が押し寄せているように見えています。
中央やや下には、氷で埋められたらしいクレーターもあります。
クトゥルフ領域とスプートニク平原周辺に見られる地形。 スプートニク平原とクトゥルフ領域の間の山々はヒラリー山地と呼ばれている。 |
色を強調した画像からは、表面のようすや組成の違いも分かってきています。
赤道上に最も暗い地形があり、
中緯度地方は中間色、北極領域は氷が広がっていて明るく見えているんですねー
おそらく、季節の移り変わりと共に、
氷が赤道から極域へと運ばれるためだと考えられます。
冥王星の疑似カラー画像。 “Lorri”による高解像度データと“Ralph”によるカラーデータを合成している。 |
冥王星の右下に沿うように、北東から南西へと伸びる青白っぽい地形には、
スプートニク領域から氷が運ばれているのかもしれません。
メタンが分解されて霧になる
“ニューホライズンズ”は光が当たる面だけでなく、
暗闇側からの観測でも印象的な画像を届けてくれています。
冥王星最接近から7時間後に“ニューホライズンズ”は、
冥王星を振り返り、周囲の大気を通り抜けた太陽光が作り出したリングを、
とらえました。
冥王星のシルエットと大気のリング |
そして画像の初期分析から、大気中の高度約80キロと約50キロに、
2層の“霧(もや)”が存在していることが分かります。
霧は、冥王星を赤っぽく見せている炭化水素化合物を作る上で、
カギになる要素です。
モデル計算からは、
太陽の紫外線がメタンを分解すると、霧が形成されることが示唆されています。
メタンの分解から、
冥王星の大気中に見つかっている、エチレンやアセチレンなどの形成が引き起こされ、
大気中でより低温の層へと落ちていくと霧ができるようです。
紫外線は、さらに霧を赤茶色のソリンに変化させることになり、
これが冥王星の色として見えているんですねー
一方、これまでの計算では、
冥王星の上空30キロ以上は温度が高く、霧は発生しないと考えられてきました。
冥王星で何が起こっているを理解するには、
別の新しい考え方が必要なのかもしれませんね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 【冥王星探査】衛星ニクスとハイドラはサイズは同じでも多くの違いがある