トランクルーム事業を大阪で始めてからすでに3年が経ちました。
これまで何度か記事としてまとめようとはしたことがあったのですが、FC契約のため、どこまで開示してよいのか悩んだりしたこともあり、今日にいたりました。
トランクルーム事業とは簡単に言うと、物置を人に貸して家賃収入を得る、というものです。また、そのタイプには、大きく分けて野外タイプと屋内タイプの2種類あります。
世界的にみると、すでに40年前から始まった米国では10世帯に1室、20年前から始まったイギリスでは100世帯に1室の利用があるようです。日本ではまだ10年余りしか経過していません。そのためか、現状は300世帯に1室程度の利用にとどまっています。
そして、米国では40年間常に成長を続けていることから、日本でも今後の成長が期待されているようです。
でも、それほど巷でトランクルームという言葉は聞かないので本当に日本でもその利用が根付くのかちょっとわかりませんが。
さて、私が取り組んでいるのは屋内タイプのトランクルームです。これは、ビルの1フロアを貸し切り、30くらいのパーティションに分け、それぞれを個人や会社に貸し出しています。実際の設置・運営はすべて、ある企業に全面的に委託しています。私が普段行っていることと言えば、委託企業から毎月振り込まれる入金確認と、ビルオーナーへの家賃支払い、光熱費支払いくらいです。
トランクルームのパーティションサイズは0.5帖から6帖あり、賃料は毎月0.3~3.6万円です。
サイズ | 単価(税込) | 部屋数 | 合計額 |
A | \3,024 | 1 | \3,024 |
B | \4,320 | 3 | \12,960 |
C | \5,940 | 5 | \29,700 |
D | \6,480 | 1 | \6,480 |
E | \7,992 | 4 | \31,968 |
F | \8,640 | 2 | \17,280 |
G | \9,720 | 5 | \48,600 |
H | \10,800 | 1 | \10,800 |
I | \12,960 | 1 | \12,960 |
J | \15,120 | 2 | \30,240 |
K | \17,280 | 1 | \17,280 |
L | \17,712 | 2 | \35,424 |
M | \19,440 | 1 | \19,440 |
N | \35,856 | 1 | \35,856 |
合計 | 30 | \312,012 |
初期投資額は470万円でした。
さて、まず稼働率の推移は以下の通りです。
横軸は、月数です。縦軸は、契約数ベースおよび賃料ベースの稼働率です。
契約数ベースの稼働率とは、契約数÷全部屋数です。具体的には、30室のうちどれくらいの割合が借りられているのか。
賃料ベースの稼働率とは、家賃収入÷最大家賃です。最大家賃とは、設定された家賃ですべての部屋が契約できた場合の家賃であり、31.2万円です。
実際には、キャンペーン価格が適用されたりすることも多いため、家賃は当初の設定金額よりも下がります。そのため、賃料ベースの稼働率が契約数ベースの稼働率よりも低くなっています。
最初の1年間は伸びていますが、2年目はほぼ横ばい。3年目から再度伸び始め、4年目で契約ベースの稼働率が9割ほどになりました。
当初の事業計画では1年後には契約ベースの稼働率が9割に達するというものでしたが、実際には3年もかかりました。
3年目から再度増加し始めたのはおそらく新たな値引きキャンペーンの効果が高いと思います。(ここはFC契約のため具体的には書けません。すいません。)
そのため、契約ベースの稼働率と賃料ベースの稼働率がさらに乖離しています。
なお、毎月のビルオーナーへの家賃支払をトランクルームの家賃収入が上回るには賃料ベースの稼働率が40%を超えなくてはいけません。それは3年目に入ってから達成しています。つまり、3年目でようやく毎月のCFがプラスになった、ということです。
それを示したのが、下のCFの推移です。
棒グラフは、毎月のCF(=トランクルームの家賃収入 - ビルオーナーへの家賃支払)です。
ようやく3年目(24ヵ月を過ぎたころ)に入ってからプラスになっていることがわかります。
曲線は、毎月のCFを積算したグラフです。当初はずっと赤字続きであり、3年目の最初のころでは、赤字が90万円ぐらいにまで膨れました。そこからようやくCFがプラスとなったことで、積算CFは増加に転じ、つい2か月前にようやく積算CFがプラスになりました。
これでようやくスタート地点に立ったという感じですね。これから、当初の投資金額の回収が始まります。
毎月CF=10万円とすれば、およそ4年後には当初の投資金額470万円の回収が終わるわけです。ビジネスをスタートしてから7年後にすべて回収できる、ということになります。利回りで考えると、10万円*12ヵ月/470万円 = 25.5% です。
不動産とくらべて、設備メンテナンスがかかるわけではないので、このままの調子でいけば、悪くはない事業です。ただ、毎月のCFがプラスになるまでが精神的にもきついですね。
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