わたしはアンの物語の中で、この古いじゅうたん地のカバンを抱えて、ブライトリヴァー駅のホームで迎えがくるのを待っている場面がいちばん好きです。
窮屈そうな交織地の服を着て、色あせたセーラー帽をかぶり、際立って赤い髪を三編みにし、青白くて小さな顔にはそばかすが散っている。この時のアンの姿は、わたしの思い描くアンそのものなんですもの。
「遅くなってすまなかったね」マシューは恥ずかしそうに言った。「さあ、おいで。カバンを持ってあげようかい」 女の子は元気よく答えた。「少しも重くないの。この世での全財産が入っているのだけれど、それでも重くないんです。それにうまく持たないと取っ手が外れてしまうんです。こつがいるから自分で持ったほうがいいの。本当に古いカバンなんです。
窮屈そうな交織地の服を着て、色あせたセーラー帽をかぶり、際立って赤い髪を三編みにし、青白くて小さな顔にはそばかすが散っている。この時のアンの姿は、わたしの思い描くアンそのものなんですもの。
「遅くなってすまなかったね」マシューは恥ずかしそうに言った。「さあ、おいで。カバンを持ってあげようかい」 女の子は元気よく答えた。「少しも重くないの。この世での全財産が入っているのだけれど、それでも重くないんです。それにうまく持たないと取っ手が外れてしまうんです。こつがいるから自分で持ったほうがいいの。本当に古いカバンなんです。