私は、とある韓国と交流する市民団体で、事務方の末席におりまして、文書など作成を依頼されますが、それには当然韓国の人名や地名が文章中に出てきます。しかしながら私、この漢字が見るのもイヤなんですね。理由は「読めないから」。
この団体、比較的年齢層が高く、私なぞまだ若手です。若手・・・つまり高齢者との間には一種の文化の壁なんぞがありまして、皆さん漢字で書かれていても平気なんだそうですね。いや親しみを感じるのだそうで、私にはその心境、信じられません。しかしもっと驚きは、私と似た年代の方も漢字派な方がいらっしゃり、漢字否定派は私ぐらいなものらしい。
ハングル世代と謂われている韓国の方にも漢字読めない方が多い中、私も韓国の漢字は読めません。この「読めない」というのは、「韓国語として読めない」という意味でして、いくつかの漢字は日本語でも使われており、単漢字としては読めます。しかし漢字単体で読めてもそれは日本語読み、本来のお名前はいくら漢字を見ていても音が出てきません。
そしてもっと厄介なのは、私が知らない、いかにも韓国らしい漢字。私が元々の漢字能力が高くない理由もありますけど、こんな漢字が出てきますと、もう拒否感丸出し。手書きの原稿のタイプ打ちを引き受けていますけど、読みから漢字変換できずイライラ、原稿書いた方に
「喧嘩売ってンのか!」
と思いたくなるほど(笑)。それほどまでに韓国の漢字は苦手です。
韓国での漢字というのは、さながら日本で昔、「万葉がな」があったように「漢字は過去の文字」という認識です。しかしホンの半世紀ともう少し前までは漢字が主流でしたので、その時代の文書を読むには漢字の能力が必要とされています。そこで韓国でも再び漢字教育がなされているそうで、その報道を見たある日本人、「やっぱり韓国も漢字だよね~」だって。ちなみにかの市民団体です。
我が国には漢字とひらがなとカタカナがあります。カタカナは擬音の表記のほか、外国の地名・人名を表記するにも用いられます。そうです、韓国も外国です。地名・人名はカタカナで表記せねばなりません。そうして頂ければ、文章中に表れる人のお名前が読めます。でもそれが嫌だと感じられる方が結構いるんだそうで、「漢字だと親しめるけどカタカナでは親しめない」。これもかの市民団体です。
日本と韓国と中国。いずれも漢字文化圏です。漢の時代に出来た文字で漢字。発祥は中国のものですけど、日本へ、そして韓国へ伝わって1000年以上を遥かに。この間にメイドインチャイナの文字は着実にその土地の文字に変わって行きました。ですので同じ漢字の文字でも意味するところは違ってきます。また書体も徐々に変わってきていますし、少なくともこの三つの国の共通な文字にはなり得ません。よく「筆談で通ずる」と言われていますけど、それは一部の読み方だけで、日本には大陸から伝わる時代の違いで三通りの読み方がある漢字もありますし、それに加えて訓読みという邦語の意味を帯びさせた漢字もあって、日本で使われている漢字は、文字自体の発祥は中国であっても、それは日本の文字、或いは韓国の(旧い)文字と言ってもいいと思います。
私思うのですけど、この日本人(の多く)が行っている、韓国の人名や地名を漢字で書かれた文字で理解すること、これ止めた方がいいと思います。漢字で書かれた・・・つまり日本的な目で見てしまうのでは。読み方もかつてやっていた「日本語読み」になったりしませんかねぇ。やはりここは韓国も一つの外国、人名も地名もカタカナで表記する事に慣れたほうがいいと思います。ちなみに私が書く文章は地名・人名は全てカタカナ表記です。
もっとも私個人的にはハングルが読めますので(意味が分らない事もあるが)、カタカナよりはハングルの方が遥かに楽です。しかしこのハングル、あの形状から韓国語学習者にも「親しめない」と仰る方がいるんです。親しめる親しめないは個人的な感情ですので否定はしませんが、なんだかなぁ~。
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