mitakeつれづれなる抄

普段いろいろ見聞き感じ考え、そして出かけた先で気になることを書き綴ったブログです。

科学は結論ありきではない

2016年05月25日 | 気象・自然など
 このところ、弊ブログのアクセス数が上がっているようです。管理画面によれば、「サミット 迷惑」での検索キーワードでアクセスされるのが多く、迷惑に感じている方が結構いらっしゃるようです。ちなみにYahooで「サミット 迷惑」で検索すると、弊ブログの2月の記事が先頭にヒットします。

 と、いう前置きはともかく、昨日、CBCテレビのゴゴスマを少し見ていたら、STAP論文の発表・撤回等々で、世間様お騒がせ(とされた)O女史と天台宗の瀬戸内寂聴さんとが、週刊誌上において対談されたそうで、その記事写真からあれこれ話している場面を見ました。
 相変わらず、批判の延長線上にある出演者の中で、中部大学の科学者教授だけが持論をそのまま展開し、O女史は悪くないの説を展開。
 その学者先生の言うには、論文というものは完全なものではないので、誤りが多々ある。優秀な科学研究者を失った(一人は死亡)のは、わが国科学の研究で非常に大きな損失、との論。
 他の普通の出演者は、この論が理解できずに、相変わらず、STAP細胞があるのか無いのか、にこだわられ、、私は「あぁ、そんなものですね」と思ってみていた次第。

 少し前に、こんなニュースがありました。米国の研究でSTAP細胞を作り出せた、という報道がありました。
 検索したら、こんな記事。STAP現象、米国研究者Gが発表…小保方晴子氏の研究が正しかったことが証明

 また理研から、ES細胞が盗まれている、との告発を受けていた神戸地検は、18日に、窃盗自体が疑わしい、との理由で不起訴処分としました。
 毎日新聞記事:理研ES細胞窃盗 神戸地検が不起訴「事件自体疑わしい」

 O女史著の「あの日」は読んでいませんが、一宮市図書館に論文捏造に関する資料(書籍)があり、借りて読んでみました。
 すみません、この著書名も著者も覚えておりませんが、記号番号に「T」が付いていましたし6階の書棚で発見した記憶なので、新書版だと思いますが、蔵書検索でなかなかヒットしません。

 その著書の中に書かれていたことは、STAP現象はいうなれば分業制みたいなもので、O女史が担当するのは途中まで。
 その先の細胞に関わる作業は、W教授の仕事なのですが、O女史によればこの細胞に関わる作業手順を教えてもらえず、結果的にSTAP細胞再現実験は不成功となったそうです。

 私も理系の人間ですので、この辺りはよくわかります。
 つまり科学、自然科学は結論ありきではなく、むしろ考え方のツールを研究する分野であるとされています。
 科学論文も、結論が述べられているのではなく、ある研究者が「こんなことを考えたから、ここで発表するから、後はみんなで宜しくね」といった程度のもので、論文掲載内容が結論ではないものです。

 寂聴さんは、O女史は必ず甦る、とされたそうですが、そうであってほしいものです。

 私は物理の人間ですので、コペルニクスとガリレオの地動説のたとえを出していますが、もっと近世ではダーウィンの進化論がありました。
 ダーウィンも当時、キリスト教の教義に反して進化論を唱え、激しい批判にさらされました。
 新しい、科学の説は、それまでの常識感から外れますので、批判の対象になるのは至極当たり前です。


 我々が持つ、科学の知は、この世の全ての知ではなく、ここまでに知り得たごく一部の知です。
 なので、その時点の知で判断すると大きな間違い。
 いつも私が例えを用いているのは、1mの物体なのに30cmの物差しで図るようなもので、新しい科学の知は、非常識なものなのです。

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