mitakeつれづれなる抄

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東海地震は予知できません

2017年09月27日 | 気象・自然など
 日本列島の太平洋側、特に東海沖から四国・九州沖にかけて伸びる南海トラフ、このトラフ(海溝)が引き起こす大地震が憂慮されておりますが、このうち静岡県の駿河湾沖で発生するとされる東海地震は、日本の国土幹線交通が集中し、いざ地震災害が発生すると、日本の政治経済ともに深刻な影響を与えることから、政府では全力を注ぎ観測網を敷き、予知が可能とされております。

 つまり東海地震が発生する数日前に、駿河湾周囲の各所に設置してある体積歪計に異常値が示されると、大地震の予兆であるかもしれない、ということで、地震専門家で構成する政府の東海地震判定会が招集され、そこで東海地震の予兆であると判断されれば、内閣総理大臣による東海地震警戒宣言が発せられることになっています。

 この判定会を招集するに値する、地震発生の予兆が果たして現れるのかどうかで、以前から個人的に怪しいものでは?と思っておりましたが、このほど政府でも本当に、東海地震の事前予知はできず、11月1日からは南海トラフ全体に対して巨大地震の発生を評価する、新たな情報をだすことになったとのことです。早い話が、東海地震は予知できない、というものですね。

静岡新聞記事:東海地震予知「できない」明記 政府調査部会、報告書案大筋了承
NHKニュース:東海地震 予知前提の情報取りやめ 11月から新情報発表へ(動画ニュースあり)

 これは大きな方針変換です。これまで何度も口酸っぱく、東海地震の予知や判定会の仕組みなどをきかされてきました。私がこうした自然災害に関心があるから、そう感じるのですが、駿河湾の周辺、陸上にも改訂にも体積歪計という、僅かな岩石の歪を測る計測機を起き、それが24時間オンラインで、気象庁にデータが送信されています。
 そこで本来は起き得ない値が示されると、ブザーかなにか警報音が鳴り、担当者がが集められ、さらに判定会のメンバーが招集されます。この判定会のメンバーは、大学の先生など民間人なので招集に際してはパトカーによる搬送になるとおことです。

 その判定会でクロ(地震の疑いあり)と判定されれば、内閣総理大臣による東海地震警戒宣言が発せられ、東海地震警戒区域に入る交通は全て遮断(出るのは可能)、工場なども操業停止となります。
 大地震による被害軽減を図るものですが、工場の操業停止で、警戒宣言が空振りになった時は、どうするのか、という論議がありました。そうした論議が進んでいるのかと思えば、今回の東海地震は予知できないの発表。結局、これまで何だったのだろうかとは思います。

気象庁資料:「南海トラフ地震に関連する情報」の発表について

 ただ少なくとも、南海トラフが引き起こす大地震は、何らかの形でやがて起きるものです。
 これまでは東海地震に特化したものでしたが、そもそも東海地震だけが単独で起きることは無く、その前後又は同時に、東海地震、東南海地震、南海地震が発生するものと考えた方が正解です。
 そうした状況に合わせた政府の発表ですね。

 ちなみに、東海・東南海・南海の三地震が同時に発生すれば、マグニチュード9を超えます。
 最大震度はどうなるのかは、起きてみないと分かりません。
 というのは、トラフ(海溝)の断層面が動くとき、割れるように動くのか、にゅるにゅると動くのかでは、陸上での地震動は変わります。同じマグニチュードでも、必ずしも震度が大きくなるわけではありません。
 ただマグニチュード9の地震であれば、陸上での揺れが少なくとも、海底の動きは大きいので、津波の発生量が大きくなります。陸上の揺れが少なければ少ないほど、地震のエネルギーが海水を動かすエネルギーに変換され、その分津波は大きくなります。

 こういう点で、南海トラフ地震に備えねばなりません。

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