mitakeつれづれなる抄

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スルッとKANSAIn磁気カード・販売終了へ

2016年07月02日 | 鉄道
 関西の私鉄・バスの共通磁気カード「スルッとKANSAI」、これの磁気カードが来年3月で発売が終了になるとのことです。
MBSニュース:スルッとKANSAI販売終了へ

 スルッとKANSAIとは、いわゆる磁気のプリペイドカード共通利用システムのことで、阪急電鉄と能勢電鉄で共通利用が始まり、それを社局の垣根を越えて利用できるように1996年システム化したものがスルッとKANSAI。
名古屋地区でいうトランパス、関東地区ではパスネットですね。磁気カードの共通利用システムという画期的なものでしたが、ICカードの普及で利用が減るのは当たり前で、トランパスとパスネットはいずれも終了し、スルッとKANSAIも終了の発表に至ったものです。

 これも時世の流れですが、一つ気になるのは、スルッとKANSAIには面白いサービスがあります。それはスルッとKANSAI2dayカード。3dayカード。
スルッとKANSAIの普通の磁気カードは単なるプリペイドカードですが、この2day・3dayカードは二日間もしくは三日間がスルッとKANSAIエリアの私鉄・バスはほぼすべて乗れる、という嬉しい乗車券。
 スルッとKANSAIの磁気カードが発売終了ということは、この2day・3dayカードも発売終了に至ることになりそうですね。

 プリペイドカードの方は、結局は回数券で乗ることになり、そう使うことは無かったですが、2day・3dayカードはよくお世話になりました。これがあったので、いろんなところへ行けました。
 体調を崩す前のいい思い出です。

 2day・3dayカードは遠隔地居住者用の通年2dayと、発売と利用期間限定の3dayがあり、通年2dayはよく使っていた頃は、「お好きな2日間」だったものが、2年ほど前から「連続2日間」となり、事実上使えなくなりました。
 そもそも、関西エリアへ出かけられなくなっていますので、もはや関係無い話ではありますが。

 磁気カードシステムは、自動改札機に摺動部分が多く、メンテナンスが大変で、やがては磁気カードを廃し、ICカード一本にしたいとの鉄道事業者の想いです。
 しかし完全に磁気カードを止めるわけにはいきません。普通乗車券もICカード化するのは、お客さん全員がICカードを持っていただければ、それでも可能ですが、そんなことは絶対に期待できません。

 名古屋地区のトランパスが終え、関東のパスネットが終えた中、関西のスルッとKANSAIはなぜかここまで続きました。結局磁気カード発売終了で、いよいよ終焉も近いです。

 ただ、関西のスルッとKANSAIがここまで続いた背景には、磁気のスルッとKANSAIの後継となるICカード「PiTaPa」は、クレジットカード機能も付いているもので、というかクレジット機能の中に乗車運賃もあるという考え方。
 そのため発行には、利用申し込みと審査があり、大変面倒くさいもので、普及が極めて遅れました。
 これもPiTaPaのカード自体の普及はそこそこですが、JR西日本のICOCAがPiTaPaとの共通利用で、ICOCAでPiTaPaエリアに乗られる方が増え、ICOCAが関西での事実上のスタンダードカードのような地位になりました。
 こういうこともあり、磁気カードのスルッとKANSAIのカードの発売が終了に至るものですね。

 なお、現在のスルッとKANSAIのカードは2018年1月31日まで利用が可能とのこと。

***追記***
 このスルッとKANSAIは、阪急電鉄の主導で始まったもので、当初は阪急の中にありました。
 そんな事情で、阪急優位があり、スルッとKANSAIに加盟の私鉄各社は、それまでの磁気カードとは別に共通カードのスルッとKANSAIのカードを新たに設けて発売しましたが、阪急のラ・ガールカードは、特にスルッとKANSAIのカードは設けられず、ラ・ガールがそのままスルッとKANSAIのカードになりました。
 スルッとKANSAI実施前の発売された阪急のラ・ガールカードも、一度阪急の自動改札に投入すれば、スルッとKANSAIのカードとして使える、ということでした。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
技術的には、全面IC化は可能ははず。 (しんきち)
2016-07-02 20:45:10
こんにちは~スルッとKANSAIの磁気カードって、まだ関西では使われていたんですね!名古屋圏のトランパスも、もう廃止から4年経つのですが。

韓国なんかでは、ソウル首都圏でも(2009年~)、地方の地下鉄でも、1回券もICカード化されて、磁気券はすでに全廃されていますから、日本でも出来るはずですけどね。改札機も、全てIC対応のもののみになってますし。

丸いトークンのような1回用IC券を買って、デポジットが上乗せされてますから、下車駅の「保証金払い戻し機」で、デポジット分だけ払い戻さなければならないので、面倒ではあるんですが。ですから、向こうではみんな、(首都圏では)T-MONEYのようなICカードを持っています。地元の人は、ほぼ100%持っているんじゃないかな。

外国人の私でも、名古屋のマナカも持ってないのに、ソウル首都圏のICカード(2000年発行の交通カードですが)は持っているくらいですから。
去年の7月に、韓国に行った時も、あちこち乗り回るのに、この交通カードは重宝しました。

ちなみに、韓国のICカード化はとても早く、私が1999年にソウルに行った時には、すでに地下鉄も電鉄も、バスもICカードが使えるようになっていて、日本が遅れているのに驚きました。名古屋圏なんかは、共通磁気カードのトランパスの源流のユリカが導入されたのが、やっとその前年でしたからね。

名古屋の地下鉄・バスでも、敬老パス・福祉特別乗車券は、今年の9月以降、順次ICカード化が決まっています。後は、1回券をどうするかだけですね。
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トークン文化 (kisomitake)
2016-07-03 02:23:31
コメント、ありがとうございます。

韓国の1回券のICカード化は、トークン文化があってのことですね。
バスも乗車前にトークンを買って乗るのが一般的で、現金乗車よりもトークン発売額は少し安くなっていますね。

ただ韓国は、(一方的に)良いと思ったことは、強烈に遂行する傾向がありますので、日本でも1回券のICカード化は、文化風土でできないと思います。
冷房もかなりきついですし。

韓国の例ですが、その当時、名古屋国際センターや愛知県図書館で、韓国の新聞を読んでおりまして、ソウル市のバスでICカード推進の記事がよく載っていました。

またそんな頃に某所でICカード研究に参加したことがあり、ICカードのイロハを学びました。
その時点で韓国の新聞(東亜日報)を通じて、利用方法や運用状況を知っていましたので、なにかと対比できました。

あと、一つ個人的に、紙の(磁気の)乗車券は廃止してほしくない方です。
乗車券を眺めるのが楽しみでして・・・。
収集家ではないですが、「キップ」は楽しいです。
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