『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』を観た。
【あらすじ】
9.11が最愛の父トーマス・シェル(トム・ハンクス)を奪ってしまう。オスカーは父が遺した一本の鍵に、最後のメッセージが込められていると信じ、鍵穴を探す旅に出る。
鍵の入っていた封筒に書かれた文字に従い、ニューヨーク中の“ブラック氏”を訪ね歩くオスカー・シェル(トーマス・ホーン)。
やがて謎の老人が同行者となり、いつしかオスカーの辿った軌跡は、人と人をつなぐ大きく温かい輪になっていく。
ついにオスカーは、鍵の真実と巡り会うのだが・・・。
【まめ知識】
2011年という忘れられない年を生きた日本人の心に、いま最も深く突き刺さる映画が、ハリウッドから届けられた。
9.11で父親を亡くした少年を演じるのは、父親役のトム・ハンクスや母親役のサンドラ・ブロックに全く引けを取らない自然体の存在感で全米マスコミの話題をさらったのは、トーマス・ホーン。
演技経験は小学校の寸劇だけという彼が、アメリカの人気クイズ番組「ジェパディ!」に出演していたところをプロデューサーに見出され、映画デビューを飾った。
父との絆を勇気に変えて、様々な試練をひとつひとつ乗り越えていく姿は、涙なくては見られない。
あの日父を失くした少年の、喪失と再生のものがたり
2011年 アメリカ 129分 原題: EXTREMELY LOUD AND INCREDIBLY CLOSE
すっごく良かった
少年の心の内がわかってくると、もうハンカチなしではスクリーンを観ることが出来ませんでした・・・
題名が長くて「どーいう意味?」って思っていたけど、観て納得!
父親のトーマスは人とふれあいが苦手なオスカーを「調査探索ゲーム」と題して街に連れ出していた。
探す為には人に場所やヒントを聞かないと駄目だからね。
とても賢いオスカーは父親とああでもないこうでもないと話すのがとても楽しそうだった。そして、大好きなパパの仕草^^
この仕草が伏線だと言うのは、後半に出てくる。
もっともそれ観なくても、「たぶんそうだんだろうな」って察しがつくんだけどね。
9.11は当時は衝撃的な出来事だった。まさかあのツインタワーが崩壊するなんて・・・
当事者の受けたショックはわたしなんかではわかりようがないぐらいの出来事だろう。
オスカーも母親のリンダもそのショックから立ち直れずにいた。
映画はオスカーよりに描かれているから母親のリンダの気持ちは後になってからドパッと現れる。
「留守電に何かメッセージなかった?」って帰ってきてからすぐオスカーに聞いた理由がわかったときはもう泣けて泣けて><。
誰が消防士を待てって言ったのか!何度も出てくるその言葉に無性に腹がたった。パニック状態だから誰がってことないのかもしれないけど・・・でも、早く降りていれば・・・
オスカーのおばあちゃん(ゾー・コードウェル)と、オスカーの知らない内に空いている部屋を借りている老人(マックス・フォン・シドー
)
あることがきっかけで、オスカーと老人は一緒に鍵穴探しの旅に出ることになる・・・
マックス・フォン・シドーが良かった♪
彼も過去のトラウマで口が利けなくなってるんだけど、手のひらに「Yes」「No」って書いてて
完璧シリアスって訳じゃなく、笑いところもあるし、コミカルな老人が楽しくって♪
オスカーが最初に訪ねた相手、アビー・ブラック(ヴァイオラ・デイヴィス)、その夫ウィリアム・ブラック(ジェフリー・ライト)
オスカーが出会う人々は、それぞれ何かしら抱えている・・・悩みのない人間なんていないよね
でも、みんなオスカーに親切だった・・・911で父親を亡くした彼への同情だけではない。
それにはちゃんと理由があって・・・もう涙ジャジャ漏れ
もうどうしようもないぐらい、泣けた映画だった・・・
鍵は一体どの鍵穴の物だったのか・・・是非映画館かDVDで確かめてみてね♪
ネタふれ勝手な感想
父親からの最後の電話に出ることが出来なかったオスカー。
わずか10歳ぐらいの子が、父親のせっぱ詰まった声は怖いよね。
電話を取ってしまったら、父親から何を言われるのか、何を言うのか・・・想像力が豊かなオスカーは恐ろしくて結局出られなかった。
でも、それに対しての罪悪感が大きすぎて苦しい気持ち・・・
父親から電話があったのに、出なかったとわかると今度は周りの人がどんなことを思うか・・・
普段から自分の感情を上手に表に出すことが出来ず、人と話すのも苦手なオスカーはずっと後悔の念に捕らわれていたんだよね。
だから、鍵を見つけたとき、それにすがった。父親からの自分に対する何かしらのメッセージがあると思いこんだんだ。
でも、結局鍵は自分に対する父親からのものではなかったけど、逆に赤の他人に自分の胸の内を少しずつ話し始めていたオスカー。
確かに、身内に話せないことってあるよね。
子供の頃、わたしも本当に悲しい時って親には話さなかったし。
「探索」で彼は多くの人の心に触れることが出来、そして本当に自分を愛してくれている存在に気が付いた。
愛情って時に「ものすごくうるさい」(誰よりもそばにいる家族だから何かしらの干渉を受ける)でも、誰よりも「ありえないほと近い」存在で見守り無条件で愛してくれる。
ずっとオスカーの道しるべだった父親を失ってしまったけれど、同じように愛してくれている母親の存在や祖父の存在が今度はオスカーの心の支えとなっていくんだろうなと思った。
だからラストのあの笑顔がとても印象的だったわ。
父親から電話を取らなかったことで嫌われてしまったと思っていたのかもしれないね。
それが最後の最後で父親からのメッセージ(第6地区を探していた事への褒め言葉だけど、オスカーには鍵の探索をも含めた賛辞だと思ったかな)を受け取ることが出来たオスカーは、きっとあの後まっすぐ家に帰るんだろうな。
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