‘Tis Nature's Voice~それは自然の声~Ⅱ

みらくる・あっこの気ままブログ

曼珠沙華

2013-09-27 12:24:57 | My Consert
最近は白い彼岸花が増えてきたり、冬にリコリスというピンク色で、彼岸花そっくりの花が出てきたりしましたが、やはり昔ながらに田んぼの畦道に、秋になると真っ赤に不気味に並んで咲くのが、彼岸花らしくていいです。霊界とこの世を繋ぐような、地面から葉っぱもつけずにスーッといつのまにか伸びてきて、毒々しい赤色に染まる秋の風情のひとつです。










稲穂と秋の澄んだ空とともに、不気味に美しく咲いています。ここの田んぼの案山子は生首のような、マネキンの頭だけというのが、いっそう不気味です(^-^;。

北原白秋・山田耕筰による「曼珠沙華」、童謡とされているのですが、結構難度が高いので日本歌曲として、声楽家に歌われる方が多いでしょうか。
子供を失った若い母親(ゴンシャン・福岡の柳川地方の方言で良家の娘さんのこと)が、お墓へ向かう田んぼのあぜ道を、とぼとぼと悲しげに歩くピアノ伴奏で始まります。重い強拍部の次に、はかなげな弱拍部が気分の落ち込みを表します。悲しみを引きずりながら、歩いていかなければならない、生きていくのです。霊界にいる死んだ子供に会いにいけるかのように、半分は気が変になって、彼岸花を摘んでいくのです。
ポエムというのは、解釈は読んだ人の想像に任されます。音楽も同じく演奏者、聴く人の感じ方の自由があります。これはこう聴けという強制はされないものです。
この歌曲もそんな想像力を、思いっきり掻き立てられる音楽になっています。伴奏はピアノ、歌はある程度訓練を受けたベルカントの声で歌われますが、日本でしかありえないような雰囲気をかもし出している山田耕筰作品は、あの時代に西洋音楽を学びながらも、日本語の響き、風土をよく表現した偉大な作曲家であることが解かります。

  ゴンシャン ゴンシャン 何処へゆく
  赤いお墓の 曼珠沙華(ひがんばな) 曼珠沙華
  今日も手折りに 来たわいな

  ゴンシャン ゴンシャン 何本か
  地には七本 血のように 血のように
  ちょうどあの児の 年の数

  ゴンシャン ゴンシャン 気をつけな
  ひとつ摘んでも 日は真昼 日は真昼
  ひとつあとから またひらく

  ゴンシャン ゴンシャン 何故泣くろ
  何時まで取っても 曼珠沙華 曼珠沙華
  恐や赫(あか)しや まだ七つ


彼岸花は毒草なので堕胎説というのもあり、生きていれば七歳になるという設定なのか、「まだ七つ」という歌詞から、まだたったの七歳なのに、病か何かで死なせてしまったのか(血を吐くような病)、ともとられます。
いずれにせよ、母親の未練、切ない思い、死、日本の秋の風景の物悲しさ、彼岸花の不気味な赤い美しさが、全部織り込まれている詩と音楽なのです。


白い彼岸花は、清らかで華やかです。

 カラフルな初秋のガーデニングのひとつとして、楽しむことも多くなって来ましたね

「大阪楽友教会・ピアノグループ 研究演奏会」
 2013年10月13日(日)大阪教育大学天王寺キャンパス内「ミレニアムホール」
 午後2時開演 入場無料

 
*曼珠沙華* *かやの木山の* *中国地方の子守歌* *からたちの花* ソプラノ・笹山晶子 ピアノ・飯塚幸穂
 オール山田耕筰を歌わせていただきます。

 大阪市天王寺区南河堀町4-88 TEL:06-6775-6611
 (JR天王寺、地下鉄天王寺、近鉄南大阪線駅下車、徒歩約10分)
 (JR寺田町駅下車、徒歩5分)

*大阪楽友協会*http://www.osaka-gakuyu-kyokai.net
 
 



  
  
コメント
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秋分も音楽づけでした。

2013-09-27 00:50:42 | Music
秋がなかなか来ないように感じていましたが、秋分の日ともなると、合わせたように彼岸花が咲き始めるのですね。

 
最近は白い彼岸花も普通に観られるようになり、赤は昔のちょっと恐いイメージを持つよりも、むしろ秋らしい茜色で、綺麗だなぁ~と感じます。

9月21日は、豊中のノワ・アコルデ音楽アートサロンで、プリンチピ・ヴェネツィアーニのコンサートでした。

ヨーロッパで結成したメンバーだそうで、チェンバロの野澤知子さん、コルネットの上野訓子さん、歌とテオルボ、ギターの笠原雅仁さんによる
イタリア初期バロックのモノディーの世界でした。 

柄の長~いテオルボ(キタローネ)は、立てると天井につきそうですが、リュートの仲間よりはむしろギターの仲間だそうです。

 ノワの近くには、あまり気の利いた食べ物やがなか無かったのですが、小さな洋食屋さんが国道沿いに出来ていて、最近流行りのパンケーキがとても美味しかったです
ふつうの食事や、夜は飲み屋さんにもなるみたいです

22日シュシュ練で、新しいヴァイオリンの方が入っての、バッハのカンタータ52番、57番のアリアの練習も加わりました。
シュシュで宗教曲をやるのは初めてみたいですが、バロック声楽は半分くらい宗教曲が占めてるので、これからもバッハお付き合いしていただこっかな~、なんて厚かましく考えています。

23日は笠原さんの「古楽講習会・新大阪」でした。
カントゥス・フィルムスの上に新たなメロディーをつけていく。禁則もあるので、以外と難しい。あとは、初期バロック時代に流行っていた、色んな装飾の名称などをさらいました。
終わってから、チェンバロの山下さんがコンサートで出すお菓子の店、堺のケーキ屋さんへ付き合うことにしました。

ウインドウにケーキは並べられておらず、お客の注文を聞いてから、フレッシュな果物を使ってその場で作るという、お寿司屋さんのように、パティシエがカウンター客としゃべりながら、作っている変わった店でした。
無花果のタルトと、苺大福のような「ゆめいちご」を注文。コーヒーが先に出てきたのは、私的にはよろしくない、冷めてしまうからです
山下さんの「プチ・フール」というグループには、必ずスウィーツがつくそうです。女子ってどうして、最後にスウィーツで締めたくなるのでしょうねぇ…
コメント
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