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Club野風増   岐阜・本巣100夢プロジェクト!

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信州安曇野・万水川を下る

2006-05-01 20:43:48 | Weblog
≪信州・安曇野 万水川わさび紀行≫
 
 信州は信濃の国とも言う。もう少しマニアックな話になると信濃は科野とも当て、明科、豊科、埴科、浅科、立科・・などと科の付く地名が多くある。更級も古くは更科と書いたとか。
 
 Mさん所有の大陸的V8エンジン搭載のラム号は豊科インターを降り、今日の会場となる明科・龍門渕公園に無事辿り着いた。前夜より現地入りのメンバーが出迎えてくれた。結構な水量で流れる犀川の川岸が幕営場となり、他にも多くのカヌーイストがテントを張っていた。ここは全国でも人気スポットのようで、関東や名古屋、関西ナンバーのクルマが多く停まっていた。
 
 今日のプログラムは万水川、早速、豊科町運動広場に移動する。この辺りの河川は北アルプス・常念岳山麓に降った雨が湧水となり、いきなり民家の横から清冽な水が湧き出している感じである。そんな河川が綺麗でないはずがなく・・!?生憎、この日は雨による増水のせいか、少し濁っていた。それでも水量を増した万水川の護岸は緑に包まれ、堤防上に並ぶ自然の木々に囲まれ、長閑な川下りが楽しめるところであった。
 
 大きく枝を広げ、赤っぽい淡い花を付けた合歓の木が満開のようで、旅情を高めてくれる。目の前を水鳥が低くユラユラと我々を先導するかのように飛んで行く。多分、近くに雛鳥でもいるのであろう。一面緑に覆われた堤防、その上を行く人影は遠い昔の夏休みを思い出す。麦わら帽にランニングシャツ、魚獲りの道具を抱えて自転車を走らせる小学生。それは羊水の「少年時代」そのものであった。
 
 幾つもの河川が合流し、水量を増す万水川も御法伝辺りに近づくと森の中を行くようになり、異次元の世界に迷い込んだように感じる。まだまだ日本の自然も捨てたものではない・・と一人心の中でつぶやく。人影が多くなったあたりが大王ワサビ農場のようで、観光客の注目を浴びながら上陸を試みる。そこはかつて黒澤映画の「夢」のロケ地となり、その時に作られた水車小屋が今も残されていた。
 
 ワサビ園を通りぬけ、最奥のお店でランチタイムを取る。ワサビソフトや素麺が人気メニューのようであるが、私は生ビールと揚げたてコロッケを頼んだ。ちょうどその時に雷雨となる。妖しげな雲の流れ、ひんやりと頬を撫ぜる風、降るのかと思えばすぐに小止みとなる雨。自然は気紛れである。人間がなんとか出来るものではないとあきらめ、静かに生ビールを味わう。
 
 雨も上がり、川下りを再会する。万水川と犀川の合流地点がアブナイ・・との情報で慎重に艇を進めるが、それほどでもなかった。ボイルと呼ばれる湧き上る水流の上でしばし遊ぶ。そこより少し下った所にヤバイ所があった。右手には隠れた岩でもあるのか大きく瀬が出来ている。左手には流木が頭を出し、こちらに来いよと誘っている。賢明なカヌー乗りは中央を突破し、無事に切り抜ける。
 
 右手にキャンプサイトを見送り、さらに川下りを続ける。時より雨も降りだし、濡れた衣類が冷たい。楽勝とノンビリ景色を眺めながら、右に左に小さな瀬をクリアしてゆくと、突然、目の前に大きな瀬が現れた。ストレートな流れのため、焦ることは無かったが、艇は大きく上下に揺れ、舳先には大量の水しぶきが覆い被さってきた。ヒャッホー!昔の少年少女達が若干いたことを書いておきたい。
 
 そんな川旅も長くは続かない。中村のマレット・ゴルフ場が今日のゴール地点。濡れネズミになりながらトボトボと川岸に上がるカヌーイストは正直カッコ悪い・・かも。ヨレヨレになってキャンプサイトへと戻った。
 
 夜は恒例の反省会!?箱根より駆けつけたNさんを交え、南信名物の馬刺しと現地調達した上ホルモンにて会食が始まる。生ダルのボトルが空になるのは早い。誰がどれだけ飲んだかは詮索しないのがこの集まりのルール。但し、顔の紅潮度合と会話のロレツの回らなさで把握は出来、キッチリと私はメモを取っていた(ウソです)毎度の事ながら最終の式次第?である反省会はこの日も行われなかった。一番の懸案事項は明確であった・・とさ。
 
 宴たけなわ・・になったころ、私とMさん、Nさんで関東よりお越しのFさんを表敬訪問した。無数のタープの下にて宴会を繰り広げる御一行さんたちは可也のベテラン揃い、私もまだ二十年はやれそうだと変な自信を持った。テーブルの上に並ぶ二本の妖しげなステンレスボトル、それは自家製の密造酒!じゃなくて地ビール。私の目が催促していたのか、だまってコップに注がれたビールに私は感謝した。持つべきものは気の合う仲間だと!
 
 記憶が怪しいまま、夜が明けた。こんな生活をいつまでも続けていては行けないと反省しつつ、自転車の組み立てをする。今日はMさんと安曇野さわやかツーショット・ラン。出来ればお相手は異性の方が希望なのであるが、し方ないので目をつぶって走ることにする(同様の内容をV氏も誰かにこぼしていたとか・・・)
 
 昨日下った犀川沿いに自転車を走らせる。天気は回復基調で、まるで二人の門出を祝っているよう・・とシャレにもならないことを考えていると、後方で大音響が信州の山々に木霊した!?なんとMさんのMTBがパンク。小さく裂けたタイヤからチューブがはみ出し、それが路面と擦れてパンクしたらしい。手早く修理を済ませ、八代峠越えに向かう。
 
 峠を越えた向こうが安曇野、言葉の響きといい、実際の田園風景といい、安曇野はメルヘンチックである。生活道路の横にたたずむカップルの道祖神は握手をしていたり、時には接吻も・・大らかな安曇野の魅力は水田の緑と民家の回りに植えられた屋敷林の織り成す日本的な景色にある。それはクルマで通り過ぎるのではなく、自転車で走ってみて初めて判る感想で、是非皆さんも次回は自転車を持って行きましょう!?
 
 二日間の夢の刹那も時は待ってくれない。明日からの現実に向かってそれぞれが帰路に付いた。コーディネーターのAさん、お疲れ様でした。娘さんもご苦労様でした。色んな種類の人間がいることを知る事ができた貴重な二日間だったと思いますヨ!動物園より面白い???