≪東白川 10峠100kmラン その3≫
まあ、最後は一人になるだろうということは予測していた。今回の参加者のほとんどがロードレーサーでの走りをメインとし、日頃から走り込んでいるメンバーであることは聞き及んでいたから。のんびりとツーリングを楽しみ、風景や歴史に触れてみたいといった指向の私にはスピードが付いて行けないのである。勿論、脚が遅いという言い訳でしかないことは承知しているのだが。
KKさんと黒川で別れ、蛭川を目指して鱒淵川沿いに遡って行く。時計を見るとまだ昼の2時、タイムリミットは黒川で4時と決めてあったので余裕を感じる。東座という芝居小屋が右手に見えた。午前中に通った門和佐には白雲座という建物があり、このエリアは地歌舞伎が盛んなようだ。
中新田にて右折をする。角の赤根屋酒店にて食料を補給、店先に座り込んでサンドイッチをほお張る。目の前には田植えの済んだ水田が広がり、その後ろにはこれから上るであろうなだらかな山々が緑に覆われてそびえていた。
遠ヶ根峠の上りは緩やかであった。右に左に大きくヘアピンカーブを繰り返しながら高度を上げて行く峠は比較的楽に走れる。大多尾峠で限界を感じた脚も、食事休憩を取ったせいか、疲れを感じなくなり、不思議とペダルが軽い。マラソンの世界にはランニングハイというのがあって、ある限度以上になると身体の疲れを感じなくなり、心も軽くなってハイな状態になるそうだ。とすれば、これはサイクルハイとでも言うのであろうか。
快晴であった空に薄雲が広がり始め、それとともに心地よい風も吹き始める。汗で濡れたTシャツも乾き、爽やかそのものである。8番目となる遠ヶ根峠に近づくと後方より黄色いジャージーのレーサーが声を掛けてきた。名古屋から参加のUKさんのようだ。流石はトライアスロンの鉄人という触れ込み通り?の健脚で、あっという間に追い越していった。今回、遠距離からの参加者に合わせて時差スタートというルールを取り入れたため、UKさんは私より2時間以上遅れてスタートをしたようである。
現在は中津川市となった蛭川へ豪快なダウンヒルを楽しむ。コーナーに突っ込む心境は童心そのもの、ヒャッホウと心の中で叫んで至福のひと時を楽しむ。結果、下った分だけ次の蛭川峠で取り戻す羽目になることを忘れて・・・!
今洞の大イチョウのあるところで右折し、県道408号となる蛭川峠の上りに入る。行き成り、真っ直ぐに上がる坂を見て愕然となる。道を間違えたらしい先ほどのUKさんが再度追い越していった。登山の世界には胸突き八丁というのがある。ちょうど登山道の八合目辺りに急坂があり、これを越えないと頂上に着かないという試練の場面でもある。今回の蛭川峠がそれに当るようだ。
これでもか、これでもかと激坂が続く。植林で薄暗い道が更に気持ちを萎縮させる。ここで脚を止めたら明るい内にゴールが出来ない・・・と心に言い聞かせ、必死にペダルを漕ぐ。後日談ではあるが、春日井の剛脚、SMさんでも押して上がったとか。午後4時10分、9番目となる蛭川峠に辿り着く。
証拠となる写真を一人寂しくセルフタイマーで撮る。その後は一気に恵那市中野方を目掛けて下りに入る。ここで転倒してはヤバイと慎重にブレーキを掛けて下る。途中、馬越にて左折し、ショートカットで中野方峠に向かう。この道は南にそびえる笠置山の展望コースで、なだらかな笠の形をした山容が美しい。
県道68号に出会えば峠は近い。今回のファイナルとなる10番目、中野方峠へはあっさりと着いた。時刻は午後4時40分、今回のルールとしてゴールしたら後続を待たずに流れ解散のため、もう役場には誰もいないことが予測される。これから赤川沿いに下りをぶっ飛ばしてみても5時は回るであろう。今日一日の充実したロングツーリングの余韻を味わいながらエピローグランを一人で楽しむ。
午後5時10分に白川町役場へ到着、10時間にも及ぶ長丁場を走り切った満足感で涙が出そうにる。真実は目に虫が入っただけではあるが。心の中で小さく万歳をして10峠120kmランの達成を祝う。なぜか100kmランと言いつつ、結果は120kmであったことに誰からもクレームはなかった。
今回の企画は、いわゆるサイクリングの世界からはほど遠いかもしれない。しかし、これはレースではないかとか、旅気分を味わうものではないと決めつけてしまえば面白い自転車遊びは出来ないだろうと企画してみたものである。実際、タイムも計って順位付けもする予定である。とても自転車が好きで、朝練など日頃から走りの努力をされている方々には頭が下がる。そのような皆さんの成果を表すためにも所要時間は大事であり、次回に走られる方への目安にもなると思う。今回のベストラップは土岐のHTさん(ゲスト参加)で、ちょうど7時間であったことを報告する。
参加者28名、完走は16名。皆さん、お疲れさまでした。
まあ、最後は一人になるだろうということは予測していた。今回の参加者のほとんどがロードレーサーでの走りをメインとし、日頃から走り込んでいるメンバーであることは聞き及んでいたから。のんびりとツーリングを楽しみ、風景や歴史に触れてみたいといった指向の私にはスピードが付いて行けないのである。勿論、脚が遅いという言い訳でしかないことは承知しているのだが。
KKさんと黒川で別れ、蛭川を目指して鱒淵川沿いに遡って行く。時計を見るとまだ昼の2時、タイムリミットは黒川で4時と決めてあったので余裕を感じる。東座という芝居小屋が右手に見えた。午前中に通った門和佐には白雲座という建物があり、このエリアは地歌舞伎が盛んなようだ。
中新田にて右折をする。角の赤根屋酒店にて食料を補給、店先に座り込んでサンドイッチをほお張る。目の前には田植えの済んだ水田が広がり、その後ろにはこれから上るであろうなだらかな山々が緑に覆われてそびえていた。
遠ヶ根峠の上りは緩やかであった。右に左に大きくヘアピンカーブを繰り返しながら高度を上げて行く峠は比較的楽に走れる。大多尾峠で限界を感じた脚も、食事休憩を取ったせいか、疲れを感じなくなり、不思議とペダルが軽い。マラソンの世界にはランニングハイというのがあって、ある限度以上になると身体の疲れを感じなくなり、心も軽くなってハイな状態になるそうだ。とすれば、これはサイクルハイとでも言うのであろうか。
快晴であった空に薄雲が広がり始め、それとともに心地よい風も吹き始める。汗で濡れたTシャツも乾き、爽やかそのものである。8番目となる遠ヶ根峠に近づくと後方より黄色いジャージーのレーサーが声を掛けてきた。名古屋から参加のUKさんのようだ。流石はトライアスロンの鉄人という触れ込み通り?の健脚で、あっという間に追い越していった。今回、遠距離からの参加者に合わせて時差スタートというルールを取り入れたため、UKさんは私より2時間以上遅れてスタートをしたようである。
現在は中津川市となった蛭川へ豪快なダウンヒルを楽しむ。コーナーに突っ込む心境は童心そのもの、ヒャッホウと心の中で叫んで至福のひと時を楽しむ。結果、下った分だけ次の蛭川峠で取り戻す羽目になることを忘れて・・・!
今洞の大イチョウのあるところで右折し、県道408号となる蛭川峠の上りに入る。行き成り、真っ直ぐに上がる坂を見て愕然となる。道を間違えたらしい先ほどのUKさんが再度追い越していった。登山の世界には胸突き八丁というのがある。ちょうど登山道の八合目辺りに急坂があり、これを越えないと頂上に着かないという試練の場面でもある。今回の蛭川峠がそれに当るようだ。
これでもか、これでもかと激坂が続く。植林で薄暗い道が更に気持ちを萎縮させる。ここで脚を止めたら明るい内にゴールが出来ない・・・と心に言い聞かせ、必死にペダルを漕ぐ。後日談ではあるが、春日井の剛脚、SMさんでも押して上がったとか。午後4時10分、9番目となる蛭川峠に辿り着く。
証拠となる写真を一人寂しくセルフタイマーで撮る。その後は一気に恵那市中野方を目掛けて下りに入る。ここで転倒してはヤバイと慎重にブレーキを掛けて下る。途中、馬越にて左折し、ショートカットで中野方峠に向かう。この道は南にそびえる笠置山の展望コースで、なだらかな笠の形をした山容が美しい。
県道68号に出会えば峠は近い。今回のファイナルとなる10番目、中野方峠へはあっさりと着いた。時刻は午後4時40分、今回のルールとしてゴールしたら後続を待たずに流れ解散のため、もう役場には誰もいないことが予測される。これから赤川沿いに下りをぶっ飛ばしてみても5時は回るであろう。今日一日の充実したロングツーリングの余韻を味わいながらエピローグランを一人で楽しむ。
午後5時10分に白川町役場へ到着、10時間にも及ぶ長丁場を走り切った満足感で涙が出そうにる。真実は目に虫が入っただけではあるが。心の中で小さく万歳をして10峠120kmランの達成を祝う。なぜか100kmランと言いつつ、結果は120kmであったことに誰からもクレームはなかった。
今回の企画は、いわゆるサイクリングの世界からはほど遠いかもしれない。しかし、これはレースではないかとか、旅気分を味わうものではないと決めつけてしまえば面白い自転車遊びは出来ないだろうと企画してみたものである。実際、タイムも計って順位付けもする予定である。とても自転車が好きで、朝練など日頃から走りの努力をされている方々には頭が下がる。そのような皆さんの成果を表すためにも所要時間は大事であり、次回に走られる方への目安にもなると思う。今回のベストラップは土岐のHTさん(ゲスト参加)で、ちょうど7時間であったことを報告する。
参加者28名、完走は16名。皆さん、お疲れさまでした。