Club野風増   岐阜・本巣100夢プロジェクト!

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東白川 10峠100kmラン その3

2006-05-27 18:26:22 | Weblog
≪東白川 10峠100kmラン その3≫

 まあ、最後は一人になるだろうということは予測していた。今回の参加者のほとんどがロードレーサーでの走りをメインとし、日頃から走り込んでいるメンバーであることは聞き及んでいたから。のんびりとツーリングを楽しみ、風景や歴史に触れてみたいといった指向の私にはスピードが付いて行けないのである。勿論、脚が遅いという言い訳でしかないことは承知しているのだが。

 KKさんと黒川で別れ、蛭川を目指して鱒淵川沿いに遡って行く。時計を見るとまだ昼の2時、タイムリミットは黒川で4時と決めてあったので余裕を感じる。東座という芝居小屋が右手に見えた。午前中に通った門和佐には白雲座という建物があり、このエリアは地歌舞伎が盛んなようだ。

 中新田にて右折をする。角の赤根屋酒店にて食料を補給、店先に座り込んでサンドイッチをほお張る。目の前には田植えの済んだ水田が広がり、その後ろにはこれから上るであろうなだらかな山々が緑に覆われてそびえていた。

 遠ヶ根峠の上りは緩やかであった。右に左に大きくヘアピンカーブを繰り返しながら高度を上げて行く峠は比較的楽に走れる。大多尾峠で限界を感じた脚も、食事休憩を取ったせいか、疲れを感じなくなり、不思議とペダルが軽い。マラソンの世界にはランニングハイというのがあって、ある限度以上になると身体の疲れを感じなくなり、心も軽くなってハイな状態になるそうだ。とすれば、これはサイクルハイとでも言うのであろうか。

 快晴であった空に薄雲が広がり始め、それとともに心地よい風も吹き始める。汗で濡れたTシャツも乾き、爽やかそのものである。8番目となる遠ヶ根峠に近づくと後方より黄色いジャージーのレーサーが声を掛けてきた。名古屋から参加のUKさんのようだ。流石はトライアスロンの鉄人という触れ込み通り?の健脚で、あっという間に追い越していった。今回、遠距離からの参加者に合わせて時差スタートというルールを取り入れたため、UKさんは私より2時間以上遅れてスタートをしたようである。

 現在は中津川市となった蛭川へ豪快なダウンヒルを楽しむ。コーナーに突っ込む心境は童心そのもの、ヒャッホウと心の中で叫んで至福のひと時を楽しむ。結果、下った分だけ次の蛭川峠で取り戻す羽目になることを忘れて・・・!

 今洞の大イチョウのあるところで右折し、県道408号となる蛭川峠の上りに入る。行き成り、真っ直ぐに上がる坂を見て愕然となる。道を間違えたらしい先ほどのUKさんが再度追い越していった。登山の世界には胸突き八丁というのがある。ちょうど登山道の八合目辺りに急坂があり、これを越えないと頂上に着かないという試練の場面でもある。今回の蛭川峠がそれに当るようだ。

 これでもか、これでもかと激坂が続く。植林で薄暗い道が更に気持ちを萎縮させる。ここで脚を止めたら明るい内にゴールが出来ない・・・と心に言い聞かせ、必死にペダルを漕ぐ。後日談ではあるが、春日井の剛脚、SMさんでも押して上がったとか。午後4時10分、9番目となる蛭川峠に辿り着く。

 証拠となる写真を一人寂しくセルフタイマーで撮る。その後は一気に恵那市中野方を目掛けて下りに入る。ここで転倒してはヤバイと慎重にブレーキを掛けて下る。途中、馬越にて左折し、ショートカットで中野方峠に向かう。この道は南にそびえる笠置山の展望コースで、なだらかな笠の形をした山容が美しい。

 県道68号に出会えば峠は近い。今回のファイナルとなる10番目、中野方峠へはあっさりと着いた。時刻は午後4時40分、今回のルールとしてゴールしたら後続を待たずに流れ解散のため、もう役場には誰もいないことが予測される。これから赤川沿いに下りをぶっ飛ばしてみても5時は回るであろう。今日一日の充実したロングツーリングの余韻を味わいながらエピローグランを一人で楽しむ。

 午後5時10分に白川町役場へ到着、10時間にも及ぶ長丁場を走り切った満足感で涙が出そうにる。真実は目に虫が入っただけではあるが。心の中で小さく万歳をして10峠120kmランの達成を祝う。なぜか100kmランと言いつつ、結果は120kmであったことに誰からもクレームはなかった。

 今回の企画は、いわゆるサイクリングの世界からはほど遠いかもしれない。しかし、これはレースではないかとか、旅気分を味わうものではないと決めつけてしまえば面白い自転車遊びは出来ないだろうと企画してみたものである。実際、タイムも計って順位付けもする予定である。とても自転車が好きで、朝練など日頃から走りの努力をされている方々には頭が下がる。そのような皆さんの成果を表すためにも所要時間は大事であり、次回に走られる方への目安にもなると思う。今回のベストラップは土岐のHTさん(ゲスト参加)で、ちょうど7時間であったことを報告する。

 参加者28名、完走は16名。皆さん、お疲れさまでした。


東白川 10峠100kmラン その2

2006-05-25 22:16:51 | Weblog
≪東白川 10峠100kmラン その2≫

 久野川峠より一気に下夏焼へ下る。道路際に松の老木が何本も立ち、その合間からのどかな夏焼の集落が見下ろせた。橋を渡って少し上がり、酒屋の角を右折する。今回のような特別プラン?でなければ冷えたビー○を買って、木陰でグイッとやりたいところである。

 二車線幅の県道62号を南進する。途中、左手に旧道を見付け、一人で走ってみる。そこには懐かしい昔の田舎風景が残り、ツーリング気分を少しは満足させてくれた。新道(バイパスのこと)はやはり味気ない。

 突然、携帯がプルプルと鳴った。何かトラブルでも、と心配ながら出るとJKさんより脇腹が痛いのでリタイヤするとの話しであった。結石の持病があり、それが原因のようだ。

 今回の10峠にはカウントしていない笹峠のコブを難なく越える。門和佐の芋沢上で左折し、松坂峠を目指す。ここでGKさんがリタイヤするという。体調不良ではなく、体重増が原因だそうだ。お互い気を付けたいものである。

 天候に恵まれたのは嬉しいのだが、気温が異常に上がって暑い。陽射しも強くなって首筋が焼けて痛くなってくる。交通マナーから言えば良くないのだが、日陰を求めて右に左にとルートを取る。木陰はやはり涼しい。

 5番目となる松坂峠には何度も訪れているため、ボトルの水で咽を潤おして、すぐに下りに入る。今日は下呂市で全国植樹祭が行われており、そのせいか交通量が極端に少なく、対向車を気にすることなくコーナーに突っ込めた。

 上佐見にて国道256号に出会い、左折する。佐見川に沿ってしばらく走り、吉田橋のところで右折する。徐々に道は高度を上げ、つづら折りになるころに桜峠へ辿り着いた。途中には別荘地らしきものもあった。ここでリタイヤ予定のJKさんが追いついて来た。休んでいたら調子が良くなったので、自走で役場まで走るとのこと。

 桜峠より東白川村神土へ下る道中は、白川茶の産地でもある。緑の綺麗な茶畑を縫って下るのも気持ちが良い。脇道に迷いながらも村の中心地となる神土の商店街へと出た。街角の自販機でスポーツドリンクを買おうとするが、全て売り切れ状態。先行者が買い締めたようだ。

 左折をして白川橋へ向かい、次に右折をして県道72号に入る。横を流れる川は左広川といい、小さな滝を幾つも作って流れる水は見ていてとても気持ち良さそうであった。大多尾峠へ向かう道は徐々に、確実に斜度を増してゆくため、スピードがガクンと落ちてしまう。通る車が少ないのを幸いに、道幅いっぱいにS字を描きながら登っていった。直線で登るより多少は楽なようだ。

 7番目となる大多尾峠に辿り着くと、今まで同行していただいたKKさんが黒川よりリタイヤするとのこと。新調されたロードフレームに付いたフロント・ダブルのギアは峠越えにはマッチしていなかったようだ。黒川の街まで一緒に走り、そこで別れた。

 これよりは一人で残りの三つの峠を越えなければならない。

東白川 10峠100kmラン その1

2006-05-23 12:06:01 | Weblog
≪東白川 10峠100kmラン その1≫

 岐阜県白川町、旧金山町、東白川村、旧蛭川村一帯には素適な峠が多くある。白川、黒川、赤川、佐見川といった清流。程よい標高の緑に覆われた山々。日本の原風景ともいえる美しい山里の家並み・・・どれを取っても魅力的なエリアである。

 白川町役場前を朝の7時にスタートする。今日の参加メンバーは28名、20代から70代と年齢の幅も広く、車種もロードからMTBとそれぞれの思惑でエントリーしていた。

 先ずは白川に沿って東進する。梅雨を思わせる長雨のせいで増水した白川は飛沫をあげて流れていた。中川の酒屋さんの前で左折し、白北林道へと入る。坂は徐々に角度を増し、茶畑の中を縫って新・中屋峠を目指す。今回のプランは完全フリー走行、ゴール後は流れ解散のため、朝、顔を見たきり遭えない方がほとんどであった。脚に自信のある方々が猛烈な勢いでガシガシと坂を登っていった。

 新緑の中、舗装された一車線幅の林道を徐々に登って行く。抜けるような五月晴れの青い空、静寂の中に響くウグイスの鳴き声、自然にどっぷりと浸かりながら走る自転車旅は最高の贅沢でもある。先ずは一つ目となる新・中屋峠に辿り着く。

 休憩もほどほどに下りに入る。小さな落石や湧き水に注意しながらコーナーに突っ込んで行く。今日の長丁場を考えるとスピードはセーブせざるを得ない。転倒だけは避けたいものだ。

 稲田にて国道256に出会い、右折して佐見川沿いに遡る。成山辺りでは田植えの真っ最中で、自転車遊びに興じる自身が後ろめたかった。久田島の高天良神社前で左折し、野多押峠を目指す。峠自体はそれほどの高度差もなく、難なく越える。

 火打の井ノ口橋にて左折し、和佐へ向かう。途中には最近有名になった苗代桜が緑の葉に覆われて2本立っていた。三光橋のところより林道に入る。入口には熊出没注意の看板が立っていて緊張させられる。下見をされた2名の方からも子熊を見かけたという情報を得ていたため、ホイッスルを用意してきてはいるのだが。

 車が一台も通らない静かな道を徐々に上がって行く。途中、山仕事の方に熊の件を訊ねるが、大丈夫の一言に少しは安心した。ニョロニョロと道を横切る蛇を避けながら三つ目となる執幣峠に辿り着く。ちなみに、次に越える久野川峠と執幣峠はかつての岐阜と高山を結んだ飛騨街道だそうだ。

 一気に久野川の集落へと下る。庚申塚の前を横切って右折し、峠を目指す。地元の消防団の方々が練習に励んでいた。鯉であろうか、養殖用に水を張った水田を横目に坂を登って行く。道は最後のほうでつづら折りになるが、思ったよりもきつくて脚に疲労を感じるようになる。峠で休憩する仲間と三人で写真を撮り、下夏焼の集落へと下った。

春本番・鈴鹿の峠越え!

2006-05-16 00:09:13 | Weblog
≪春本番・鈴鹿の峠越え!≫

 念願の鞍掛峠と石榑峠を訪れて来た。スタートは旧の藤原町役場、見上げると藤原岳がとても大きく望める。山一面が新緑に覆われ、とても綺麗だ。

 今日のメンバーは7名、ロードレーサーが5名、MTBが1名、ランドナーが1名という混成チーム。挨拶もそこそこに先ずは旧道を北西に進み、更に国道306号を彦根方面へと向う。私にとってこのルートを走るのは初めてで、左右の景色に見とれながらペダルを黙々と漕ぐ。勾配はそれほどきつくはないのだが、一定の勾配で淡々と続く坂は嫌なもの。時間と共に大きくばらけ、ほうほうの体で峠のトンネルに辿り着いた。滋賀県側から吹き抜ける風が冷たかった。

 トンネルを抜けると近江の国、新緑に覆われた谷の中のワインディングロードを大君ヶ畑まで豪快なダウンヒルを楽しむ。犬上川(北谷)の清流がとても綺麗で、思わず見とれてしまう。

 佐目の先で県道34号へ入り、犬上ダムを目指す。小原、川相(かわない)、一ノ瀬、樋田とひなびた集落を抜けて行く。犬上ダムの堰堤上で小休止、久々に会うメンバーもいて、会話に華が咲く。昨日の雨が急速に上がり、青い水をたたえたダムの湖面に映る緑がとても印象的であった。

 まだまだ今日の行程の3割、先が長いので慌ただしく走り出す。しばらくは川沿いの平坦な道を走る。耳を澄ませると、清流にしか棲息しないというカジカガエルの鳴き声が聞こえた。

 百済寺甲という珍しい地名のところで左折し、筒井峠越えに入る。峠には木地師に因む神社があった。この付近の蛭谷や君ヶ畑は木地師発祥の地とかで、一度ゆっくりと訪れてみたいところである。

 急激な坂を下って箕川、政所と走り抜ける。蓼畑で国道421号に出、左折して旧大安町を目指す。この道はかつての八風街道でもあるそうだ。杠葉尾の集落を左に見ながら愛知川に沿って坂を上って行く。国道の両側は拡幅の予定があるのか木々が伐採されていた。峠付近はトンネルで抜ける予定だとか、折角の風景が台無しになりそうで、自転車で訪れるのなら今の内というところか。

 最後のキャンプ場を過ぎると更に勾配は増し、つづら折れの道をうねうねと高度を増して行く。若葉の緑が癒しとなって、登りの苦労を忘れさせてくれる。見上げると竜ヶ岳が大きく眼前に迫っていた。ある程度の高度になると道は平坦になり、ペダルを漕ぐ足も軽くなる。鈴鹿連峰が低くなったところが石榑峠のようだ。電波塔の建物が見えてくれば峠は近い。

 大きく回り込んだ所が峠であった。竜ヶ岳に登る登山者の車の陰でしばしの休憩を取る。東方向には三重県北勢地方の平野が眼下に広がっていた。大勢の登山者が下山してきたのを見計らってダウンヒルの準備に入る。5月と言えども下りはかなり冷え込むため、ウィンドブレーカーを着込む。

 コンクリートで舗装された激坂をフルブレーキで下って行く。ランドナーのブレーキシューが高音の悲鳴をあげ、ゴムの焼ける臭いが鼻についた。仲間との接触に気を配りながらスピードを徐々に上げて下って行った。

 至福のひと時は短い。標高差500mあまりを数十分で下り、国道306号の交差点へ至る。ここで左折して北上、今日のもう一つの目的地であるスイーツの店「アミアン」へ向かう。

 今日の走行距離は75キロ、二つの大きな峠越えも無事にこなしてサイクル・ツーリングを終えた。

鳥海山から月山・湯殿山へ!

2006-05-10 20:47:19 | Weblog
≪鳥海山から月山・湯殿山へ!≫

 バックカントリースキーに興味のある方は是非とも鳥海山へ。4月から5月の鳥海山は適度な残雪が残り、雪質も程よく締まっていて最高のバックカントリーエリアとなる。
 
 難点は距離が遠いこと。岐阜を前日の10時頃に出発し、北陸道を徹夜で山形を目指すこととなる。新潟辺りで一般道に下りてからも嫌になるほどの距離を走って、明け方の5時頃に酒田市へ着く。天候が良ければ前方に雪に覆われた鳥海山の全容を見ることができ、感動の一瞬でもある。
 
 今回のプランは、秋田県側の祓川(はらいがわ)コースを採る。酒田市側の反対の位置になり、距離は更に遠くなるが、雪の量や斜度、安全性を考えるとベストなコースといえる。
 
 最奥の駐車スペースまで車を乗り入れ、スキーの準備をする。私はテレマーク、他の二人はアルペンである。下りの滑りでいえばアルペンの方が勝っているかもしれないが、やはりテレマークには味がある。バックカントリースキーは旅の気分も味わえるのが良いと私は思っている。
 
 快晴の空のもと、黄砂で薄茶色になった残雪の上にシールを効かして登り始める。この雰囲気がなんとも言えない。ゲレンデスキーにはない楽しみで、気持ち良く高度を上げながら鳥海の山頂を目指す。眼下には日本海も・・・
 
 半分程も登ったころ、上部から山スキーヤーがそれぞれのスタイルで滑り下りてくる。思い思いにコースを取り、好き勝てに滑れるのもバックカントリーの醍醐味、アウトドアスポーツの王様と言ってもよいかもしれない。
 
 最後の急登をしのげば頂上へ。新山のピークは火口壁を越えたすぐ向こうになる。360度の眺望を楽しみながら食事を済ませ、いよいよ下りに入る。雪質は数日前に降った雨のせいで表面だけがクラスト気味、いちばん厄介な状態ではあるが、だましだまし下りに入る。ベテランの二人は競い合うように一気に下っていった。
 
 その後、月山、湯殿山と東北のバックカントリースキーを満喫して帰途に着いた。