Club野風増   岐阜・本巣100夢プロジェクト!

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輪旅 天空の楽園・しらびそへ!!

2010-05-17 06:28:32 | 自転車旅
《輪旅 天空の楽園・しらびそへ!!》

 信州飯田より、さらにひと山越えた谷間に遠山郷がある。秋山郷と並び、とても辺鄙な場所ではあるが、その分、独自な文化と手付かずの大自然が今も残っている。

 しらびそ高原の標高は1900㍍、そこへ自転車で上がろうというのだから尋常なプランではない。しかし、苦労を重ねながら上り詰めたしらびそ峠からの絶景は、何十倍もの感動をプレゼントしてくれるようであった。

 喬木村役場に集合。京都からojionさん、三重からabiさん、愛知からmiyaさん、四人で走り始める。天気は快晴、風があるせいか空気中の塵も吹き飛び、新緑が目にしみるほど綺麗であった。

 先ずは県道18号を北上して、豊丘村、松川町へと向かう。数年前、初めてmiyaさんと走ったコースで、タイトルは「天竜川の源流から河口まで230km」というプランだったかと。その時も5月で、中央アルプスの残雪が綺麗だったことを覚えている。

 間沢で、生田方面(県道22号)へ向かうabiさんと分かれる。毎度の事ではあるが、今回のプランもルールは一つ、夕方5時までに宿へ集合することだけ。自由気ままにコースを決め、それぞれがオリジナルのルートを楽しむ・・・という危うい企画でもある。

 渡場より小渋川沿いの県道59号へ入る。時より通るダンプカーさえ気をつければ静かで快適なコースである。小渋湖の橋の上に立つと谷の奥に真っ白な赤石岳が望まれた。

 大鹿村落合にて右折し、国道152号にて地蔵峠を目指す。途中、大西公園に立ち寄る。昭和36年に発生した集中豪雨により山津波が発生。十数戸40名近い方々が生き埋めになったという。中央構造線に沿った谷のためか、地質はもろく、そのむき出しの崖は今にも崩れそうであった。


(大鹿村小渋川よりの赤石岳)

 現在は桜の咲く公園となり、小渋川の奥には赤石岳の雄姿が望まれる。今日、最後となる食料品店にてお酒を仕入れる。「仙醸」伊奈の銘酒のようだ。同行のお二人に一本づつ持ってもらう。ちなみに、私のバッグにはワインが二リットル入っている。充分に怪しげな集まりであることがこれで分かる!??

 そういえば、ここは大鹿歌舞伎でも有名だそうで、その歴史は300年とか。お店の娘さんも演者で、その写真をラベルにしたお酒があった。

 いよいよ上りの開始である。脚力の差は歴然で、お若い二人はズンズン先へ・・・私は風景を楽しむのが趣味でして!・・・とバレバレの言い訳をしながら、マイペースで高度を上げていった。ジグザグを繰り返し、左へコーナーを曲がったところが地蔵峠。abiさんの後姿をちらっとだけ見ることができた。

 しばし休憩をしていると、息を切らしたdodoさんが上がってきた。来週に迫った「佐渡ロングライド」に備えてのトレーニングだそうだ。ちょっとだけお喋りを楽しみに、再び、ダンシングでしらびそ高原へと上がって行った。何かに取り付かれていようにも・・・!??


(しらびそ高原よりの南アルプス)

 しらびそ高原の標高は1900m、そうた易く自転車で行ける場所ではない。ひたすら、黙々とペダルを漕ぐ羽目となる。前方からpineさんが降りてくる。後方から蛙さんが上がってくる。このお二人、実業団登録というから半端じゃない。あまりお近づきにならないようにしている。っていうか、近づけないというのが真実ではあるが・・・

 一人、いつもの「しらびそ峠」の看板を入れて記念撮影。何度来てもここは素晴らしい。何とか自転車で上がれたことに感謝をする。3時半、ようやく今日の宿「ハイランドしらびそ」の前に辿り着いた。

 風呂!・・・ビール!・・・宿に着いてやることはこの二つ。展望風呂の窓からは、雄大な南アルプスのパノラマが・・・疲れが一気に吹き飛んだ。次に、冷えたビールを一気飲み・・・またまた疲れが吹き飛んだ!??

 仲間たち・・・続々と宿へ到着。元気な顔、ヘロヘロな顔、真っ黒な顔・・・朝の3時起き、200km近い距離を走って・・・まともでないメンバー16名(内1名は、7時過ぎに到着)宴会が始まる。飲めや唄え(喋れ?)のお騒ぎ・・・あっという間に30本近いビール瓶が空に・・・自転車の疲れを忘れているようでもあった。

 恒例の二次会へ・・・しらびそ高原に歓楽街は無い!・・・よって、持参したワインと日本酒にて飲み直し会・・・・自己紹介を兼ねた武勇伝披露で夜は更けていった。どこまでも元気なオッさん連中には脱帽!!


(日本のチロル 下栗の里にて)

 翌日も快晴・・・朝陽の当たる南アルプスの展望もいい。赤石岳、大沢岳、兎岳、聖岳、上河内岳、茶臼岳、光岳・・・残雪をまとった山々の眺めは格別である。集合写真、動画と撮り、またそれぞれが思い思いの方面へと散っていった。「またどこかでお会いしましょう!」

 南アルプスエコーラインにて下栗へと向かう。このコースは私のお気に入り・・・左手にずっと山々を眺めながらのダウンヒルは至福のひと時でもある。一気に下るのはもったいない・・・何度も止まり、写真を撮る。

 下りきったところが下栗の集落、日本のチロルとも呼ばれ、急斜面に開かれた畑や、しがみ付くように建てられた家々・・・谷の奥には残雪に輝く聖岳、上河内岳、茶臼岳、光岳が・・・もうこれは別天地、まさしく雲上の楽園・・・

 旧上村役場へ降り立ち、再度、赤石隧道への上りに入る。これを越えなければ帰ることが出来ない・・・最後の力を振り絞り、帰路に着いた。

 同じプランは二度やらない・・・そんなクラブカラーの中で、しらびそ合宿だけは別格のようである。来年もしらびそでお会いしましょう!・・・と心の中で決めていた。16名の参加の皆様、お疲れ様でした!!